おはようございます。 9/4(金)~9/7(月)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
リキッドネットワーク、約3,998.5 BTCが流出しサイドチェーンが事実上停止
リキッドネットワークが9月7日に公式Xで発表し、ビットコインのサイドチェーンであるリキッドから約3,998.5 BTC(約$320M相当)が1つのアドレスへ移されました。
流出先アドレスには善意のハッカーを名乗るメッセージが残され、マルチシグ鍵の侵害はなかったものの根本原因は不明です。あたらしい経済が引用したThe Blockによれば、これは準備金約4,200 BTCの約95%にあたります。Cointelegraphによれば、Blockstreamは署名付きのオンチェーンメッセージで相手方に接触し、脆弱性が修正され全ノードにパッチが適用された後に大半を返還すると先方は述べたとされます。
ここがポイントで、鍵は破られていないのに、準備金のほぼ全量が動いてチェーンが止まっています。
Harmony、メインネット終了とONEのイーサリアム移行を提案。理由に「国家主体とAIエージェントの脅威」
Harmonyが9月6日に公式Xで、メインネットの終了とONEのイーサリアムへの移行を提案しました。非拘束的な提案で、計画は変更される可能性があるとしています。理由は、国家主体やAIエージェントの脅威が大きすぎることです。
移行では、最終ブロック時点の各種残高のスナップショットを取り、同じアドレスへ新しいONEをエアドロップします。マルチシグウォレット・流動性プール・オンチェーンアプリは移行できず、9月10日までの引き揚げが呼びかけられました。補償枠は総額137万2,000ドルで、4四半期に分割されます。
背景には8月12日のONE不正発行と、同月22日完了のロールバックがあります。要は、チェーンを畳んで残高だけを移す提案です。
金融庁、令和7年度の実績報告書で暗号資産政策を「目標達成」と自己評価
金融庁が9月4日、令和7年度の金融行政実績報告書を発表し、暗号資産関連の施策を目標達成と評価しました。暗号資産取引規制の金商法への移管とインサイダー取引規制の創設を進め、改正法案は2026年7月に国会で成立しています。
成立した法案には税制の変更も盛り込まれており、所得税・住民税を合わせて最高55%が課される総合課税から、申告分離課税(税率20%程度)への移行と、損失の3年間繰越控除が含まれます。税制の変更は改正金商法の施行が条件で、施行が2027年度なら課税の変更は2028年1月1日からとなる見込みです。
ここがポイントで、達成と評価された法案そのものに、税率の引き下げまで含まれています。
その他のニュース
ポーランド下院、大統領の暗号資産法案拒否権を覆せず。MiCAの監督官庁が不在のまま
ポーランドのSejmが241対198(棄権3)で大統領の拒否権の覆しに失敗しました。必要な266票に25票足りませんでした。Karol Nawrocki大統領による暗号資産法案の拒否権は3回目です。
法案はEUのMiCAをポーランド国内で実施する枠組みを定め、監督権限をKNF(Polish Financial Supervision Authority)に割り当てるものでした。Nawrocki氏は、提案された規則が業界を過剰に規制すると主張しています。
KNFは、MiCAがEU全域ですでに適用されているにもかかわらず、ポーランドには暗号資産市場の監督を担う指定当局がいまだ存在しないと認めています。つまり、共通ルールはあるのに、国内で見る人がいない状態が続きます。
Hargreaves Lansdown、約200万顧客に暗号資産ETNを解禁。英大手で最後の1社が転換
英国最大の投資プラットフォームHargreaves Lansdownが9月3日、約200万人の顧客にビットコインとイーサリアムのETN取引の提供を始めました。
扱うのはiShares(BlackRock傘下)・WisdomTree・21Shares・Invesco・CoinShares・Bitwiseなど9銘柄で、年間手数料は0〜0.35%です。「Advanced Investing」の利用者に限定され、新規は適合性審査と24時間のクーリングオフが入ります。
同社は2025年10月に「ビットコインは資産クラスではない」と表明しており、英大手で唯一ETNを扱っていませんでした。英FCAが約4年9か月続いた小口投資家向けの販売禁止を解除したのは2025年10月8日です。要は、最後まで距離を置いていた1社が向きを変えました。
SoFiとKraken親会社Paywardが提携、SENにKrakenが参加しSoFiUSDを上場
SoFi TechnologiesとPaywardが9月3日に提携を発表しました。PaywardがSoFiのリアルタイム決済ネットワーク「SEN」に加わります。
これによりPaywardは、機関の顧客に対して24時間7日で米ドルを清算・決済する手段を提供できます。あわせてSoFiの米ドルステーブルコイン「SoFiUSD」をKrakenに上場します。
Kraken PrimeはSoFiの暗号資産サービスに流動性を供給し、取引執行に使われます。SoFiのAnthony Noto CEOは、金融システムは市場が開いている時に停止すべきではないとコメントしました。つまり、証券会社側の決済網に取引所を引き込む形です。
全米保安官協会、クラリティー法案への反対を撤回し中立を表明
全米保安官協会が3日、クラリティー法案について中立の立場を表明しました。7月31日付の書簡では同法案を「有害な法律案」と位置づけ、法執行・治安上の重大なリスクへの対応を求めていた団体です。
上院の採決は9月15日に予定されています。下院の次回会期は11月9日で、中間選挙の6日後にあたります。
要は、可決の見通しを押し下げていた材料が1つ減りました。
Binance、MiCAライセンス未取得のままEU事業を継続とBloombergが報道
Bloombergが9月4日、BinanceがMiCAのライセンスを取得しないまま、複数の抜け道を使ってEU域内の事業を継続していると報じました。CoinPostがその内容を伝えています。
使われているとされるのは、無登録の暗号資産業者でも勧誘活動を伴わず顧客が自発的に申し込んだ場合は口座開設を認める条項です。Binanceは6月30日の猶予期間終了を前に、一時はEUからの撤退を表明していました。
8月下旬時点で、Binanceは欧州主要取引所の現物取引高の45%超を占めています。ECBのChristine Lagarde総裁が承認を阻止するよう水面下で働きかけていたとされ、ESMAも撤退の進捗を確認する書簡を送りました。つまり、ルールは動いているのに、最大手が枠の外に居続けています。
BIS、XRP Ledgerを使った公式統計の検証プロトタイプ論文を公開
BISが、公式統計の真正性をブロックチェーンで検証する枠組みの論文を公開しました。プロトタイプはXRP Ledger(XRPL)上に構築されています。
BISは、実運用する検証システムにXRPLを採用すると決定したわけではないと明記し、論文に示された見解は執筆者個人のものでBISの公式見解や方針ではないとしています。XRPLを選んだ理由は、極めて低い手数料、迅速な処理、豊富な開発者リソース、技術的な分析実績の存在です。
テスト条件下では、データの公開・発行が中央値3〜5秒、検証が1〜2秒でした。枠組み自体はブロックチェーンに依存せず、イーサリアムや許可型チェーンへも広げられます。ここがポイントで、まだ採用を決めた段階ではありません。あくまで概念実証です。
Pineapple Financial、$1B超の住宅ローン記録をInjectiveに載せる
Pineapple Financialが、$1B超の住宅ローン記録をInjective上へ移しました。ダッシュボード上の件数は2,079件で、2025年12月の開始時の1,259件から増えています。
1件のレコードには500超のデータポイントが含まれ、検証・監査証跡・リスク分析を支える設計です。トークンPAPL0は、原資産であるローンの所有権ではなく住宅ローンの記録を表すものと説明されています。
Injectiveの説明では、Pineappleは最終的に$10B超・29,000件超の実行済み住宅ローンをネットワークへ移す計画です。つまり、載っているのはローンそのものというより、ローンの台帳だという区別が要ります。
Fomo、Solanaの日次収益でPump.funを上回る
DefiLlamaのデータとして、金曜のFomoの日次収益は$1.76Mで、Pump.funの$1.1Mを上回りました。
ただし30日間で見るとPump.funが$57M、Fomoが$17.6Mで、長い期間ではPump.funが前に出ています。Fomoでは68,000人超がApple Payで初めての暗号資産購入を行い、取引高は約$25Mでした。
6月11日にはHyperliquidを使った無期限先物を米国外のユーザー向けに開始し、紹介手数料として$2M超を支払っています。要は、1日単位では逆転したものの、月単位の序列はまだ変わっていません。
QuFi Network、耐量子の検証プラットフォームを公開。ビットコインのテストネットで実証
耐量子インフラを手がけるQuFi Networkが、検証と決済を分けるプラットフォームを公開しました。分散したノード群が量子コンピュータに耐える暗号(ポスト量子暗号)で取引を検証し、そのうえで既存のブロックチェーン上で決済します。
使う規格はML-DSA-65・SLH-DSA・ML-KEM-1024の3つで、電子署名と安全な鍵交換に充てます。既存のチェーン側に変更を求めない設計で、サイズの大きい耐量子署名を各チェーンへ直接載せたときに増える保存容量・帯域・計算の負担を避ける狙いです。
あわせて、この仕組みをビットコインに当てはめた概念実証「uBTC」をBitcoin Testnet4上で動かしています。BTCの担保を検証し、価値の移動を規定する暗号学的な証明を作る仕組みで、償還は通常のビットコイン取引として決済されます。つまり、チェーン本体を作り替えずに外側へ検証層を足す案で、まだテストネットの段階です。
FinCEN、$12.7Bの疑わしい取引を東南アジア拠点の暗号資産詐欺に紐づけ
米財務省のFinCENが、東南アジアの拠点を起点とする暗号資産の投資詐欺に、約$12.7Bの疑わしい金融活動を紐づけました。分析対象は2023年9月から2025年12月までです。
集計したのは約1,300の金融機関が提出した33,904件の疑わしい活動報告で、内訳は暗号資産のMSBが件数の55%・$5.5B、銀行が41%・$6.4B、証券会社が$784.5Mです。月次の届出件数は平均10.9%、報告された金額は18%のペースで増えました。
拠点はカンボジア・ラオス・ミャンマーが中心で、少なくとも22種類の暗号資産が使われ、なかでもイーサリアム・USDT・USDCが目立ちます。報告の約25%は高齢者の被害に関わるものでしたが、これは高齢者の人口比とほぼ同じ水準です。要は、高齢者を狙い撃ちしたというより、広く網をかけた結果に見えます。
Anatoly YakovenkoとSteven Goldfeder、Robinhood Chainの手数料モデルで応酬
Solana共同創業者のAnatoly Yakovenko氏が、Robinhood ChainがArbitrum側へ支払う10%の収益分配額だけで、Solana上の取引手数料を4回分賄えたと主張しました。
Yakovenko氏は、ネットワークの混雑に連動するガス代をやめて、アプリ側で50〜80ベーシスポイントを取り、完全にガス代のかからない体験にすべきだったとしています。Offchain Labs共同創業者のSteven Goldfeder氏はこれをばかげた主張と一蹴し、Arbitrumならロビンフッドがガス代の90%を保持できるがSolanaではネットワーク手数料が得られないと反論しました。
Goldfeder氏は「ロビンフッドはテナントではなく、大家になれるようArbitrumを選んだ」と表現しています。Bitqueryのデータでは、Robinhood Chainの平均取引手数料は8月22日の約$0.007から9月3日の約$0.41へ上がりました。ここがポイントで、手数料をどの層で取るのかという設計の話です。
Bukele大統領、エルサルバドルのBTC準備金「民間移管」報道を否定。El Paísが訂正
スペイン紙El Paísが、エルサルバドル政府がIMFとの合意に伴い、7,763 BTC超($632M超相当)の準備金の過半の所有権と管理権を民間事業者へ移したと報じました。
Nayib Bukele大統領はXで「完全に誤りだ」と否定し、移管されたのは政府系電子ウォレット「Chivo Wallet」の株式であって、戦略的ビットコイン準備金ではないと説明しました。
IMFの発表では、移管されたのはChivoの過半の所有権と運営管理権のみで、政府は少数持分と顧客資産の保管責任を維持します。El Paísはのちに記事末尾へ訂正を掲載しました。つまり、動いたのはウォレット事業の持ち分で、準備金そのものではありません。
ARB、Sunrise経由でSolana上で取引可能に
Wormhole Labsがインキュベートしたアセットゲートウェイ「Sunrise」経由で、ARBのカノニカル版がSolana上に登場しました。mintアドレスは「ARBzQTYDCW2KnVEjs1Mc81LekB1ibVFZKbSVmorkoT9d」です。
Jupiter、Backpack、Phantom、Solflare、Raydium、Kamino Swap、Mayanが対応しています。SunriseはこれまでにUNI、AAVE、SUI、MON、HYPEなども扱ってきました。
Solana公式はスプレッドと手数料が10倍有利だと主張しましたが、あたらしい経済は、この比較がRobinhood ChainとSolanaの手数料・MEVコストを巡る議論を指すもので、同一条件のARB取引を直接比較したものではないと注記しています。取引量・比較期間・算出方法も公表されていません。要は、置き場所が増えたという話であって、有利さの数字はまだ確かめられません。
Pencil Finance、学生ローン約1,050人分をフルオンチェーンで完結
Animoca Brandsがインキュベートした分散型レンディングのPencil Financeが、$1M規模の学生ローンについて、資金の調達から返済、利回りを付けた資金の返還までをすべてオンチェーンで完結させました。
直接の借り手は約1,050人で、より広くは118校・6,600人超の学生のローンを支えました。期間は12か月、対象はインドネシアやフィリピンといった東南アジアです。ローンの組成はErudiFiが担い、EDU Chain(Arbitrum Orbitで構築されたイーサリアム系ネットワーク)上で動かしています。
投資家は、固定利回りで返済が優先されるシニアトランシェと、変動利回りで最初の損失を吸収するジュニアトランシェに分かれます。借り手は50%が女性、93%が低所得世帯、52%が正規の与信を使うのは初めてでした。ただし記事は、金利・投資家利回り・デフォルト・取引記録が開示されていないと指摘しています。つまり、1周回ったことは示せても、条件はまだ見えません。
Ark Invest、L1のビジネスモデルをファストフードチェーンに例えてETH・SOL・HYPEを分析
Ark Investのリサーチディレクターであるロレンツォ・ヴァレンテ氏が、3つのL1を根本的に異なるビジネスモデルとして整理しました。
イーサリアムはマクドナルド型で、ブランド(信頼性と分散性)、OS(EVMと開発者コミュニティ)、不動産(ブロックスペース)を提供するフランチャイズ兼地主にあたるとしています。同氏は「最も成功したフランチャイズ網を築いたのに、家賃を請求するのを忘れた」と指摘し、EIP-4844以降はL2が使うblobの手数料が限界費用の水準まで下がり、L2の活動がイーサリアムの収益に結びつきにくくなったとしています。
ソラナはチポトレ型で、全取引をL1で処理して価値をネットワーク内に留める代わりに、単一障害点のリスクを抱えます。ハイパーリキッドはイン・アンド・アウト型で、VC資金に頼らず少数精鋭で運営し、取引手数料の大部分をアシスタンスファンドに流してHYPEを買い戻します。見どころは、どのL1が勝つかではなく、どのビジネスモデルを曖昧さなく実行できるかを問うている点です。
弱気相場で暗号資産担保のレンディングが増加、売却の代わりの資金調達手段に
クリプトクアントが、CoinRabbitのデータをもとに、暗号資産を担保にした借入が増えていると指摘しました。個人投資家の借入回数は30.8回から53.5回へ74%、富裕層は16.5回から19.4回へ18%増えています。
リピート利用者の割合は61.9%から65.1%へ上がり、個人投資家の借入間隔は11日から21日へほぼ倍に延びました。
富裕層の担保銘柄では、ビットコインの割合が57.8%から30.5%へ下がる一方、ジーキャッシュ(ZEC)がトップ10圏外から24.2%の3位へ浮上しました。ZECは2025年9月の$50から現在の$800まで上がっています。つまり、売らずに現金を作る手段として担保が使われています。
新種ETFの審査、速度か安全性かで米業界内の意見が対立
SECが検討する新種ETFの規制枠組みについて、複数の暗号資産関連企業が意見書を提出し、審査プロセスの見直しを求めました。
グレースケールは、上場前に非公開で届出草案を提出できる任意の手続きと、SEC職員による45日以内の回答を提案しました。21シェアーズも、公開届出が競合に速く模倣される点を挙げて同様の手続きを求めています。a16zは審査期間の短縮を要望しつつ、迅速化が審査の簡素化を意味してはならないと付け加えました。
一方でチャールズ・シュワブは非公開化に反対し、効力発生の少なくとも75日前には届出を公開すべきだと主張しています。ジェーン・ストリートはAP(授権参加者)を最低2社確保する義務づけを、マルチコイン・キャピタルはステーキングレシートトークンのETPへの組み入れ認可を求めました。SECは6月30日にパブリックコメントの募集を始め8月31日に締め切りましたが、対応時期はまだ示していません。ここがポイントで、業界の側が一枚岩ではありません。
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