【7/24(金)~7/30(木)News Report】FRB据え置きでBTCが$64,000割れ / SEC「CLARITY法が不成立なら独自ルール」 / クリプト業界の人員削減が7月だけで12社超など
主要ニュースまとめ
おはようございます。 7/24(金)~7/30(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
FRBが6会合連続で金利据え置き、ウォーシュ議長の初タカ派会見でBTCは$64,000割れ
FOMCが政策金利を3.50〜3.75%に据え置きました。6会合連続ですが、反対票は3名で9対3という割れた決定です。CME FedWatchの事前織り込みも据え置き65%/0.25%利上げ35%と異例の分裂ぶりでした。
決定直後、BTCは$64,400超まで上昇しました。ところがウォーシュ新議長が会見の冒頭で「ソフトなインフレ目標は存在しない」と述べると反落し、$64,000をわずかに割り込んでいます。ETHは約$1,900で横ばい、Fear & Greed Indexは35のFearです。
翌7/30の乱高下ではレバレッジポジション$280Mが清算されました。要は、相場の焦点はもう金利水準そのものではなく「ウォーシュ体制がどこまでタカ派なのか」に移っている、ということです。
SECアトキンス議長「CLARITY法が不成立ならSEC独自の暗号資産ルールを作る」
SECのアトキンス議長が7/27のCNBCインタビューで、CLARITY法が上院を通らなければSEC単独で規則制定に踏み切ると明言しました。同時に「長期的に枠組みを維持する唯一の道は立法だ」とも述べています。
同法は5月に上院銀行委員会を15対9で通過しましたが、本会議は60票が必要で8月休会前の可決は難航しています。争点は政府高官の暗号資産取引の倫理条項と、ステーブルコインの利回り支払い規定。前号の616ページの統合修正版から、その先の局面に入った形です。
SECは「Project Crypto」の下で、トークン登録免除やセーフハーバーを含む暫定ルールを準備済みです。ただ行政措置は政権交代で覆り得ます。つまり業界は、早いけれど脆い道か、遅いけれど固い道かの選択を迫られています。
クリプト業界の人員削減・撤退が連鎖、Lunoが20%削減で7月だけで12社超
DCG傘下の取引所Lunoが、全世界の従業員の約20%を削減しました。2023年1月の35%に続き3年半で2度目で、CEOのJames Laniganは自動化への投資で必要なリソースが変わったと説明しています。
7月に削減を発表した企業はExodus(25%)、BitGo(15%)など12社以上。CryptoJobsListの集計では2026年通年で47社・7,254件超です。閉鎖も連鎖し、BitMartは8/26に取引停止、Storjは連邦破産法11条を申請しました。アクティブなクリプトVCも150社と2020年以来の低水準です。
単純なコスト削減の話ではなさそうです。ここがポイントで、自動化で人手が要らなくなった構造変化と、リテール取引の縮小が同時に効いています。
その他のニュース
韓国FIU、Google Playで海外取引所29社アプリの新規ダウンロードを遮断
韓国の金融情報分析院(FIU)の要請で、Google PlayからOKX、Bybit、MEXC、KuCoin、Gemini、BitMEXなど海外取引所29社のアプリが新規ダウンロードできなくなりました。理由はVASP(仮想資産事業者)としての未登録です。
遮断の態様は3種類で、17社は検索結果から完全に削除、6社は汎用の利用不可メッセージ、6社は「お住まいの地域では利用できません」という表示。29社のうち14社は以前から未申告事業者として調査対象でした。
OKXなど一部は後日復帰したとの報もあり流動的ですが、要は韓国が登録なきグローバル取引所をアプリストアの入口で締め出しにかかったということです。
米44州の司法長官、「スポーツ関連予測市場の規制権限はCFTCにない」と意見書を提出
米44州の司法長官が7/27、スポーツ関連の予測市場を規制する権限はCFTCにないとする意見書を提出しました。主導したのはオハイオ州司法長官のAndy Wilsonです。
主張は、スポーツ関連の予測市場は州のギャンブル法の管轄であり、CFTCの規則制定は権限の逸脱で憲法違反というもの。署名しなかったのはフロリダ、ジョージア、ニューハンプシャー、ミズーリ、テキサスの5州で、対象企業はPolymarketやKalshiなどです。NFLも市場操作やインサイダー取引への保護が不十分だとして別途懸念を提出しています。
つまり予測市場の主戦場は、商品先物として認めるかどうかではなく、連邦と州のどちらが管轄するかという争いに移りつつあります。
JPX総研とQUICK、「JPX-QUICK暗号資産指数シリーズ」の共同運営を開始
JPX総研とQUICKが7/29、「JPX-QUICK暗号資産指数シリーズ」の共同算出・運営を開始しました。従来の「QUICK ビットコイン指数」は同日付で「JPX-QUICK ビットコイン指数」へ改称し、あわせて「JPX-QUICK イーサリアム指数」の算出も始まっています。
価格の参照元となる国内取引所はビットバンク、ビットフライヤー、コインチェック、GMOコインの4社。国内の現物取引価格を束ねた公式性の高いベンチマークを、取引所グループ側が用意する動きです。
指数が整えば連動商品の組成や機関投資家向けの評価基準が作りやすくなるので、国内のプロダクト供給に効いてきそうです。
モルガン・スタンレー、ETH・SOL連動ETP(MSSE / MSOL)をNYSE Arcaに上場
モルガン・スタンレーがETH連動の「MSSE」とSOL連動の「MSOL」をNYSE Arcaに上場しました。年間手数料はいずれも0.14%で、ステーキング報酬の95%を投資家へ還元します。
MSSEは通常時に保有量の50〜80%、MSOLは最大100%をステーキングに回します。参照指標はCoinDeskのEther / Solanaベンチマーク(4PM NY)で、カストディアンとステーキング事業者が報酬合計の5%を受け取り、残りを月次または四半期で分配する設計です。同社は4月にビットコインETP「MSBT」を投入済みで、7月中旬時点の運用資産は約$381M。
手数料0.14%に報酬95%還元という組み合わせはかなり攻めた条件で、ステーキング付きETPの価格競争が始まったと見ていいと思います。
イーサETFに$104M流入、ビットコインETFの3倍。2週連続でETHがBTCを上回る
米国のイーサETFに$104Mが流入し、ビットコインETFの約3倍になったとThe Defiantが7/28に報じました。集計対象は7/24に終わった週です。
内訳ではBlackRockのETHAが$96Mを吸収した一方、同社のビットコインETFであるIBITは$95Mの流出でした。ETHへの流入がBTCを上回るのはこれで2週連続になります。
新規の資金が入ったというより、同じ運用会社の商品間で乗り換えが起きている、というのが素直な読み方です。2週続いたとなると、一時的な資金の振れとは言いにくくなってきました。
Robinhoodが過去最高の四半期、予測市場が10倍超に伸びる一方クリプト収益は-38%
Robinhoodの2026年Q2売上は$1.31B(前年比+32%)で市場予想の$1.26Bを上回り過去最高、純利益は$573M(EPS $0.62)でした。ただしクリプト収益は$100M・前年比-38%と落ち込んでいます。
牽引役はイベント契約収益の$156M(前年比10倍超)。予測市場取引所のRotheraは5月下旬のローンチ以降35億契約超を処理しました。クリプト取引高は四半期$40B(Robinhoodアプリ$18B、Bitstamp $22B)、預り資産は$369Bです。
決算は予想を上回ったのに株価は4%下落しました。つまり投資家はもうRobinhoodをクリプト銘柄ではなく、予測市場銘柄として値付けし始めているということです。
Zcashの新シールドプール「Ironwood」が稼働、初日に$80M相当のZECが移動
Zcashが7/28のブロック高3,428,143でアップグレード「NU6.3」を実施し、新しいシールドプール「Ironwood」を稼働させました。初日だけで約$80M相当のZECが移動しています。
背景は旧プールOrchardの重大な脆弱性です。研究者のTaylor Hornbyが2026年5月に発見したもので、2022年5月のOrchard稼働以降およそ4年潜在し、理論上は検出されない偽造ZECの生成が可能でした。Ironwoodは量子リカバリ機能(ZIP 2005)を導入し、証明回路に形式検証を適用しています。
アップグレード時点でOrchardには約366万ZEC(約$1.7B)があり、既存資産はturnstile経由で移行します。ZEC価格は脆弱性発覚後の安値から約45%回復しており、当面は移行を無事に終えられるかが焦点です。
Lidoが中核モジュールを刷新、Ethereumの稼働バリデータ数が約29%減へ
Lidoが7/27に「Lido Core 2026 Upgrade」を発表し、800万ETH超をボンド必須の「Curated Module v2」へ移行すると明らかにしました。既存の26.5万超のバリデータが対象です。
Ethereumの「0x02 Withdrawal Credentials」を使い、1バリデータあたりの残高上限を32ETHから最大2,048ETHへ引き上げ、32ETH超の分についても複利運用が可能になります。ステーカー側の作業は不要です。
結果としてEthereum全体の稼働バリデータは約88万から約62.8万へ約29%減る見込みで、1エポックあたりのattestationメッセージ数も同率で減ります。要は、最大手ステーキング事業者の設計変更ひとつでネットワークの負荷構造が動くということです。
Solana、1ブロックあたりの計算量上限を6,000万CUから1億CUへ引き上げ
Solanaで7/29のエポック1009開始時にSIMD-0286が有効化され、1ブロックあたりの計算量上限が6,000万CUから1億CUへ約66%拡大しました。
提案はJito LabsのLucas Bruderが2025年5月に出したものです。2025年7月に6,000万CUへ引き上げて以降、生成ブロックの11.2%が上限近くまで使われており、需要が容量を飽和させつつありました。
個別アカウント単位の上限1,200万CUは据え置きなので、恩恵が大きいのは異なるアカウントにまたがる並列処理のほうです。
Ondoが独自L1構想を撤回、「Ondo Network」という実行レイヤーに作り直し
Ondoが7/28、独自L1の構想を撤回して「Ondo Network」という実行レイヤーに作り直すと公開しました。CEOのIan De Bodeは「今日の時点ではブロックチェーンではない」と明言しています。
Ondo Perpsを出してPMF(プロダクトマーケットフィット)を探る中で、金融市場のボトルネックは決済ではなく注文マッチングやリスク管理といった実行側にあると結論づけたことが理由です。単一の高性能TEE(Trusted Execution Environment)で高速かつ秘匿な注文マッチングと証拠金管理を行い、複数の独立した「アテスター」がクォーラム合意で実行を検証、ユーザー資産の移動はパブリックチェーンで決済する構成になります。
「とりあえず自前のチェーンを作る」から「必要なところだけ専用設計する」への転換で、RWA系プロジェクトの現実解が一つ見えてきた形です。
1inch、流動性提供プロトコル「Aqua」を13のEVMチェーンで一般提供
1inchが7/28、流動性提供プロトコル「Aqua」を13のEVMチェーンで一般提供に移しました。あわせて、3か月で1,000万1INCHと50万USDCを投じるインセンティブも発表しています。
報酬はMerkl経由で配布され、80以上の1INCHマーケットが対象。BNB Chainが最初の共同インセンティブパートナーとして名を連ねます。一般提供と報酬をほぼ同時に出して、複数チェーンへ一気に流動性を敷きにいく形です。
DEXアグリゲーター発の流動性レイヤーに自前のトークンを厚く配って初期流動性を呼び込む、という立ち上げ方ですね。効きが続くのは報酬が出ている3か月のあいだかどうか、というのが見どころです。
Circle、IBMのブロックチェーン特許群680ファミリー超を取得し米国最大の保有者に
Circleが7/27、IBMのブロックチェーン特許群680ファミリー超(世界で約1,000件の登録特許)を取得し、米国最大の保有者になったと発表しました。
対象はブロックチェーンの基盤技術に加えて、銀行・金融サービス・保険・エンタープライズ基盤・サプライチェーン検証・セキュアクラウド運用といった応用領域にも及びます。取得価格やIBM側の売却理由、個別特許の内訳は非開示です。
CircleはUSDC、Circle Payments Network、独自チェーンArc、AI駆動の金融エージェントへ展開する方針。要は、実装だけでなく知財の面でも堀を掘りにきたということです。
Kraken親会社Payward、Magic LabsのWaaS事業を買収。Magicは「Newton Labs」へ
Kraken親会社のPaywardが7/27、Magic LabsのWaaS(Wallet-as-a-Service)事業を買収すると発表しました。買収額は非開示で、数週間内のクローズ見込みです。
MagicのWaaSは6,000万超のウォレット、$10B超のステーブルコイン処理、20万人超の開発者を抱えます。買収後はPayward Servicesの取引・カストディ・デリバティブ・オン/オフランプの製品群に、自己管理型の埋め込みウォレットが加わります。
Magicは「Newton Labs」へ改称し、決済前にポリシーへ照らしてトランザクションを検証する「Newton Protocol」に集中します。つまり取引所側はウォレット基盤を、Magic側はエージェント時代の検証レイヤーを取りにいく分業です。
MoonPay、ChatGPT・Claudeが実際に決済できる非カストディアル保管庫「PayBox」を開始
MoonPayが7/29、ChatGPTやClaudeが実際に決済を実行できる非カストディアル保管庫「PayBox」の提供を開始しました。5月に出したChatGPT向けのリンク生成機能から、トランザクションの実行まで踏み込んだ形です。
x402というエージェント決済標準に対応し、秘密鍵はMPC(マルチパーティ計算)とTEEで保護します。権限は都度承認の「Always Ask」と、事前に設定した上限内でAIが自律実行する「Autonomous」の2モード。対応チェーンはSolana、Ethereum、Base、Arbitrum、Polygonなど8以上です。
自然言語での対話だけでスワップもブリッジも買い物もできるので、ここがポイントで、AIエージェントの財布が「読み取り」から「実行」へ進んだ節目と言えます。
Binance、金・銀連動オプション(XAUUSD / XAGUSD)を提供開始
Binanceが7/29、金・銀連動のオプション(XAUUSD / XAGUSD)の提供を始めました。ヨーロピアン型で決済資産はUSDT、権利行使は満期時のみです。
参照価格は「Binance TradFi Perpetual Contract Index Price」で、取引時間は日曜18:00〜金曜17:00 ET(毎日17:00〜18:00 ETは休場)。プロモーション期間の手数料はメイカー0%、テイカー0.020%です。取引所はアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の監督下にあるNest Exchange、清算はNest Clearing and Custody Limitedが担います。
暗号資産取引所がコモディティのデリバティブまで抱え込む流れで、要は「クリプト取引所」というくくり自体が曖昧になってきています。
Blockaid、2026年上半期の暗号資産ハックが212件で過去最多。損失は$1.1B超
セキュリティ企業Blockaidの集計で、2026年上半期の暗号資産ハックは212件と半期として過去最多になりました。損失総額は$1.1B超です。
最大級の被害はKelpDAOの$292MとDriftの$285Mで、いずれもDPRK(北朝鮮)系グループとの関連が指摘されています。チェーン別ではEthereumが約$332M、Solanaが約$326Mと損失を牽引しました。
金額よりも件数が過去最多という点が重い。しかも盗まれた資金の74%は鍵や署名基盤の侵害という運用面の失敗経由で、つまりコードの穴より人と鍵の管理が破られ続けているということです。
WEMIXのステーブルコイン「WEMIX$」で約522万枚が不正発行
WEMIXが7/26、ステーブルコイン「WEMIX$」でスマートコントラクトのオーナー権限が侵害され、約5,225,000 WEMIX$が不正発行されたと発表しました。うち30,736 WEMIXと724,198.27 USDC.eに変換されています。
対応としてWEMIX3.0の接続ブリッジ、Chainlink CCIPとPLAY Bridge、5つの流動性プール、Phoenix DEXやWEMIX$モジュール、NFTマーケットまで広範に停止し、WEMIX財団の流動性も凍結しました。
チームは「約522万は不正発行量であって直接的な損失額ではない」と説明しており、攻撃者関連アドレスの追跡で複数の取引所が該当口座を凍結済みです。とはいえ鍵・権限の管理という一番古典的なところをまた突かれた格好です。
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