おはようございます。
今日は「NoimosAI」をリサーチしました。
概要|NoimosAIとは?
変遷|Web3ゲームからの再起と「エージェンティック・マーケティング」
考察|”AIに任せて承認するだけ”は個人・中小に刺さるか
TL;DR
NoimosAI(noimosai.com、運営は米デラウェア登記の AGOS LABS TECHNOLOGIES LTD)は、SEO・SNS運用・競合分析・広告クリエイティブ・PRアウトリーチまでを専門特化した複数のAIエージェントが24時間自律で回す「オールインワンの自律型AIマーケティングチーム」です。
ポイントは「ボットのお守り(babysitting a bot)が要らない」という設計思想です。既存の”AIマーケ”ツールの多くが「チャット付きのZapier(=人が逐一動かす道具)」にとどまるのに対し、NoimosAIは戦略立案→制作→配信→測定→改善のループを能動的に提案・実行する end-to-end 自律を掲げます。
概要|NoimosAIとは?
NoimosAI は、マーケティング業務の全工程を専門特化型のAIエージェント群に任せる「自律型AIマーケティング・プラットフォーム」です。運営は米デラウェア州に登記する AGOS LABS TECHNOLOGIES LTD で、日本・米国を中心に展開しています。
2026年1月17日に公式ブログ「Introducing NoimosAI, The World’s First Autonomous AI Marketing Agent」で世界向けに発表し、6月12日にはPR TIMES経由で日本向け提供を始めました。
掲げるコンセプトは「Personal AI Marketing Team. Taking Initiative 24/7.(24時間、自ら動くあなた専属のAIマーケチーム)」。ユーザーが自社サイトやSNS、Google Analytics などを接続すると、各エージェントがブランドの文脈を学習し、「今やるべき高インパクトな施策」を自ら提案して実行まで進めます。
◼️解決する課題
創業者ブログとITmediaの取材では、マーケティングを阻む「3つの壁」として整理されています。
時間の壁: コンテンツ制作・SNS運用・SEO といった反復作業に週50時間以上が溶ける。
お金の壁: マーケ人材の採用や代理店委託は高コスト。NoimosAI は「新規採用の数分の一」を主張。
知識の壁: SEO から GEO(Generative Engine Optimization=生成AI検索向け最適化)まで、必要な専門知識が年々複雑化している。
根っこにある問題意識は「良い製品・サービスが、必要とする人に届いていない」という機会損失の解消です。
◼️プロダクトの柱
1. 専門特化エージェント群
Growth Metrics & Strategy、Competitor Strategy、Social Listening、SEO、GEO、Social Media(トレンド分析・投稿生成・DM運用)、Media/Event Outreach、CVR Optimization など、役割ごとに分かれたエージェントを必要に応じて起用します。2026年6月30日には、Meta・TikTok・LinkedIn の高成績クリエイティブのパターンを解析して自社ブランド素材を生成する Creative Agent も追加されました。
2. Chat と Live Work Feed
中央の Chat が司令塔で、自然言語で指示を出したり、新しいエージェントを作ったりします。生成物は Live Work Feed に流れ、ユーザーはワンクリックで承認・却下。「監視して承認するだけ」の運用体験が核です。
3. Memory / Knowledge Base と Pages
Memory & Knowledge Base がブランドの文脈(トーン、過去実績、商品情報)を保持し、出力の一貫性を担保します。Pages はブロックエディタで、ダッシュボードやコンテンツカレンダーを自分で組めます。連携先は WordPress、Google Analytics、各SNS、Slack、Semrush など。
◼️料金とプライバシーの主張
料金はユーザー単位の月額で、Pro $99 / Team $249 / Advanced $499 の3段階(追加クレジットは$3/1,000、無料トライアル7日間)。プライバシー面では「第三者AIプロバイダーはあなたのデータを保存も学習もしない」と明記しています。
変遷|Web3ゲームからの再起と「エージェンティック・マーケティング」
NoimosAI を理解する鍵は、創業者・横山康助(Kosuke Yokoyama)氏のキャリアにあります。クリプト読者には、むしろこちらが本題かもしれません。
◼️創業背景
横山氏がAIエージェント開発に着手したのは2024年11月頃。前身であるブロックチェーンゲーム事業を畳み、アドバイザリー/グローバルマーケ支援へピボットした先で「良い製品が届かない機会損失を、AIで解消する」という発想にたどり着いた、と本人ブログ(2026年1月17日)で語っています。
◼️創業者プロフィール
横山康助(Kosuke Yokoyama): 神奈川県横浜市出身、現在はドバイ拠点。慶應義塾大学経済学部に進学するも中退。本人 note によれば、メディア会社でのインターンを経て2022年(20歳頃)にメディア事業を立ち上げ売却。同年ドバイに法人を設立し、ブロックチェーンゲーム開発へ進みました。
彼の名を業界で知らしめたのが、次の MetaStrikers です。
◼️創業からのタイムライン
2022年: メディア事業を売却。ドバイ法人を設立し、ブロックチェーンゲーム開発を開始
2023年: トークン+株式で約1億円を調達。同年5月、本田圭佑氏をGMに迎え Web3 ゲーム「MetaStrikers」をローンチ。法人1期目売上は3億円超、時価総額約150億円で CEXに上場
2024年: MetaStrikers のサービス終了。アドバイザリー/マーケ支援へピボットし、11月頃にAIエージェント開発を開始
2025年11月頃: NoimosAI のクローズドベータを無料公開
2026年1月17日: 公式ブログで正式発表
2026年6月12日: 日本向け提供を開始
2026年6月30日: Creative Agent を追加
なお MetaStrikers については、上場後にトークンの不正上場(listing fraud)問題が発覚し、時価総額の急落・上場廃止・投資家補償に至った経緯も、横山氏自身が note で公開しています。
◼️資金調達
NoimosAI(AGOS LABS)としての調達は公表されていません。ラウンド・金額・投資家・評価額いずれも非開示です。
◼️業界全体の変遷:「エージェンティック・マーケティング」への移行
2025〜2026年は、AIが「下書きを手伝う」段階から「業務を自律実行する」段階へ移る過渡期でした。Gartner は2028年までに60%のブランドがエージェンティックAIを活用すると予測しています(2024年時点はほぼゼロ)。NoimosAI はこの波の、とくに個人・中小向けセグメントを取りにいく賭けです。
◼️競合プレイヤー
Jasper: 元AIコピーライターからエージェンティック・マーケ基盤へ。ブランドボイスや SurferSEO/SEMrush 連携が強いが、「人が組む」ビルダー寄り
Copy.ai: 「AIネイティブGTMプラットフォーム」へ再定義し、アウトバウンド/営業オペ寄り
AdCreative.ai: 広告クリエイティブ特化。領域が限定的
HubSpot Breeze: CRMネイティブの特化エージェント群。エンプラ寄りで HubSpot 前提
NoimosAI: 上記に対し、SEO/GEO/SNS/PR を含むマーケ全域を、非CRMの軽量スタック(WordPress/GA/SNS)で、個人・中小の価格帯に落とし込んだ点が立ち位置
考察|”AIに任せて承認するだけ”は個人・中小に刺さるか
最後に強みと弱みを整理してみます。
◼️強み
オールインワン×低価格: SEO・SNS・競合分析・広告・PR を1つに束ね、月$99から。個別ツールを積み上げるコストと運用負荷を「承認するだけ」に圧縮する提案は、人手のない個人・中小に刺さります。
能動性の設計: 「指示待ち」ではなく「やるべき施策を自ら提案する」ループは、AIマーケの理想形に近い。うまく回れば、マーケ知識のない事業者でも一定水準の運用が回せます。
◼️弱み・リスク
実績がすべて自己申告: 「月1万訪問・ROI 10倍・総リーチ2,000万」などの数字は、母数も基準期間も非開示で、SimilarWeb 等の独立検証がありません。主張ベースとして割り引いて見るべきです。
“自律” の実力は未知数: 実際に承認なしで任せられる品質かは使ってみないと分かりません。オールインワンゆえに各機能が専業勢に見劣りする「器用貧乏」リスクもあります。
◼️個人的な見解
自分でもニュースレターのマーケ自動化を回している立場として、「戦略は握り、退屈な実行はAIに渡す」という方向性には強く共感します。
NoimosAI の月$99 という価格は、個人や小規模チームが “試しに一部を任せてみる” には十分に現実的です。まずは SEO/GEO と SNS投稿あたりから部分導入し、Live Work Feed で品質を見極めるのが賢い使い方だと言えます。自分でも触ってみようと思います。
参考リンク
公式サイト: noimosai.com(日本語版: noimosai.com/ja)
公式ブログ: Introducing NoimosAI, The World’s First Autonomous AI Marketing Agent
日本向けリリース: PR TIMES(AGOS LABS)
ローンチ報道: NoimosAI launches autonomous AI marketing team(testingcatalog) / digg
Creative Agent: NoimosAI launches Creative Agent(testingcatalog)
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