おはようございます。
9/9(水)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
米シティ、日本企業向けの「トークン化預金」による海外送金を年内にも開始へ。外資系では初
米シティグループが年内にも、ブロックチェーン技術を用いた「トークン化預金」による海外送金サービスを日本企業向けに開始することがわかりました。シティのサービス部門グローバル責任者、シャミール・カリク氏が日本経済新聞の取材で明らかにしたものです。
米国、英国、シンガポール、香港、アイルランドの拠点との間で、夜間・休日も即座に外貨送金ができます。シティによれば、外資系金融機関が日本企業向けにトークン化預金サービスを提供するのは今回が初めてです。
シティは将来、自行以外の銀行とも預金をやりとりできる体制を目指し、スイフトなどとの基盤整備も進めています。ここがポイントで、前号で扱った銀行間の実証とは層が違い、こちらは日本企業が実際に使う商用サービスの話です。
Block、信託銀行「ビルダーズバンク」の設立認可をOCCに申請。預金も融資も行わない信託専業
ジャック・ドーシー率いるフィンテック大手のブロックが8日、米通貨監督庁(OCC)に対し、信託銀行「ビルダーズバンク」の設立認可を申請しました。認可されれば、ビットコインやステーブルコインの管理を含むカストディ・信託サービスを提供します。
ビルダーズバンクは預金保険の対象外で、預金の受け入れや融資を行わない信託専業銀行となる予定です。社長兼CEOに就任予定なのは、ブロックでデジタル資産戦略責任者を務めるリー・ウーリー氏です。
コインベースやパクソス、ビットゴー、リップル、サークルなどは、すでに先行して免許を得ていました。要は、暗号資産企業が連邦の銀行免許を取りにいく流れに、ブロックも後から乗った形です。
Visa、オンチェーン融資インフラをステーブルコインカード事業に接続。決済取引高は年換算$20B規模
決済大手のビザが9月8日、ブロックチェーン上の融資と日常的な支払いを結びつける取り組みを発表しました。ステーブルコイン連携カードを出すフィンテック企業の運転資金を、オンチェーン融資インフラとビザのデータで支えます。
新興の決済企業は運転資金の確保が難しい状況です。ビザと組む貸し手のクレジット・クープによれば、このモデル全体では2023年以降、建て替え用の決済資金の融資で$2.5B超の累計出来高を支え、3,000件超の借入と9,000件超の返済を自動処理して債務不履行はゼロでした。
ビザ網では160以上のステーブルコインカードプログラムが稼働し、決済取引高は年換算$20B規模です。つまり、カード事業の裏側の資金繰りを、オンチェーンの与信で埋めにいく話です。
その他のニュース
ZKsync開発元のMatter Labs、Prividiumの権限管理エンジンをオープンソース化。ドイツ連邦銀行が最初の検証機関に
Matter Labsが現地9月8日の火曜、Prividiumの権限管理エンジン(permissioning engine)をオープンソースとして公開したと発表しました。公開されたコードを使えば、機関は自社の環境で許可制チェーン(permissioned chain)を動かせます。
ドイツ連邦銀行(Bundesbank)が、このオープンソース版の権限管理エンジンを最初にテスト・導入する機関です。Matter Labsは今後もプラットフォームの設計とテストで同行との協業を続けるとしています。
規制対象の機関から最も一貫して返ってきた声は、商用版だけのコアでは重要インフラに受け入れられない単一ベンダー依存になる、というものでした。つまり、囲い込みをやめることが採用の前提条件だと判断した形です。
Gemini、シンガポールMASの主要決済機関ライセンスを取得。2024年10月の原則承認から本免許へ
Geminiが9日、シンガポール金融管理局(MAS)が現地法人のGemini Digital Payments Singaporeに主要決済機関(Major Payment Institution)ライセンスを付与したと発表しました。
MASの金融機関ディレクトリには、同社がデジタル決済トークンサービスと国境をまたぐ送金を提供する認可を受けていると記載されています。MPIライセンスの保有者は、標準的な決済機関に課される取引量の上限なしに、規制対象の決済サービスを提供できます。
今回の本免許は、2024年10月にMASが出したGeminiの申請に対する原則承認(in-principle approval)に続くものです。要は、2年近くかけた審査がようやく最終段階を通ったということです。
Robinhood、Crypto.comとOG.comの株式を取得。予測市場をCFTC規制下の取引所へ流す
ロビンフッドと予測市場プラットフォームのオージードットコム(OG.com)が8日、複数年のパートナーシップを締結したと発表しました。ロビンフッドは自社の予測市場サービスでオージードットコムをインフラとして採用し、清算も同社に任せます。
契約の一環として、ロビンフッドはクリプトドットコムとオージードットコムの株式を取得します。オージードットコムはクリプトドットコムから独立した予測市場企業で、シタデル・セキュリティーズからの投資時点でクリプトドットコムの評価額は$20B、うち独立後のオージードットコム単独が$5Bでした。
個人投資家からの予測市場取引は、米商品先物取引委員会(CFTC)規制下のデリバティブ取引所と清算部門の構造を通して転送されます。イベント契約のローンチは2026年9月8日から資格のある米ユーザーへ段階的に進みます。要は、出資と約定の受け渡しをセットにして、予測市場の足場を固めにいく取引です。
Morpho、固定期間・固定金利の「Midnight」をEthereumに展開。最大の資金源はDAO待ち
Morphoが9月8日、固定期間・固定金利の貸出プロトコル「Midnight」をEthereum上で立ち上げ、Baseの外へ展開しました。共同創業者のMerlin Egalite氏によれば、Ethereumでの立ち上げは「USDC | cbBTC」と「USDC | WBTC」の市場から始まります。
ただし約$5Bの預金を持つMorpho Vaultsは、DAOがMidnightへの配分を有効にするまで、Morpho Blueの市場にしか資金を回せません。
Paul Frambot氏は、Vaultの配分を有効にするのはDAOのトランザクション1本で済むが、それは新しいほうのプロトコルに多額の資金を開放することでもあると述べています。Morphoは第4四半期のVault有効化を見込んでいます。ここがポイントで、商品は出たのに、最大の資金源だけが栓を閉じたままです。
GMOコイン、SAND・CHZ・FILの取扱いを10月24日で廃止
GMOコインが9日、ザ・サンドボックス(SAND)、チリーズ(CHZ)、ファイルコイン(FIL)の取扱いを廃止すると発表しました。プロジェクトの継続性や流動性の変化、カバー取引先の確保が困難となる可能性を理由に挙げています。
販売所・取引所での売買は10月24日に終了し、11月中旬をめどに口座内に残る分は会社側が売却して日本円で顧客口座に付与されます。9月15日には「貸暗号資産」サービスが終了し、「つみたて暗号資産」も毎週プランが10月7日、毎日プランが10月9日、毎月プランが10月10日で最終積立日を迎えます。
本公告日時点で、SANDはbitFlyerやビットバンクなど6社、CHZは5社、FILは2社が国内で取り扱っています。要は、銘柄そのものが終わるのではなく、GMOコインが自社で扱い続けるかどうかの判断です。
Dune分析、オンチェーン決済の伸びは「クリプトカード」と「AIエージェント決済」に集中
分析基盤のDuneによれば、オンチェーン決済の成長はクリプトカードとAIエージェント決済の2つに集中しています。クリプトカードの月間利用額は$126Mから$492Mへ約4倍に拡大し、8月には142,510人が利用しました。
Duneが把握している消費者向けステーブルコイン決済額のうち、クリプトカードが98%を占めるまでになっています。一方でAIエージェント決済は1年前の月間39,496件から1,530万件へ急増し、1セント未満の超少額決済が全体の70.8%を占め、その99.99%がAIエージェントによるものです。
Duneは「速さと安さ」はもはや差別化要因ではなく、インドのUPIのような即時決済網が各国で標準になるなかで、銀行口座を持たずに決済できるアクセス性こそがオンチェーン決済の本当の強みだと指摘しています。見どころは、件数の爆発と1件あたりの金額の小ささが同居している点です。
米国株が89時間半閉まっていた間に、トークン化株式が$1.41B取引される
ニューヨーク証券取引所が9月4日の金曜午後4時(米東部時間)に引けてから、9月8日の火曜午前9時半に再開するまで、レイバーデーを挟んで89時間半の空白がありました。その間にトークン化株式は$1.41B売買されています。CoinGeckoの出来高データで、主要4プラットフォームの上位42銘柄が対象です。
内訳は土曜$490.3M・日曜$516.9Mで週末合計$1.01B、レイバーデーが$398.3Mです。現物市場が終日開いていた金曜は同じ42銘柄で$1.02Bだったので、週末の2日間だけで平日1営業日分にほぼ並びました。
最も売買されたのはInvesco QQQ TrustのbStocks版であるQQQBで、$180.5Mでした。価格も金曜終値の$718.96に対して$719.36と整然としており、価格の乖離に乗った取引ではありません。ここがポイントで、市場が閉じている時間帯こそ、株をチェーンに載せる意味が出ています。
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