おはようございます。 9/1(火)~9/2(水)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
世界21の金融機関、ステーブルコインを共同発行する新会社を設立へ
北米・欧州・アジア・中東・アフリカの21の金融機関が9月1日、ステーブルコインを共同で発行する新会社の設立計画を発表しました。2026年後半に会社を立ち上げ、2027年前半のサービス開始を目指します。
まず米ドル建てから始め、ユーロをはじめとするG7通貨へ広げる計画です。米国のGENIUS Actと欧州のMiCAに準拠し、国際送金やデジタル資産の決済に使う想定で、法人・機関・個人のいずれも対象に入っています。参加は北米10社(Bank of America、Citigroup、Goldman Sachs、Wells Fargoほか6社)、欧州8社(Santander、Deutsche Bank、UBSほか5社)、中東のSirius International Holding、アフリカのStandard Bankという構成です。
見どころは地域の偏りです。アジアからの参加は三菱UFJ銀行の1行だけで、ドルとユーロを出す側の銀行がずらりと並ぶなかに、アジアの金融機関はほとんど入っていません。
Kraken親会社Payward、ロンドン証券取引所グループと英国株のトークン化で提携
Krakenの親会社であるPaywardとロンドン証券取引所グループ(LSEG)が9月1日、提携を発表しました。LSEに上場する時価総額上位100社を対象に、トークン化株式「xStocks」を提供します。
24時間のブロックチェーン取引に対応し、保有分は自己管理ウォレットへ移せます。数週間以内に、Krakenを含むxStocks Alliance加盟プラットフォームで取引が始まる予定です。将来的には規制当局の承認を得たうえで、24時間取引専用市場「LSE24」でのxStocks取引にも対応する方針で、長期的には発行体自身がトークン化株式を発行する形についても協議しています。Paywardの共同CEOであるArjun Sethi氏、LSEGでデジタル・証券市場部門を統括するJulia Hoggett氏が関わっています。
xStocksの累計取引高はローンチから1年強で$40Bを超え、オンチェーン決済は$20B超、保有者は20万人を上回ります。ここがポイントで、老舗の取引所が自前でトークン化の器を作るのではなく、すでに動いている枠組みのほうへ上場銘柄を載せにいっています。
米SEC、証券譲渡代理人の規則を近代化する案を提案
米SECが9月1日、証券譲渡代理人(transfer agent)向け規則の近代化案を公表しました。電子的な記録管理とブロックチェーン技術の利用実態を反映し、登録・報告・記録保持の手続きを、改正・廃止・新設で一括して見直します。
現行規則は1970年代後半から1980年代前半にかけて定められて以来、実質的な見直しがなされていません。ポール・アトキンス委員長は、電子的コミュニケーションやブロックチェーン技術を用いた証券発行・株式移転の実務を反映し、規則を合理化・近代化する趣旨だと説明しています。取引市場局長のジェイミー・セルウェイ氏も、技術の変化や競争環境の進展を踏まえて旧来の規則を見直すことは、適正な統治に必要だと述べました。
すでにインジェクティブ、セキュリタイズ、ティーゼロがSEC登録の証券譲渡代理人となっており、トークン化証券の所有記録を管理する役割が広がっています。コメント期間は連邦官報の掲載日から60日間です。要は、株式の名義を書き換える台帳側の規則が、制定以来ほぼ手つかずのままだったところに、ようやく実質的な手が入るということです。
その他のニュース
シンガポール中銀、ステーブルコイン規制の法改正案を公開
シンガポール金融管理局(MAS)がPayment Services Act 2019の改正案を公表し、「MAS Single Currency Stablecoin(MAS-SCS)」という区分を新設します。発行体には準備資産を発行残高の額面に対して最低100%の価値で常に維持することと、額面での償還を求めます。あわせて、保有者への利息や収益の付与を禁じることも提案しています。
対象はシンガポールドルまたはG10通貨にペッグされたもので、MASの認可を受けた発行体だけが「MAS規制ステーブルコイン」の呼称を使えます。シンガポールと海外事業者の共同発行を認め、一定の条件のもとで海外発行のステーブルコインも許容します。MASで金融監督担当のDeputy Managing Directorを務めるHo Hern Shin氏が関わっています。
意見募集の締切は2026年10月16日です。つまり、100%準備と利息の禁止を満たさないものは「MAS規制」と名乗れない、という線の引き方をしています。
G20財務相会合、デジタル資産の経済成長への寄与を議長声明に明記
G20財務相・中央銀行総裁会議が9月1日、米ノースカロライナ州アシュビルでの会合を踏まえた議長声明を発表しました。声明には、デジタル資産を含むデジタル金融分野の技術革新が「経済成長を後押しし、民間主導のイノベーションを牽引する役割を担っている」と明記されました。
金融の安定と経済成長を両立させながら、健全な技術革新への明確な道筋を確立する規制・監督枠組みの整備を進める方針も示されています。FSBがステーブルコイン報告書の要旨を公表する予定であることも盛り込まれました。
中国は世界経済の成長や対外債務に関する複数の条項に異議を唱えましたが、デジタル資産の条項には異論を示していません。ここがポイントで、各国の立場が割れた文書のなかで、デジタル資産の記述だけは素通りしています。
Ethena、金融アプリ「Ethena Pay」をローンチ、決済層にAvalancheを採用
Ethenaが9月1日、国際送金・貯蓄・決済に対応するノンカストディアル型アプリ「Ethena Pay」を発表しました。決済層にAvalancheを独占的に採用し、iOS App Storeでβ版が公開されています。
米ドル建て残高には年利最大6%が日次で付き、バーチャルカードの利用ではAVAXによる最大5%のキャッシュバックが受けられます。Guy Young氏に取材したThe Blockによれば、米ドルの場合、利用者が保有するのはUSDeで、法定通貨や暗号資産を受け取っても着金はUSDeになります。
展開は段階式で、まず400人のアーリーアクセスから始め、9月中に地域ごとに週次で広げます。日本円建てのサービスも計画されていますが、詳細は未確定です。要は、ステーブルコインの発行体が、自分の通貨を使う入口のほうまで自前で用意しにきたということです。
Binance、米国株・ETFのオプション取引を追加、1,000超の銘柄に対応
Binanceが9月1日、米国株とETFのオプション取引を追加したと発表しました。1,000を超える銘柄に対応します。
提供はADGM/FSRAの規制下で運営するNest Tradingを通じて行われ、注文はFINRAメンバーのAlpaca Securitiesへルーティングされます。原資産の執行・清算・決済・保管はAlpaca Securities側が担います。
取引はコールとプットの買いのみで売り建てはできず、現物決済・指値注文に限られます。手数料はUSDC / BNB / USDT / USD1 / Uで支払えますが、米国ユーザーは利用できません。つまり、米国株の器を米国の外側から開ける組み立てで、肝心の米国ユーザーは対象外です。
Alpaca、予測市場のKalshiと提携し、既存の証券基盤にイベント契約を追加
Alpacaが8月31日、予測市場のKalshiとの提携を発表しました。証券・オプション・債券・暗号資産を扱う既存のブローカレッジ基盤に、イベント契約を追加します。
子会社のAlpaca DerivativesはNFAへの先物取次業者(FCM)としての登録を完了済みですが、規制上の提供開始日は開示されていません。CNBCの報道として、Alpacaのブローカレッジ網には300社超の金融機関が参加し口座数は1,400万件、APIの月間利用者は83,000人と伝えられています。Kalshiの2026年7月の取引高は$40Bを超えたとされます。KalshiでVice President, Business Developmentを務めるMax Crowley氏が関わっています。
なお、ひとつ上のBinanceの項目でも、注文のルーティング先としてAlpaca Securitiesの名前が出ています。つまり、既存の証券口座が並ぶ画面のなかに、イベント契約が1商品として差し込まれる形です。
Strategy、MSCIの指数除外提案に「差別的かつ恣意的」と反対
MSCIがグローバル指数(GIMI)から「非事業会社」を除外する新基準を提案しており、Strategyが8月31日付の書簡でこれに反対しました。
基準では、事業資産が総資産の50%未満の企業が5つの財務比率による追加スクリーニングを受け、うち4つ以上に該当すると除外されます。2026年5月時点のデータではStrategyとMetaplanetが即時除外の対象、Sharplinkを含む3社が新設の監視リスト入りとされています。
Strategyは指数運営委員会宛の書簡で提案を「差別的かつ恣意的」と呼び、事業会社の要件を満たしている、世界で約1,500人を雇用している、「ビットコインを裏付けとしたデジタル信用商品」を提供している、と反論しました。意見受付は9月30日締切、MSCIの結果公表は10月16日で、可決されれば11月の指数見直しで実施されます。要は、ビットコインを積む会社を事業会社と呼べるかどうかが、指数の側から問われているということです。
Bitfinex Securities、BTCトレジャリー企業に連動するトークン化ノート5商品を上場
Bitfinex Securitiesが9月1日、ビットコインを保有する企業の株式に連動するトークン化ノート5商品を上場したと発表しました。株式そのもののトークン化ではなく、参照する株式の「経済的パフォーマンス」を追跡する債券形式です。
5商品はCMSTR(Strategy普通株連動)、CMTPL(Metaplanet普通株連動)、CH100(H100 Group普通株連動)、CALCPB(Capital B普通株連動)、STRCST(Strategyの変動利付永久優先株連動)です。発行体はルクセンブルクのORO (II) Securitization Fundのコンパートメントで、運用はSICOS Securities、発行チェーンはビットコインのサイドチェーンであるLiquid Networkが使われます。
Bitfinex SecuritiesはAstana International Financial Centreとエルサルバドルのライセンスで運営しており、今回の直接上場はエルサルバドルのCNADが承認しました。つまり、株主にならずに株価の動きだけを取りにいく箱を、証券化の枠組みのほうで組んでいます。
SecuritizeのハイイールドファンドHINC、SolanaのLoopscaleで担保として使えるように
「Neuberger Securitize High Income Tokenized Fund(HINC)」を担保に、適格投資家が持ち分を償還せずにUSDGを借りられるようになりました。Loopscale上で使えるSecuritize商品としては3件目です。
HINCは8月18日のローンチで、ポートフォリオは主にハイイールド社債です。最低申込額は$100,000、年間経費率は0.60%です。Securitize自身もAaveへのガバナンス提出文書で「This is not a low-volatility asset」と書いています。LoopscaleのTVLは$91.3Mです。
Securitizeの共同創業者兼CEOであるCarlos Domingo氏は「Treasuries were a natural starting point for bringing traditional assets into DeFi, but they shouldn’t be the endpoint. HINC expands the opportunity into institutional credit.」と述べています。つまり、DeFiに置かれるトークン化資産の担保が、国債から社債の側へ一段動いたということです。
金融庁、暗号資産レンディング「IZAKA-YA」の運営会社に警告
金融庁が9月1日、香港・九龍のモンコックに所在する「イザカヤ・リミテッド」に対する警告書の発出を公表しました。日本居住者を相手方に、無登録で暗号資産交換業を行っているとしています。
同社の代表者は「不明」とされています。会社設立は2023年4月、サービス開始は2023年12月で、レンディングの利回りは年率最大12%でした。
8月22日には初回レンディング向けに年率500%相当の追加報酬キャンペーンを開始し、その2日後には不正資金の流入が疑われる一部アカウントの送金・出金の一時停止と、全利用者へのKYC必須化を発表していました。ここがポイントで、当局の警告は、利回りが跳ね上がって出金の訴えが相次いだあとに出ています。
Core DAO、バリデーターの報酬超過受領を受けて緊急ハードフォークへ
一部のバリデーターがプロトコルの想定を超えるCORE報酬を受け取っていた件を受け、Core DAOが緊急ハードフォークを実施する方針を示しました。Core側は事象は封じ込め済みで、「悪意あるバリデーター」はもう超過報酬を引き出せないとしています。
フォークはネットワークのロールバックを伴わず、確定済みのトランザクションを巻き戻すこともありません。超過発行されたCOREの量、その状態が続いた期間、追加のトークンが流通に入ったかどうかはCore側が開示しておらず、超過報酬を可能にした脆弱性の説明もありません。技術的な事後検証は公表するとしています。
複数の取引所がCOREの入出金を制限しました。CoinbaseはCoreネットワークでの送受信を停止し、BithumbとCoinoneはセキュリティ上の懸念を理由に入出金を停止、Bitgetはウォレットメンテナンス、LBankはプロジェクト側の要請を理由に挙げています。ここがポイントで、チェーンを止めて状態ごと戻す対応もあるなかで、Coreは巻き戻さないほうを明言しています。
英国家犯罪対策庁、プレミアリーグのスポンサーだったSorare関連の£10Mを凍結
The Sunの報道によれば、英国家犯罪対策庁(NCA)がSorareに関連する£10Mを凍結していました。無許可賭博の疑いをめぐる捜査によるもので、凍結命令は2025年1月にWestminster Magistrates’ Courtが発出しています。Cointelegraphはドル換算で$13.5Mとしています。
命令の狙いについて、NCAの広報担当は「to prevent dissipation of the funds while the NCA investigates any potential links between those funds and alleged third-party criminality」と述べたと報じられています。
Sorareは2023年にプレミアリーグと4年$162Mの提携を結び、昨季末に終了しています。つまり、リーグの看板に名前が出ていた期間と、資金が凍結されていた期間が重なっていたということです。
Kalshi、自身の選挙に賭けた下院候補を3年間の出場停止に
Kalshiが、ノースカロライナ州第1選挙区の共和党下院候補Laurie Buckhout氏を3年間の出場停止としました。自身の選挙に関する契約を購入していたためです。
購入額は$1,000未満で、制裁金は$2,589.96です。Buckhout氏はThe Hillに対し「I bet on myself. Literally. It was a dumb mistake」と述べ、問題に気づいてから是正に努めたと語っています。
2026年には他に3名の候補者が同様の違反で5年の出場停止を受けています(Matt Klein氏、Ezekiel Enriquez氏、Mark Moran氏)。要は、選挙の当事者を市場から締め出す運用が、件数として積み上がってきています。
SBI VCトレード、ステーキング報酬を円建てステーブルコイン「JPYSC」で受け取れるサービスを開始
SBI VCトレードが9月2日、ステーキング報酬を円建てステーブルコイン「JPYSC」で受け取れるサービスを開始しました。対象はVCTRADEサービスで、BITPOINTサービスは含みません。
VCTRADEサービスがステーキングに対応するETH、SOL、TRX、ADAなど全16銘柄が対象です。報酬は受取日午前7時時点の同社販売所価格で日本円に換算され、1円=1JPYSCで口座に付与されます。受け取ったJPYSCはスプレッドなしで日本円と交換できますが、現時点で外部への入出庫には対応していません。
同社は、BITPOINTサービスではすでに日本円での受け取りを提供しており、両サービスの統合にあたりVCTRADE側でも円建てで受け取りたいという要望が寄せられたことが今回の対応の理由だと説明しています。つまり、統合を控えた受取方法の足並みそろえが、円建てステーブルコインの形で先に入ったということです。
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