おはようございます。 8/28(金)~9/1(火)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
NYSE親会社ICE、tZEROと組んでトークン化証券の公開市場へ
インターコンチネンタル取引所(ICE)とtZEROが8月31日、提携を発表しました。ICEはニューヨーク証券取引所と提携したトークン化証券プラットフォームを開設する予定で、tZEROはオンチェーン決済を支えるデジタル証券代行機関およびブローカーディーラー向けインフラの主要設計パートナーになります。
ICEは新プラットフォームでの利用を目的に、tZEROのブロックチェーン特許ポートフォリオのライセンスも取得しました。103件の特許を含み、対象にはコンプライアンス対応の証券移転ロジック、アップグレード可能なスマートコントラクトの枠組み、大規模なコーポレートアクション処理が挙がっています。tZEROの直近の資金調達ラウンドへのICEの出資でも合意しています。
tZEROのアラン・コネフスキー会長兼CEOは、長年構築してきたプラットフォームと知的財産を「上場株式市場への事業拡大」に活用できると述べています。要は、NYSEを抱える取引所グループが、既存のデジタル証券事業者の設計と特許をまとめて取り込む形で、トークン化証券に入ってきたということです。
BIS総支配人「現在のステーブルコインは大規模決済に信頼できない」
国際決済銀行(BIS)のパブロ・エルナンデス・デ・コス総支配人が8月28日のジャクソンホール会議で、「現在のステーブルコインは大規模な決済手段として信頼に足るものではない」と批判しました。
満たしていないとして挙げたのは三つで、単一性の欠如、相互運用性の不足、金融健全性の課題です。単一性とは、どの発行体のものでも同じ1ドルとして通用するかという論点になります。デ・コス氏はその上で、銀行預金をトークン化した「トークン化預金」のほうが、中央銀行マネーによる銀行間決済を通じて額面どおりの価値を保てる分、将来のデジタル決済基盤として有望だと主張しました。
これに対しUSDTを発行するTetherのパオロ・アルドイノCEOは30日、完全な準備金に裏付けられたステーブルコインがあるのに、なぜ利用者が部分準備の銀行預金に貯蓄を置く必要があるのかと反論しています。ここがポイントで、争点になっているのは準備金の量や監査の頻度よりも、どちらが通貨としての条件を満たすかのほうです。要は、中央銀行側は既存の二層構造の上にトークン化を載せる道を本命に置いている、ということです。
Solana、ガバナンス投票でトークン発行抑制の加速案を可決
Solanaのバリデーターによる投票で、提案SGP-0002が可決されました。年間ディスインフレ率を15%から30%へ倍増させる内容で、SOLの発行量が下限の1.5%に到達する時期は2032年から2029年へ前倒しされます。
賛成は1億7,629万SOL、反対は6,619万SOLで、可決に必要な66.67%に対して67.0%という僅差での成立でした。同時に投票にかけられた他の提案では、ソラナ憲法にあたるSGP-0001が85.97%で承認され、手数料焼却案のSGP-0003は53.90%で否決されています。
見どころは、3案の通り方の差です。意思決定のルールそのものを定める憲法は86%で通った一方、誰の取り分がどう変わるかに直結する発行量の案は0.3ポイント差でようやく成立し、手数料の案は落ちました。器には合意できても、経済条件になると割れるということです。
その他のニュース
IMF、ステーブルコイン規制へ国際協調を要請
IMFの専務理事が8月28日のジャクソンホール会議で「Navigating a Financially More Fluid World」と題した講演を行い、ステーブルコインとトークン化に対する国際協調的な規制枠組みを提唱しました。普及が銀行の仲介機能を弱め、脱税を助長し、通貨代替を招きうると警告しています。
念頭にあるのは新興国の事情です。IMF加盟国の約4分の1がなお資本規制に依存しており、規制の空白は通貨代替リスク、資本フローの変動、為替の不安定化、金融主権の低下につながると指摘しました。発行国、とりわけ米国が財政規律を維持する必要にも触れています。
つまり同じ会議で、決済手段としての信頼性とは別に、国境をまたいだ副作用のほうが論点として出てきた形です。規制側の関心が発行体の準備金から、資金がどこへ流れるかへ広がってきています。
金融庁、信託型ステーブルコインの法定調書「提出不要」を要望
金融庁が令和9(2027)年度税制改正要望で、信託型ステーブルコインについて「信託に関する受益者別調書」の提出義務を一律で不要とするよう求めました。理由は、信託型ステーブルコインが「転々流通する決済手段」であり、「受託者が保有者の氏名や変更を逐一把握できない」ためです。
この要望は「金融イノベーションの推進」項目の唯一の内容で、外国発行の信託型ステーブルコインに関する別途の要望も含みます。代表例として、SBI新生信託銀行が発行する「JPYSC」が挙げられています。
送金できる金額の上限を動かす話ではなく、調書の提出そのものを免除するという事務手続きの要望です。つまり、制度上は流通できるのに書類の手間で止まっていた部分を外しにいく、ということです。
Telegram、自己管理型ウォレット「Gram Wallet」を提供開始
Telegram創業者のPavel Durovが8月31日、自身のTelegramチャンネルで自己管理型(ノンカストディアル)ウォレット「Gram Wallet」を発表しました。10億人を超えるユーザーに向けて、数週間かけて段階的に展開します。
スマートコントラクトはTONブロックチェーンのバリデーターによって承認済みで、今後のアップグレードでユーザー側の移行作業は不要です。Cointelegraphの報道によれば、Gram WalletはTelegramの設定画面に表示される標準ウォレットとなり、送金・決済・購入と「Telegram Collectibles」に対応します。
既存の「Wallet in Telegram」(The Open Platform/TOP運営)は「Walt」に改称し、標準の座は降りますが、Telegram内の検索から引き続き使え、Gram Walletとの連携も維持されます。つまり、標準の入口だけが自己管理型に差し替わるという整理です。
Hyperliquid、Kraken親会社Paywardと米国進出を協議
Bloombergの報道によれば、HyperliquidがKrakenの親会社Paywardと米国市場への進出を協議しています。CFTC登録済みのデリバティブ取引所Bitnomial(Payward傘下)を通じ、米国登録ユーザーへ無期限先物の一部を提供する案で、Paywardは取引構造の概要をCFTCに提案済みです。
Hyperliquid LabsはCFTCに登録していないため、現在は米国ユーザーのアクセスをブロックしています。Hyperliquidの日次取引高は40億ドルを超えます。8月にはトランプ大統領がホワイトハウスのイベントで米国展開への支持を表明しました。
ただし現時点では協議の段階で、合意には至っていません。要は、規制の外側で規模を作った取引所が、登録済みの器を借りて中に入る道を探っている、という話です。
BitGo、NYDIGの機関投資家向けトレーディング事業を買収
BitGo Holdingsが8月27日、NYDIGの機関投資家向けトレーディング事業の買収を完了しました。既存の規制対象カストディ・決済・ウォレット基盤に、デリバティブ機能を統合します。
NYDIGの従業員約30人がBitGoへ移ります。NYDIG側は電力発電、ビットコインマイニング、データセンター事業に集中する方針です。
つまり、両社が持ち場を交換した形です。金融サービスの機能はBitGoへ寄せ、NYDIGはエネルギーと計算資源の側へ軸足を移しています。
英財務省、イングランド銀行に決済革新の副次的責務を付与へ
英財務省が8月27日、イングランド銀行に「決済システムと新しいデジタルマネー技術のイノベーション支援」という副次的責務を新たに課す方針を発表しました。金融安定という一次目的に劣後する位置づけです。
実装はFinancial Services and Markets Billの修正で行い、貴族院(上院)での審議は9月7日と9日を予定しています。英財務省の金融担当閣僚ルーシー・リグビー氏、イングランド銀行の金融安定担当副総裁サラ・ブリーデン氏が関わっています。
ここがポイントで、「支援せよ」ではなく「金融安定を害さない範囲で支援せよ」という順序が条文の側に書き込まれます。中央銀行に推進役を持たせつつ、優先順位のほうは動かさない設計です。
第9巡回区、Kalshiのスポーツ契約は「スワップではない」と判断
米連邦第9巡回区控訴裁が現地8月28日、Kalshiのスポーツ関連契約は商品取引所法(CEA)上のスワップに当たらないと判断し、ネバダ州が同州のゲーミング法をKalshiに執行できるとしました。
合議体は、スーパーボウルが開催されるかどうかは「イベントの発生」だが、どのチームが勝つかは「イベントの結果」であり、CEAの定義上これが決定的な区別だとしています。Kalshi側の広い解釈は「何でもイベントと定義できてしまうため、歯止めとなる原理を欠く」と退けました。担当はRyan Nelson、Bridget Bade、Kenneth Leeの3裁判官で、Nelsonが法廷意見、Leeが同意意見を書いています。
第3巡回区は2026年4月に逆の判断を下しており、巡回区で判断が割れました。つまり予測市場が連邦の商品規制と州の賭博規制のどちらに属するのかが、地域によって違う状態になったということです。
BitwiseのSolana ETFが初めて$1Bを突破
Bitwiseのステーキングファンド「BSOL」が、Solana ETFとして初めて運用資産10億ドルを超えました。8月26日時点で$1.0175B(9,332,360.79 SOL)です。
Farside Investorsが追跡する6本のSolana商品への流入のうち、約79%をBSOLが獲得しています(累計純流入$1.0114B)。8月27日は6商品合計$56.1MのうちBSOL単独で$40.2Mでした。
BSOLは2025年10月28日にローンチし、資産の96%をステーキングに回して純ステーキング報酬率は5.80%です。要は、6本並んだSolana商品のうち、流入のほぼ8割が1本に集まっているということです。
CME、BTC・ETHを除く暗号資産インデックスをローンチ
CMEが現地8月31日、ビットコインとイーサリアムを除く暗号資産インデックス「CME CF Emerging Crypto Index」をローンチしました。対象はBNB、XRP、SOL、HYPE、LINK、Lumens、SUI、UNI、AVAX、AAVEの10銘柄です。
同じ10銘柄にBTCとETHを加えた「CME CF Crypto Market Index」も設定されました。いずれも浮動株調整時価総額加重で、6月と12月の年2回リバランス、リアルタイム値は毎秒算出されます。Emerging側はカストディの利用可能性、ミームコインの除外、TVLに基づくプロトコル利用のスクリーンを適用します。
Emerging側の算出方法には、ファンドでのパッシブ運用や派生商品の決済に使えるよう設計したと書かれています。つまり見どころは指数そのものより、これを裏付けにした商品が出てくるかどうかのほうです。
コインチェックグループ、仏DFNSと提携し機関投資家向けカストディを検討
Coincheck Group N.V.(NASDAQ: CNCK)が8月31日、ウォレットインフラ企業DFNSとの戦略的提携を発表しました。日本の金融機関向けに、機関投資家水準のデジタル資産カストディ基盤を構築するのが狙いです。
DFNSのWallet-as-a-Serviceは100を超えるチェーンに対応します。同社の説明によれば、400社超の金融機関・フィンテックに導入され、預かり資産は1,000億ドルを超えるとのことです。Coincheck Group CEOのPascal St-Jean氏、DFNS CEOのClarisse Hagège氏が名を連ねています。
ただし実施には規制対応と、両者の正式契約の締結が前提です。2026年5月のKDDIとの資本提携に続く動きで、要は国内金融機関向けの保管基盤を、自前で組むかわりに既製のインフラを取り込んで用意しにいく形です。
Visa、Upbit運営のDunamuと提携
VisaがUpbitを運営するドゥナムと提携し、ステーブルコインとAIを活用した金融・決済サービスを共同開発します。
OUSDを基盤とした決済・送金サービスと、AIエージェント関連インフラの開発を、段階的に検討していく内容です。
ドゥナムのオ・ギョンソクCEOは「AIとステーブルコインとトークン化は、金融と商取引の運営方法を変えることになる重要なトレンドだ」と述べています。つまり、カード決済網の側からステーブルコインの導線を取りにきているということです。
イーサリアム、アカウント抽象化のEIP-8141を次期「Hegotá」の実装候補に格上げ
イーサリアムのコア開発者が8月28日、実装案「EIP-8141(Frame Transactions)」を次期アップグレード「Hegotá」のSFI(Scheduled for Inclusion)に格上げしました。口座の認証・実行・手数料の支払いを柔軟にできるようになります。
決定は実行層コア開発者会議(ACDE)で下されましたが、仕様の確定は先で、対抗案のEIP-8130との統合も引き続き協議されます。
つまり、次のアップグレードに入れる方向が決まっただけで、中身のほうはまだ動くということです。
メタプラネット、4,800BTCをCoinbaseへ移動
メタプラネットが4,800BTC(約$377M相当)をCoinbaseへ移動させました。直近1週間の累計移動は10,270BTC・約$806.3Mです。
総保有は35,102BTC・約$2.75Bで、この1週間で動かした分はその29%超に相当します。
Cointelegraphは、同社に売却の意図があるかどうかについて決定的な証拠は見つからなかったとしており、取引所をカストディアンとして使っているという別の見方も併記しています。要は売却観測は出たものの、確証はないという段階です。
Strategy、約2か月ぶりにビットコイン購入を再開
Strategyが8月31日、4,603BTCを平均$80,318で取得したとSECへの8-Kで開示しました。追加購入は6月22日の520BTC以来です。
原資はClass A普通株のATM増資で、8月24日から30日に453万1,421株を売却し$602.8Mの純手取りを得ています。うちビットコイン購入は$369.7Mで、残りは優先株STRCの買戻し$151.8M、STRCの配当原資$50.7M、米ドルキャッシュ$30.0Mに配分されました。
これで総保有は845,050BTC、取得総額は$63.73B、平均取得単価は$75,412になりました。開示上のネットレバレッジは0.0%です。つまり、借り入れを増やさず株式で調達し、その6割ほどを積み増しに、残りを優先株まわりの資金繰りに回した形です。
Robinhood ChainのDEX出来高が過去最高の$875Mに
Robinhood Chainで8月30日、DEXの出来高が過去最高の$875Mに達しました。取引件数も552万件で最高を記録しています。
Wu Blockchainのデータでは、内訳はUniswap v4が$432M、v3が$357Mで、合計すると9割を超えます。
Robinhood ChainはRobinhoodがArbitrumの技術で構築したL2で、2026年7月1日にローンチし、トークン化株式のオンチェーン取引ができます。つまり、出来高の大半は持ち込まれた既存のDEXの上で回っていて、チェーン側は場所を提供している構図です。
HyperliquidとPump.funが過去最高$638Mのバイバックの約9割を占める
Financial Timesの報道によれば、2026年の年初来のトークンバイバック総額が過去最高の$638Mに達しました(2025年同期は$545M、2024年は$366,000)。元データはAllium Labsで、うちHyperliquidが約$370M、Pump.funが約$200Mを占めます。
Hyperliquidは収益の約99%をバイバックに充てており、第2四半期の収益$169Mのうち$141MをHYPEの買い戻しに投じました。Pump.funはネットプロトコル収益の約50%を充て、年換算収益は$420Mです。
年初来のリターンはHYPEが+145%、PUMPが+109%で、同じ期間のBTCは−10%、市場全体は−11.9%でした。つまり、収益をそのままトークンの買い戻しに回す設計が、いまのところ価格の側でも効いているということです。
Cronos、Tectonic攻撃の直前まで状態を巻き戻してチェーンを再開
Cronosのバリデーターが約10,961ブロック(およそ2時間分の取引)を破棄し、ブロック90,896,189へ状態を巻き戻してチェーンを再開しました。停止はブロック90,907,150(8月30日14:32:47 UTC)、再開は同日23:49:01 UTCです。
Tectonicへの攻撃をめぐっては、当初報の損失$74〜75Mに対し、調査者のMASTRが「重大な欠落がある(materially incomplete)」として総流出は約$119.5Mだと主張しています。巻き戻しの前に$6.29M相当のETHがEthereumへブリッジされ、752件の清算でTectonic利用者から約$8.71Mが失われました。Crypto.comのKris Marszalek CEOは日曜に同社アプリと取引所は影響を受けていないと述べて以降、投稿していません。
CronosのTVLは24時間で13.4%減の$228.75Mになり、うち$184MをVVS Financeが占めます。ここがポイントで、選ばれた対応は個別の修正ではありませんでした。チェーンを止め、状態そのものを巻き戻しています。
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