おはようございます。 9/16(水)~9/17(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
FRB、2023年7月以来となる0.25%の利上げ。全会一致で誘導目標を3.75〜4.00%へ、ビットコインは発表前の水準に戻る
ケビン・ウォーシュ議長のもとのFRBが米国時間の9月16日、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを25ベーシスポイント引き上げ、3.75%〜4.0%としました。利上げは2023年7月以来で、全会一致の決定です。
FOMCの声明は、経済活動が堅調に拡大する一方でインフレは高止まりしているとし、今回の行動は2%目標への回帰を早めるのに資するという趣旨です。同時公表のドットプロット(政策金利見通しの分布図)は2026年内にもう1回の利上げを見込みますが、見通しであって決定ではありません。
ビットコインは発表直後に振れたものの、決定前に近い約7万5,700ドルに戻りました。米株は小幅高、米国債利回りはやや低下しています。つまり、焦点は水準よりも「次の1回があるかどうか」に移っている、と読める反応です。
米下院歳入委員会、暗号資産税制法案「Digital Asset Tax Certainty Act」を38対5で可決。少額取引の非課税枠は10ドル
米下院歳入委員会が米国時間の9月16日、暗号資産の税制法案「Digital Asset Tax Certainty Act」を38対5で可決しました。上院でクラリティー法案が審議入りを阻まれた翌日の採決です。
法案は、日常的な少額取引に10ドルの非課税枠(de minimis)を設けるほか、ステーブルコイン建ての取引、ネットワーク手数料、ウォッシュセール規制、マイニング、ステーキング、ブローカーに対する要件を扱います。
民主党のLloyd Doggett氏は、この委員会は議会の中でこの業界に便宜を図ろうと急いでいる唯一の場所だと批判しました。次は下院本会議ですが、11月の選挙から翌1月の新会期開始までに予定されている議会業務は約5週間分です。要は、委員会は通っても、今会期で成立まで運ぶのは簡単ではありません。
SEC・CFTCの両委員長、クラリティー法案がなくても暗号資産ルールを書くと表明。審議入りが阻まれた翌日に2時間以内の間隔でXに投稿
CFTCのMichael Selig委員長とSECのPaul Atkins委員長が米国時間の9月16日、クラリティー法案を待たずに暗号資産のルール整備を進める姿勢をXで表明しました。投稿は2時間以内の間隔で並び、上院が同法案の審議入りを49対50で阻んだ翌日です。
Selig委員長はCFTCが規則を出す準備は整っていると述べ、Atkins委員長はSECの法定権限の範囲内で断固として行動すると述べました。SECは暗号資産の募集規則を10月20日までパブリックコメントに付しています。
一方のCFTCは、指定契約市場(DCM)の新しいカテゴリーなどについてスタッフに策定を指示した段階で、正式な提案はまだありません。つまり、規則はまだ書かれておらず、法案が止まった分を行政で埋めにいくという宣言です。
その他のニュース
米下院金融サービス委員会、戦略ビットコイン準備金を法律に書き込む法案を28対21で可決
米下院金融サービス委員会が米国時間の9月16日、「American Reserve Modernization Act of 2026」(H.R. 8957)を28対21で可決しました。提出者はNicholas Begich下院議員です。
法案は財務省内にStrategic Bitcoin ReserveとDigital Asset Stockpileを設け、刑事・民事の没収で連邦政府が得たビットコインなどを対象とします。準備に入れたビットコインには最低20年の保有義務が課され、四半期ごとのproof of reserve報告と第三者監査も義務づけられます。米政府の現在の保有は、Arkham Intelligenceのデータで約324,527BTC(247億ドル相当)です。
準備金そのものは大統領令ですでに存在しており、今回の法案はそれを法律に書き込む(codify)ものです。次は下院本会議と上院で、まだ入り口です。
クラリティー法案に反対した民主党上院議員7人が共同声明。一時的な後退であって取り組みの終わりではないと位置づけ
反対に回った民主党上院議員7人、ジリブランド、アルソブルックス、ブッカー、コルテス・マスト、ガレゴ、ワーナー、ワーノックの各氏が米国時間の9月16日に共同声明を出し、今回の結果は一時的な後退であって取り組みの終わりではないとして、超党派の協議を続ける姿勢を示しました。
手続き採決は49対50で60票に届かず、共和党からも4人が反対しました。反対理由は、規制当局者が暗号資産事業で利益を得ることを防ぐ倫理規定が不十分という点でした。
中間選挙前に残る上院の会期は約2.5週間で、焦点はSEC・CFTCの規則制定に移るとされています。つまり、今会期での成立は難しいという前提で、交渉の余地を残した声明です。
アーベ創業者、法制化が滞るならDeFiは普及を先に取るべきと発言。Uberが規制を作らせた経緯になぞらえる
Aaveの創業者兼CEOであるStani Kulechov氏が、ニューヨークで開かれたAvalanche SummitでのThe Blockのインタビューで、クラリティー法案のような立法が滞り続けるなら、DeFiは大衆への普及を優先すべきだと述べました。インタビューはXで公開されたものです。
同氏の見立ては、技術が日常の金融に組み込まれて世界で数百万人が使うようになれば、立法者は規制の枠組みを作らざるを得なくなる、というものです。Uberが急拡大した結果、政府が禁止ではなくライドシェアの規制を作った経緯になぞらえています。あわせて、これは市場投入(go-to-market)の課題だとも話しました。
これは計画の発表ではありません。要は、ルールを待つか、先に使われる状態を作ってルールを引き寄せるか、という順番の話です。
コインベース、USDC報酬を年3.75%へ引き上げ。対象はCoinbase Oneの会員で1ドル相当以上の保有が条件
Coinbaseが公式Xで、USDC報酬を年3.75%とすることを告知しました。対象は有料会員のCoinbase Oneで、1ドル相当以上のUSDC保有が条件、報酬は日次で配布されます。すでに適用されています。
クラリティー法案は預金に似た性格のステーブルコイン報酬に制約を課す内容を含んでいましたが、その審議入りが49対50で否決された直後のタイミングでの引き上げにあたります。アナリストは、規制強化を求めていた銀行業界と法案に反対した民主党の双方に対する皮肉と受け止めました。
ただし、引き上げ前のレートや、否決への対抗という意図はCoinbase側から示されていません。つまり、確かなのは引き上げの事実とタイミングの一致までで、その先は受け手の解釈です。
英FCA、暗号資産の認可申請に向けた最終ガイダンスを公表。申請受付は9月30日から、新制度の施行は2027年10月25日
英FCAが、英国の新しい暗号資産規制のもとでどの行為に認可が必要になるかを示す最終ガイダンスを公表しました。意見募集を終えた確定版です。対象は、適格ステーブルコインの発行、取引プラットフォームの運営、ディーリングとアレンジ、セーフガーディング、ステーキングのアレンジです。
日程は、申請受付の開始が2026年9月30日、経過措置の申請期限が2027年2月28日、新制度の施行が2027年10月25日です。既存の登録や許可は自動では移行せず、各社が認可の要否を自ら判断する必要があります。
FCAのDavid Geale氏は、このガイダンスは事業者が求めていた明確さを与えるものだと述べています。要は、施行の1年以上前に、申請の入り口だけ先に開けたということです。
韓国・江原道警察、ポリマーケット利用者26人を賭博容疑で立件。賭け金の合計は約176億ウォン
Asia Business Dailyの報道によれば、韓国の江原道警察庁のサイバー捜査部門が、ポリマーケットの利用者26人を韓国刑法第246条の賭博で立件し、うち18人を検察に送致しました。賭け金の合計は約176億ウォン(1,270万ドル)で、個人の最大は約57億ウォン(410万ドル)です。
警察は、yes/no形式のイベント契約への賭けは利用者が左右できない結果に資産を賭けるもので、違法な賭博にあたるとしています。立件された側は、板(オーダーブック)で取引され満期前に手仕舞いできるので、賭博にはあたらず暗号資産ベースのデリバティブ市場だと反論しています。韓国の放送通信審議機関は約1か月前に国内アクセスを遮断済みです。
立件と送致は済みましたが、起訴や有罪が決まった段階ではありません。つまり、予測市場を金融商品と見るか賭博と見るかの線引きが、利用者個人の刑事責任として問われています。
金融庁、9月17日公表の資料で暗号資産交換業者の「販売所」誘導への懸念を示す。中身は7月15日の意見交換
金融庁が9月17日に公表した資料から、7月15日に日本暗号資産等取引業協会と行った意見交換の内容が明らかになりました。一部の暗号資産交換業者が、取引所形式よりも収益性の高い「販売所」形式へ利用者を誘導している可能性がある、という懸念です。金融審議会「暗号資産制度ワーキング・グループ」報告書の論点を参照したものです。
根拠に置かれたのは、2024年11月施行の改正金融サービス提供法で定められた「顧客の最善の利益を勘案し誠実かつ公正に業務を遂行する義務」です。金融庁はユーザーインターフェースの設計について業者との対話を続けるとし、自主規制規則の中で適切な考え方を議論するよう要請しました。
行政処分でも新規制でもなく、対話と要請の段階です。要は、手数料率の表示より画面の作りのほうに当局の目が向いた、ということです。
JPYC、韓国最大手のアップビットに上場。ウォン・BTC・USDTの3市場、対応ネットワークはイーサリアムのみ
JPYC株式会社が発行する円建てステーブルコインJPYCが、2026年9月17日に韓国最大手の取引所アップビット(Upbit)に上場しました。取引開始は日本時間18時で、当初予定の12時から変更されています。
取引市場はウォン(KRW)、ビットコイン(BTC)、USDTの3つで、対応ネットワークはイーサリアムのみです。JPYC株式会社の岡部典孝代表取締役は、国内の電取業者より先にアップビットで取り扱われることになり驚いていると述べ、海外取引所では100万円上限が適用されない点に大きな可能性を感じるとして、国内の発行・償還規制の見直しに期待を示しました。
つまり、国内の制度設計を待つ間に、円建てステーブルコインの流通の場が先に国外へ広がったという格好です。
オンド傘下のOasis Pro Markets、DTCCのFund/SERVにトークン化事業者として初加盟
Ondo Finance傘下の米国登録ブローカーディーラーであるOasis Pro Marketsが、2026年9月16日にDTCCのFund/SERVへ加盟しました。DTCCが同日発表したものです。
Fund/SERVはDTCCの投資信託取引処理基盤で、米国の投資信託取引の85%超を扱います。Oasis Pro Marketsはここにトークン化企業として初めて加わり、標準化された1本の接続で投信会社や資産プラットフォームとつながれるようになりました。
加盟はすでに完了しています。要は、トークン化の側が独自のレールを敷かずに、既存の投信決済の配管に口を1つもらった形です。
Anchorage Digital Bank、EtherlinkとトークンウランxU3O8を含む7資産のカストディに対応
Anchorage Digital Bankが9月16日、Etherlinkと、同ネットワーク上のxU3O8、WXTZ、stXTZ、USDT、USDC、USDSM、WETHの7資産のカストディに対応したと発表しました。EtherlinkはTezos上で決済されるEVM互換のレイヤー2です。
xU3O8は物理ウランの所有権を表すトークンで、記事が参照したCoinMarketCapのデータでは時価総額は900万ドル強です。Anchorageは米国で最初の連邦認可を受けた暗号資産銀行と説明されています。
Anchorageは、トークン化によって商品が数週間ではなく数分で移転・決済できるようになると説明しています。つまり、資産の規模はまだ小さいものの、預かる側が連邦認可の銀行になった点に意味があります。
韓国のDSRV、XDC Networkのマスターノード・バリデーターに参画。SBI XDC Network APACが発表
SBI XDC Network APACが2026年9月17日、韓国のブロックチェーンインフラ企業DSRVがXDC Networkのマスターノード・バリデーターとして参画したと発表しました。DSRVは約1か月前からメインネットでノードを稼働させていました。
SBI XDC Network APACは、SBIホールディングスとXDC Networkを運営するTradeFinex Techが2023年12月に設立した合弁会社です。DSRVは2019年設立で、70以上のブロックチェーンでノードを運用し、韓国の金融情報分析院(FIU)にVASPとして登録済みです。
両社は今後、貿易金融、サプライチェーン、トークン化の分野で日韓を結ぶ越境ビジネスの機会創出に取り組む予定だとしています。要は、ノードの参加が先で、事業の中身はこれからです。
オンチェーン金融のTheo、リース収益を分配するトークン化銀「thSLVR」をベータ提供
オンチェーン金融プラットフォームのTheoが9月16日、トークン化された銀「thSLVR」を発表しました。裏付けとなっているのは4,000万ドル以上のアクティブな銀リース契約で、これは調達額でも運用資産の総額でもなく、リース契約の残高です。
thSLVRは保有者に銀へのエクスポージャーを提供するとともに、裏付けとなる金属を機関の借り手に貸し出して得られる収益を分配します。提供は当初、機関投資家とホワイトリスト参加者に限ったベータで、より広い開放は後日を予定しています。
TheoのIggy Ioppe最高投資責任者(CIO)は、thSLVRは銀の貸出経済をオンチェーン化したもので、市場が逼迫すると収益の価値が明確になると述べています。つまり、価格に連動するだけの金属トークンにとどめず、貸し出して生まれる利息を商品にしたということです。
リップル、XRPL AI Starter Kit v1.1でStripeとTempoが策定したMachine Payments Protocolに対応
Rippleが「XRPL AI Starter Kit v1.1」を公開し、Machine Payments Protocol(MPP)とOpen Wallet Standardに新たに対応しました。MPPはStripeとTempoが共同で策定した標準で、AIエージェントがリクエストごとに代金を支払えるようにするものです。
キットでできるのは、XRPとRLUSDの一回払い、XRPの継続支払いセッション(ベータ)、複数チェーンのウォレット管理、秘密鍵を渡さずにエージェントが取引を要求する仕組みなどです。ソフトウェア自体もベータで、商用顧客や取引量は開示されていません。
RippleXのJazzee Cooper氏は、開発者が作る場所のどこでもXRPとRLUSDを第一級の選択肢にすることが使命だと述べています。要は、エージェント決済の標準が複数出てきた局面で、どれにも乗っておく構えです。
ビットコイン財務企業の購入は3か月で5,900BTCに減速。平均取得単価80,500ドルで約6%の含み損=グラスノード
Glassnodeのニュースレター「The Week Onchain」の分析によれば、2026年の3か月間で企業のビットコイン取得は5,900BTCにとどまりました。2025年7月は1か月だけで89,000BTCを購入しており、その7%未満の水準です(比較する期間の長さが違う点には注意が要ります)。
企業トレジャリーの平均取得単価は80,500ドルで、現在のスポット価格では約6%の含み損です。ストラテジーは8月末に2か月ぶりとなる4,603BTCを購入し、保有は845,050BTCとなっています。米国の現物ビットコインETFは9月11日までの5営業日で4億6,270万ドルの純流出でした。
Glassnodeは、買うのをやめて含み損を抱えた買い手はもう支えにならないとしています。つまり、買い手が止まったこと自体が下値の薄さとして効いてくる、という見立てです。
トークン化株式の時価総額は年初来262%増、8月に29億ドルのピーク=The Kobeissi Letter
The Kobeissi Letterのオンチェーン指標の分析によれば、トークン化株式の時価総額は8月に29億ドルでピークを付けました。年初来では262%増、前月比では12%増です。ピークは8月であって、足元がその水準にあるという話ではありません。
直近1週間では、DEXの取引高が19%増、トークンを保有するアドレス数が30%増となりました。ソラナのDEXアグリゲーターであるJupiterの月間取引高は24%増で、Jupiterの取引の59%は週末と株式市場の時間外に発生しています。
元データの出所は記事に明示されていません。つまり、数字の精度には幅がありますが、株式市場が閉まっている時間に取引が寄っている点のほうが、この商品が何の需要を拾っているかを示しています。
SBIデジタルプラクティスと教保生命保険、Canton Networkのテスト環境で日韓の国際取引を実証。米ドルを介さない円・ウォン交換を検証
SBIホールディングス子会社のSBIデジタルプラクティスと韓国の教保生命保険が2026年9月17日、Canton Networkのテスト環境で「ステーブルコインを見据えた日韓の国際取引の実証」を行ったと発表しました。実証自体は2026年7月から実施されたものです。
使ったのは円建てステーブルコインに見立てた検証用トークンで、日本から送り、国境をまたいで交換し、韓国で受け取る流れを検証しました。狙いは米ドルを介さない円・ウォンの直接交換で、複数回の通貨交換を伴う従来の経路が時間・コスト・為替リスクを生む点を課題としています。
実証はテスト環境で完了した段階で、商用サービスは今後の検討です。要は、ステーブルコインで送金できるようになったのではなく、その手前の経路を検証用トークンで確かめたということです。
サスメドのブロックチェーン治験システムを用いた企業治験に基づき、ヴィアトリス製薬が医薬品の製造販売承認を取得
ヴィアトリス製薬が2026年9月16日、「ウエキクス錠5mg/20mg」(一般名: ピトリサント塩酸塩)の製造販売承認を取得しました。効能は、ナルコレプシーと、CPAP療法中の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気です。
国内第3相治験はアキュリスファーマが実施し、サスメドのブロックチェーン基盤の治験システム「SUSMED SourceDataSync」が用いられました。効率化の数値は、モニタリング業務量が45.9%減、医療機関の業務量が32.0%減、問い合わせ件数が46.7%減です。
ブロックチェーン技術を用いた企業治験の結果に基づく医薬品の承認取得は世界初だとされていますが、これはサスメド自身の調査に基づく主張です。つまり、金融の外側で、記録の改ざん耐性という一点のためにチェーンが使われ、承認まで通った事例です。
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