今週のDEBUNKまとめ(7/25〜7/31)
今週配信した記事10本+動画1本を、3行ずつで振り返ります。
おはようございます。 今週(7/25〜7/31)にDEBUNKで配信した記事10本と動画1本を、3行ずつでまとめました。
🤖 DEBUNK AI
ArisGlobalをDassault Systèmesが$1.8Bで買収、Atomsにa16zが$1.7B出資、など全30PJ【資金調達PJまとめ】
7/18〜7/24のAI領域の資金調達30件をまとめました。首位は医薬品の安全性報告を年間1,200万件超処理する規制コンプライアンス基盤 ArisGlobal で、3D設計大手の Dassault Systèmes が現金$1.8B+最大$200Mのアーンアウトで買収しています。
2位は Uber 創業者 Travis Kalanick 氏が率いるフィジカルAI持株会社 Atoms の$1.7B。a16z がリードし Ben Horowitz 氏が取締役に就きましたが、ラウンド名も評価額も非開示のままです(火曜に単独記事で掘り下げました)。
3位は Spotify 創業者 Daniel Ek 氏の予防医療 Neko Health の$700M(Series C、評価額 約$7B)。※7/15発表で前号の取りこぼしのため、今号のランキングに統合しています。
先週のAI市場を5分で振り返り
「AIへの投資が、初めて株価という形で跳ね返ってきた週」でした。Alphabet は売上+24%・Cloud+82%という好決算を出しながら、FY26の設備投資ガイダンスを$195〜205Bへ引き上げた途端に単日-7%。稼ぐ力より、先に払う金額のほうが大きく見え始めています。
もう一つの軸が中国の Kimi K3 で、性能が米フロンティアに迫った理由をめぐる「蒸留したのでは」という疑いが、企業間の話を越えて制裁の議論にまで上がりました。一方で「蒸留だけでは説明できない」という専門家の反論も出ています。
🔒 有料限定記事です。蒸留説をめぐる両論の中身、AMDのラックスケール「Helios」、Gemini の月間950M+ユーザー到達は本編でまとめています。
【Atoms】Uber 共同創業者のTravis Kalanick 氏が率いるフィジカルAIの持株会社
7/22に a16z をリードとする$1.7Bのエクイティ投資を発表した、physical AI(フィジカルAI=現実世界で物を動かす機械を知能化する分野)の持株会社です。傘下は Food・Mining・Transport の3部門7社で、CloudKitchens や鉱山自動化の Pronto AI を束ねています。
ただし公表されているのは、その$1.7Bという小切手の額だけです。評価額もラウンド名も売上も従業員数も出ておらず、しかもプレスリリース自体が存在せず、公式発表は Kalanick 氏署名のブログ1本のみでした。
🔒 有料限定記事です。ヒューマノイドに数十億ドルが流れる相場で「専用ロボ」に張る逆張りの中身、傘下7社の実態、3本柱の1本 Transport が公式サイト上でいまだ実質プレースホルダな件は本編で。
【Buzz】人とAIエージェントが同じ部屋で働く、Jack Dorseyの新しい仕事場
Block, Inc.(旧Square)が7/21に公開した、会社向けのチャットアプリです。チャンネルに人間とAIエージェントが同じ資格で並び、さらにソースコードの置き場(Gitホスティング)まで内側に持っています。差し込めるエージェントは Claude Code / Codex / goose の3つです。
「分散型」と紹介されていますが、設計書を読むと実体は1組織につき1台のサーバーです。サーバー同士が中身をやり取りする仕組みは入っておらず、分散しているのは利用者のIDのほうでした。
一番効くのは、社員やエージェントの鍵を無効にする手順が、公開ドキュメントのどこにも見当たらないことです。「IDは本人のもの」というNostr由来の理想と、企業が求める「止められること」が正反対を向いています。
【7/24(金)~7/30(木)News Report】AnthropicがClaude Opus 5を発表 ほか
Anthropic が Claude Opus 5 を発表しました。価格は100万トークンあたり入力$5/出力$25と Opus 4.8 から据え置きで、ARC-AGI 3 では次点モデルの3倍のスコアを記録しています。
同じく Anthropic の「Mythos」が、インターネットを支える暗号アルゴリズム(AES・耐量子署名)の脆弱性を自律的に発見しました。モデルが暗号の実装を検証する側に回り始めています。
フロンティアAI企業の従業員1,200人超が、「AI研究の自動化ペースを調整せよ」という共同声明を出しました。同じ週に Sam Altman 氏も「減速」を受け入れる姿勢に転じており、加速一辺倒の空気が内側から揺れています。
⛓️ DEBUNK Crypto
Crypto.comにCitadel Securitiesが$400M出資、AugustusにTiger Globalが$180M(Series B)、など全14PJ【資金調達PJまとめ】
7/18〜7/24のクリプト領域の資金調達14件をまとめました。首位は Crypto.com の$400M(評価額$20B)で、創業10年超で初の機関投資家ラウンドです。マーケットメイカー最大手の Citadel Securities が単独で出資しました。※7/16発表で前号の取りこぼしのため、今号に統合しています。
2位は「AI時代のクリアリングバンク」を掲げる Augustus の$180M(Series B、評価額$1B)。OCC(米通貨監督庁)の条件付き国法銀行チャーターをすでに取得しており、Tiger Global がリードしました。
3位は機関金融向けパブリックL1 の Canton Network の$10M。ただしこれは単独ラウンドではなく6月の$355Mラウンドへの積み増しで、ラウンド総額$365M・評価額$2Bは据え置きです。
先週のweb3市場を5分で振り返り
制度が土壇場で止まり、相場は静かに戻した週でした。CLARITY法は週の頭に「最後の障害が外れた」と報じられながら、週末には夏季休会前の可決断念が事実上認められています。
BTCは週間+1.80%と小幅反発。株式市場が$800B規模のAI関連売りに見舞われるなかでも、ほとんど連動しませんでした。
🔒 有料限定記事です。Coinbase が法人向けに始めたAIエージェントからのUSDC決済受付、6時間で4プロトコル・計$35M超が流出したインシデント、AZ-COM丸和HDとJPYCの資本業務提携は本編でまとめています。
【Uniswap v4 Permissioned Pools】2026年7月23日に発表した v4 の新しいプール規格
「UniswapのDeFiが許可制になった」という話ではありません。v4 の hook(フック/プールの各処理に割り込んで独自ロジックを差し込む拡張点)を使い、発行体が管理する allowlist(許可リスト)をスワップのたびにプロトコル層で検証する”別レーン”が用意された、というのが正確な理解です。
ただし「ローンチした」とも書けません。実装は Ethereum mainnet にデプロイ済みですが、発表4日後の7/27時点で中核3コントラクトのイベントログはいずれも0件でした(Blockscout API で実測)。プールを生む Factory のログが0件=プールがまだ1つも作られていない状態です。
🔒 有料限定記事です。4つの部品とフックポイントの設計、ピークから約99.3%減で終わった Aave Arc との比較、今回の違いが技術ではなくどこにあるのかは本編で。
【RL1】欧州の銀行10社が共同で持つ、規制対応ブロックチェーン
7/28にルクセンブルクで発足した、免許を持つ金融機関だけが参加できるブロックチェーンです。新しいチェーンではなく、独フィンテック SWIAT が3年動かしてきたネットワークを欧州の10機関が引き継いだもので、発表文自身が “spin-off”(分社)と書いています。
実績の数字が、発表元の同じPDFの中で食い違っています。本文は “more than 50 transactions”、末尾の会社紹介は “onboarded over 50 participants”。10か月前の発表も「40 transactions」/「40 participants」で、まったく同じ構造でした。
10か月で件数が40超→50超、金額が€600m超→€700m超。ならすと月に約1件で、銀行間の証券決済としてはかなり少ない数字です。月60〜70件を処理していた信用状のネットワーク Contour ですら「少なすぎる」として2023年11月に畳まれています。
【7/24(金)~7/30(木)News Report】FRB据え置きでBTCが$64,000割れ ほか
FOMCが政策金利を3.50〜3.75%に据え置きました。6会合連続ですが反対票は3名で9対3という割れた決定で、ウォーシュ議長の初のタカ派会見を受けてBTCは$64,000を割り込んでいます。
SECのアトキンス議長が「CLARITY法が不成立なら、SEC独自の暗号資産ルールを作る」と発言しました。議会が止まった分の空白を、規制当局が自前で埋めにいく構えです。
クリプト業界の人員削減・撤退が連鎖しています。取引所の Luno が20%削減に踏み切り、7月だけで12社を超えました。
🎬 DEBUNK Podcast
パーペチュアル(無期限先物)とは?
動画Podcastのクリプト回です。「クリプト取引=ビットコインを現物で買うこと」という通説から入り、実は取引高の大半を占めるパーペチュアル(無期限先物)を、言葉の定義からゼロで解説しています。
番組で挙げた数字が、そのまま話の骨格です。2025年の現物クリプト全体が約$18.6兆なのに対し、中央集権取引所のパーペチュアルだけで年間$85.3兆。約4〜5倍のお金が「持つ」ではなく「値動きに賭ける」ほうに流れています。
「これだけは理解して帰ってほしい」の1点はファンディングレートです。期限がないのになぜ価格が現物から離れないのか、そして perp DEX の Hyperliquid がなぜ手数料収入の99%を買い戻しに回せているのかを扱っています。
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Author:mitsui (@mitsuiio) — DEBUNK(Crypto&AI)founder。Crypto・AI 領域のリサーチャーとして活動。
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