AlpacaにPeak XV Partnersが$135M出資、VelocityにDragonfly・FirstMarkが$38M出資、など全15PJ【資金調達PJまとめ】
直近1週間の資金調達情報をまとめました。
おはようございます。 今日は「今週1週間(7/11〜7/17)の資金調達PJのまとめ」です。
💥調達金額上位5プロジェクト
1、Alpaca
概要:株式・ETF・オプション・債券・暗号資産の取引APIを提供する、self-clearing(自社清算型)のブローカーディーラーです。フィンテック企業やアルゴリズムトレーダーが自前で証券インフラを持たずに取引機能を組み込めるようにしており、いまやトークン化された米国株の約94%をクリアリング・カストディし、裏付けとなる現物株を$1.5B超保有しています。24時間365日ミント・償還ができる Instant Tokenization Network も運営中です。直近6カ月でAPIの月間アクティブユーザーが約4倍に伸びており、同社はその大半がAIエージェント経由の取引だと説明しています。要は「トークン化株の裏側」を押さえた会社に、AIエージェント取引の増加という追い風が吹いている構図です。
カテゴリ:API, Data Service, Trading
調達額:$135M(※別途$300Mのデット調達を同時発表。エクイティ+デットの合計は$435Mで、Bloombergなど「$435M調達」と報じる媒体もあります。デットは主にKraken親会社のPaywardとBMOが提供)
投資ラウンド:エクイティラウンド(※一次ソースでも「equity round」までの記載で、シリーズ名は非開示。2026年1月のSeries Dは評価額$1.15B。今回の評価額は非開示)
投資家:★Peak XV Partners(旧Sequoia India & SEA・リード)、Elefund、Opera Tech Ventures(BNP Paribasのベンチャー部門)、Unbound
発表日:7/16
2、ADI Chain
概要:アブダビ拠点の、政府や規制対象の金融機関向けに設計された機関投資家グレードのブロックチェーン基盤です。「2030年までに10億人をブロックチェーンへ」を掲げ、中東・アジア・アフリカを狙っています。すでに実運用の的が具体的で、UAE中央銀行の規制下にあるディルハム連動ステーブルコイン DDSC(First Abu Dhabi Bank らが発行)の決済基盤と、2026 FIFAワールドカップ公式予測市場「ADI Predictstreet」(Kalshi提携)の決済インフラを担います。EVM互換で8,000TPS超をうたいます。ここがポイントで、いわゆるパブリックチェーンの文脈というより「国家インフラとしてのチェーン」に寄せた座組みです。
カテゴリ:Infrastructure, L2, Real-World Assets, Stablecoin
調達額:$50M
投資ラウンド:Strategic Investment
投資家:非開示
発表日:7/13
3、Velocity
概要:企業・決済事業者・金融機関向けの、ステーブルコイン建てトレジャリー/決済基盤です。既存の銀行インフラとコンプライアンス枠組みに接続したうえで、資金の保有・移動・決済をステーブルコインで回せるようにします。狙いは、決済の即時化、プリファンディング(事前に資金を置いておくこと)の不要化、クロスボーダー送金の効率化、そして遊休資金の利回り運用です。法定通貨とステーブルコインを一元管理できる点も売りにしています。2025年創業と若く、pre-seedの$10Mを含む累計調達は約$50Mです。投資家にCapital One Ventures・QED Investors・Ripple が並ぶあたりに、既存決済側からの関心の強さが出ています。
カテゴリ:Finance/Banking, Infrastructure, Payment, Stablecoin
調達額:$38M
投資ラウンド:Series A
投資家:★Dragonfly・★FirstMark(共同リード)、Activant Capital、Capital One Ventures、QED Investors、Coinbase Ventures、Wintermute Ventures、Ripple
発表日:7/14
4、Cyclops
概要:決済事業者(PSP)とマーチャントアクワイアラに絞った、ステーブルコイン決済インフラです。単一のAPIで、ステーブルコイン決済・入金・出金・トレジャリー最適化までを提供し、決済会社が自前でブロックチェーン基盤を組まずに暗号資産決済と高速なクロスボーダー送金を顧客へ出せるようにします。創業者は The Giving Block を立ち上げた Alex Wilson・Pat Duffy・David Johnson の3氏(同社は Shift4 に売却済み)。加盟店網は30万件、取扱高は月次350%成長、累計処理額は$2B超と説明しています。3月の$8Mシードから間を置かないラウンドで、Nava Ventures の Kevin Chenault 氏が取締役に就きました。
カテゴリ:Infrastructure, Payment, Stablecoin
調達額:$20M
投資ラウンド:Series A
投資家:★Nava Ventures(リード)、Castle Island Ventures、Coinbase Ventures、Circle、Lasagna Ventures、Global PayTech Ventures
発表日:7/15
5、QIZ Security
概要:企業向けの「暗号ポスチャ管理+耐量子暗号(PQC=Post-Quantum Cryptography)移行」プラットフォームです。組織内に散らばった暗号資産(証明書・鍵・アルゴリズム)を継続的に棚卸しし、量子コンピュータ時代に破られるリスクを評価して、修復を強制執行するところまでを担います。CNSA 2.0・NIST PQC・DORA・NIS2 といった規制対応を見据えたガバナンス基盤という位置づけです。創業者は Ben Volkow 氏、Lenny Ridel 氏、そして Dr. Itan Barmes 氏(元Deloitteのグローバル量子サイバー即応チーム責任者)。「量子が来る前に暗号を棚卸ししておく」という、地味ですが逃げられないテーマです。
カテゴリ:Security, Infrastructure, Privacy
調達額:$17M
投資ラウンド:Seed(評価額は非開示)
投資家:★Bessemer Venture Partners・★Merlin Ventures(共同リード)、Evolution Equity Partners、Qbeat Ventures、Singtel Innov8、Qino Cyber Capital
発表日:7/9 ※前週分(先週号で拾いきれなかったぶんを、今回のランキングに統合しています)
✨その他、10プロジェクト
Pascal[$9M/Series A]:Solana上に構築された、プロトレーダー・機関投資家向けの予測市場取引所です。単純なYes/Noのイベント契約ではなく、クリプトデリバティブ由来のパーペチュアル先物型の建玉をイベント契約に載せるのが特徴で、手数料の安さ・ファントムフィル(見せかけの約定)の排除・流動性インセンティブで Kalshi や Polymarket と差別化を図ります。2026年6月ローンチで現在プライベートベータ。共同創業者の Ivo Crnkovic-Rubsamen 氏は Bridgewater・D.E. Shaw のクオンツ出身で、2024年に dYdX のCEOを務めた人物です。★Union Square Ventures(USV)が単独リード。2025年8月に Wintermute Ventures・DBA から$6Mのシードを調達済みで、その続きにあたります。
Pact Labs[$7M/Series A]:Tetherの米国規制準拠ステーブルコイン USA₮ を、給与支払い・アーンドウェイジアクセス(給与前払い)・与信・日常決済に組み込むためのインフラ企業です。企業の給与プラットフォームがウォレットを埋め込み、賃金をリアルタイムで動かせるようにします。エンドユーザーはブロックチェーンを意識しない設計です。スマートコントラクト経由で約$2Bの融資ボリューム($1B超のローン組成)を処理し、7つのフィンテックパートナー経由で50万人超のユーザーを抱えます。狙いは年間$11兆が動く米国の給与市場です。★Tether(リード)、Blockchange Ventures、Lasagna が参加しました。
Glacis Labs[$6.80M/Seed]:デジタル資産のマルチチェーン清算機関(クリアリングハウス)「ZeroDelta」を手がける企業です。ブリッジやトランスポート層の”上”に位置し、個々の送金を都度ルーティングするのではなく、対向するフローを内部でネッティング(相殺)して差額だけをオンチェーンで決済します。ノンカストディアルかつアトミックな受け渡しで、全転送に暗号学的レシートが付きます。40チェーン超で累計$1B超を決済し、年換算ランレートは$1.5B。現在はUSDC/USDT/USDe等のステーブルコイン中心で、今後トークン化証券・RWA・FXへ広げる計画です。★Lightspeed Faction(リード)、Franklin Templeton、Coinbase Ventures、Again(旧IDC Ventures)、Protein Capital、Techni Ventures。エクイティ+トークンワラントの組成で、実は3月にクローズ済み・発表が7月というタイミングです。
Savior Of Health[$4M/Strategic]:AIを活用したヘルスケア/健康管理プロジェクトです。次世代の医療インフラ構築を掲げ、健康アンケート・調査を通じて集めたデータでAIによる科学研究を支援するとしています。調達資金はグローバルなヘルスケア・エコシステムの拡大に充てる方針です。投資家は Amber Group、Basics Capital、Animoca Brands、Candaq、TBV、Everwood Capital、Olaris Capital、MangoLabs、Credit Scend
AXON Finance[$2M/Strategic]:PayFi(決済金融)に特化した、高性能・AIネイティブなLayer-1ブロックチェーンです。サブセカンドのファイナリティによるステーブルコイン決済、AIエージェント同士のマシン間決済(ユーザー定義の制御付き)、決済フローに対する利回りを得るマネーマーケットを提供します。ネイティブのアカウント抽象化とセッションキーに対応。★Infinite Alliance(リード)、UZ capital、BMFoundation(Bluemont)。
Glide[非公開/M&A]:Web3決済インフラの Glide を、MoonPay が全株式(all-equity)で買収しました。Glideは、アプリがあらゆるトークン・ウォレット・チェーン・中央集権取引所・決済カードから単一の統合でクリプト入金を受け取れるようにし、ブリッジやスワップの複雑さを裏側で吸収するプロダクトです。30チェーン・100トークン超に対応し、セルフカストディのスマートコントラクトで年換算$100M超の取引量を処理していました。Y Combinator出身。協議は2025年後半に始まり、取引はすでにクローズ済みです。共同創業者の Tushar Soni 氏・Qinyu Tong 氏を含む4人チーム全員が MoonPay に合流し、Glideの50社超の法人顧客は MoonPay のサポートへ移ります。MoonPayにとって2026年6件目の買収です(金額非開示)。
Sovereign[非公開/M&A]:Sovereign Labs を Celestia Labs が買収しました。Sovereign Labsは2021年に Cem Ozer 氏と Preston Evans 氏が創業し、アプリ特化型の高性能ブロックチェーンを作るための「Sovereign SDK」を開発してきた、Celestiaエコシステムの中核企業です。採用例に Relay(累計$8.5B超の転送を処理するブリッジ)や Bullet(30,000 TPS超のパープスDEX)があります。狙いはCelestia LabsをL1から実行・アプリ層までフルスタックに広げること。背景には、HyperliquidやPolymarketのようなアプリの性能要求を汎用チェーンが満たせず、カスタムチェーン需要が高まっている事情があります。Sovereign Labsの6名がCelestia Labsに合流し、共同創業者の Preston Evans 氏はCTOに就任します(金額非開示)。
BloXroute[非公開/M&A]:機関投資家向けクリプト・プライムブローカーの FalconX(VC評価額$8B)が、bloXroute を買収しました。bloXrouteは2017年設立・シカゴ拠点のLayer 0基盤企業で、高性能な Blockchain Distribution Network(BDN)によりトランザクションとブロックの伝播を高速化します。マーケットメイカーやバリデーター、ビルダー、取引所に対し、実行前に情報を漏らさず高速にデータを受信し取引を送信する手段を提供してきました。Ethereum・Solana・BNB Chain・Base・TONなどに対応し、累計調達額は約$92M。FalconXはオンチェーン執行の速度・効率を高め、トークン化資産向けのプライムブローカレッジ機能を加速させる狙いです(金額非開示)。
MasterDEX[非公開/M&A]:LCX が、米国法人 LCX Liberty Labs Inc. を通じて MasterDEX を買収しました。MasterDEXは2022年設立のAI搭載マルチチェーンDeFiプラットフォームで、90超のDEX流動性ソースを束ねるアグリゲーション、パープス、トークン化株式DEXなどを単一インターフェースに統合しています。LCXは「DeFiは最も成長が速く、かつ最も分断されたセグメント」と述べ、ゼロから作るのではなく4年分の開発資産を取り込んで一気に参入する構えです。技術はノンカストディアル取引プロダクト「LCX Liberty DEX」に統合されます。買収は完了済みで、MDEXトークンはLCXトークンへ統合され「1つのエコシステム、1つのトークン」に集約される方針です(金額非開示)。
Imperator[非公開/M&A]:Hyperdash が Imperator を買収し、あわせて HypeRPC と Hype Global のブランドも取得しました。Imperatorは機関投資家グレードのバリデーター/データインフラ企業で、50超のプロトコルでステーキングを提供し40超のチェーンでバリデーターを運用、Hyperliquid向けの分析ダッシュボードにも強みを持ちます。Hyperdashは自社のブローカレッジ基盤に、Imperatorのバリデーターノードを活かした高度なHyperliquidデータ/アナリティクスを載せる狙いです。買収後のHyperdash全体では累計取引高$35B超、数十万ユーザー、運用インフラ配下のバリデーターで$1B超のHYPEステークを確保しているとしています(金額非開示)。
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