おはようございます。8/27(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
JPモルガンなど米銀、ステーブルコイン反対から発行検討へ転換か=報道
米大手銀行各行が、独自のステーブルコイン発行に慎重だった姿勢を転じ、発行の是非を検討し始めていることが、26日付のウォール・ストリート・ジャーナルの報道で明らかになりました。銀行業界はこれまで、暗号資産企業が預金に似た商品を提供する動きに対抗してロビー活動を展開し、その代替としてトークン化預金の共同構築を進めてきた経緯があります。
流れを変えたのは非銀行側の参入です。ビザ、ブラックロック、グーグル、ドアダッシュといった企業が、テザーとサークルが主導してきた市場に入り始めたことで、一部の銀行幹部が自社事業を侵食されかねないと考え始めた、というのがWSJの取材内容です。JPモルガン・チェースの広報担当者は「ステーブルコインの発行計画は現時点でないが、顧客需要や規制環境の進展を踏まえ、今後あらゆる選択肢を検討する」との声明を出しています。
さらにバンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、サンタンデールなど十数の金融機関が、法人向けを主対象とする世界規模のステーブルコイン構想を進めているとも報じられました。米ドルを軸にユーロやG7通貨へ順次対応する計画とされています。つまり銀行側の路線は「トークン化預金一本」から「両にらみ」へ動きつつある、ということです。
ダラス連銀が警告、トークン化預金は銀行にとって諸刃の剣か 預金の安定性を揺るがすリスクも
その銀行側の本命であるトークン化預金について、米ダラス連邦準備銀行が25日に慎重な分析を公表しました。エコノミストのロージー・レヴィ氏とスリニ・ラマスワミ氏は、普及が進むと預金金利が市場金利に敏感になり、預金の保有期間が短くなることで、銀行にとっての預金の安定性が下がる恐れがあると論じています。
銀行は比較的動きにくい「粘着性」の高い預金を原資に、融資などの長期資産を持ってきました。ところが預金がトークン化されて移動が容易になれば、より高い金利を求めて流出しやすくなります。AIエージェントとスマートコントラクトが組み合わされば、預金者が自分で操作しなくても資金が自動で動くことすら理論上は可能になる、という指摘もあります。
試算も具体的です。預金の加重平均残存期間が10%短くなると、銀行が長期の金利リスクを引き受ける余力は約5,800億ドル縮小し、預金金利の市場金利への感応度が10%高まると、その容量は10年物相当で約7,000億ドル縮小しうるとしています。ここがポイントで、トークン化預金は銀行の「守り」の切り札のはずが、守るべき土台のほうを崩しかねない。ブラジルのPixで信用仲介が縮小した先例が引かれているのも、そのためです。
コインチェック、電子決済手段等取引業登録完了 国内2社目
コインチェック株式会社が27日、ステーブルコインの取扱いに必要な電子決済手段等取引業の登録を完了したと発表しました。登録番号は関東財務局長第00002号で、国内では2社目の登録になります。
先行する第00001号は令和7年3月4日に登録されたSBI VCトレードで、USDCやRLUSDなどの取扱いを届け出ています。コインチェックはこれに続く形で、米サークル社との提携を経てUSDCの取扱いへ展開していく見通しです。
見どころは、国内でステーブルコインを扱える事業者がようやく2社になったという事実そのものです。制度は2023年の改正資金決済法で先に整っていたのに、実際に登録まで到達する事業者は3年半で2社しかいません。この日は大阪府のJPYC・USDC決済実証への交付決定も出ており、制度と実需の両方がじわじわ動き始めた1日でした。
その他のニュース
SEC sends crypto custody rule overhaul to White House for review
米証券取引委員会が、投資顧問業法と投資会社法のカストディ規則の改定案を、ホワイトハウスの行政管理予算局へ8月25日付で提出したことが分かりました。投資顧問会社や投資会社が顧客のデジタル資産をどう保管すれば連邦証券法に適合するのかを明確にする内容です。
今後はOMBが修正を求める可能性があり、そのうえでSECがパブリックコメントに付すかを採決します。Cointelegraphは、2025年に就任したポール・アトキンス委員長のもとで「執行による規制」から正式なルール策定へ舵を切った流れの延長にあると位置づけています。
つまり、暗号資産のカストディをめぐる曖昧さが、訴訟ではなく条文で片付く方向に動き始めたということです。ただし審査と採決が残っているので、施行はまだ先の話です。
Better launches Bitcoin-backed mortgages powered by Coinbase
米BetterがCoinbaseと組み、ビットコインを売らずに頭金の担保に使える住宅ローンを一般提供に切り替えました。ファニーメイが裏付ける住宅ローンと、BTCを担保にした頭金ローンを組み合わせる設計で、2本の金利・返済期間・毎月の支払額は揃えられます。
借り手は頭金ローン額の250%以上に相当するBTCをBetterのCoinbase Prime上の管理口座へ預けます。BTCが下落しただけでは追証もローン条件の変更も起きませんが、返済が60日延滞するとBetterは担保のBTCを清算できます。Coinbase Oneの会員には諸費用に充てられる1%(上限1万ドル)のリベートが付きます。
3月に早期アクセスで始まったものが8月26日に一般提供になった形です。要は、BTCを「売る」のではなく「置いたまま与信に変える」商品が、住宅ローンという最も保守的な領域まで来たということです。
Chainalysis estimates $457B in taxable crypto activity, says CARF misses most
Chainalysisが、2025年に世界で課税対象になりうるオンチェーンの活動を4,570億ドルと推計しました。主要6チェーンの実現益、マイニング・ステーキング・レンディングによる所得、暗号資産建ての支払いが対象で、中央集権取引所での取引は含みません。地域別では米国が1,126億ドル、北米全体で1,346億ドル、EUが1,251億ドルです。
一方、OECDが2022年に整備した暗号資産報告枠組み(CARF)は、2026年1月1日から英国やEUを含む48法域でデータ収集が始まっていますが、捕捉できているのは特定された課税対象活動の14%にとどまるとされます。残る86%はDEXの取引、個人間の送金、オンチェーンの所得や支払いです。
CARFが取引を仲介する事業者を対象にしている以上、中央の運営者がいないDeFiの多くは枠の外に残ります。つまり報告制度は動き出したものの、見えているのは全体の1割強だ、という話です。
Galaxy Opens Retail Crypto-Backed Credit Lines on Bitcoin, Ethereum and Solana
Galaxyが8月25日、GalaxyOne上で米国のリテール顧客向けに暗号資産担保のクレジットライン「Crypto Portfolio Line of Credit」を開始しました。変動金利は年8.99%、担保掛目は50%で、10万ドル分の資産に対して約5万ドルを借りられます。組成手数料はかかりません。
対象資産はビットコイン、イーサリアム、ソラナで、ステーキング済みのSOLはアンステークせずに報酬を得たまま担保に使えます。預けた担保は再担保に回されず、Galaxyが自社の規制対象プラットフォーム上で保持します。提供は40州で、カリフォルニアやネバダなど9州は対象外です。
GalaxyOneのマネージングディレクターZac Prince氏は、機関向けインフラを活用することで競争力のある金利と安全性、柔軟性を提供できると述べています。ここがポイントで、再担保しないと明言している点が、2022年に破綻した同種サービスとの分かれ目になります。
Aave Opens iOS Early Access, Keeps Android and Web Waitlisted
Aaveが、モバイルの貯蓄アプリをiOS向けに早期アクセスとして開放しました。銀行口座やデビットカードから入金し、レンディングプールで利回りを得て引き出す、という消費者向け金融プロダクトとしての設計です。ウォレットは自己管理型の組み込み式で、秘密鍵は端末側に保存されます。
参加は招待か「Ghost Pass」経由で、創業者のStani Kulechov氏が友人を待機列から引き上げられる仕組みを用意しています。2024年7月時点の待機列にはiOSで約5万人が登録していました。Android版とウェブ版は待機列のまま、時期は示されていません。
資産のスワップや外国為替、カード手数料といった機能は2026年中の追加予定で、まだ構築も認可も済んでいません。つまり現時点のこれは「DeFiのアプリ」というより、利回りの出る貯蓄口座の見た目をした入口だ、ということです。
大阪府、金融実証4事業に交付決定 3件はJPYC・USDC決済
大阪府が2026年8月26日、「令和8年度大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」の交付対象を発表しました。応募12件のうち4事業を採択し、交付決定額は総額2,889万円です。
採択された4事業のうち3事業が、円建てのJPYCまたは米ドル建てのUSDCを使った決済実証です。三井住友カードが決済端末での実証に参画するほか、Mi&Tは大阪公立大学周辺の実店舗でJPYC決済を検証します。
つまり自治体の補助金という、いちばん地味な経路からステーブルコインの実店舗決済が広がり始めているということです。金額は小さいですが、実店舗での検証データが出てくる意味は小さくありません。
量子耐性ビットコイン取引、メインネットで初承認
量子耐性ビットコイン(QSB)方式のトランザクションが26日、ビットコインのメインネットで初めてマイニングされました。考案したのはスタークウェアでアプリケーション部門のゼネラルマネージャーを務めるアビフ・レヴィ氏、実装を仕上げたのは同社エンジニアのトメル・ギラディ氏で、既存のコンセンサスルールは変更されていません。
QSBは、楕円曲線ではなくハッシュ関数を使う第二のロックを既存の署名に足し、秘密鍵を使わずに有効な署名を作る「署名グラインディング」という手法で、量子コンピューターによる秘密鍵の導出に備えます。取引は非標準形式のため通常のメンプールを通れず、マラ・ホールディングス傘下の「マラ・スリップストリーム」が直接の経路を提供しました。
ただしこれはビットコイン自体を量子耐性化する仕組みではなく、特定の構成が動いた一例にとどまります。送金前に公開鍵がすでに公開されているアドレスも対象外です。要は「できることの証明」であって、移行の始まりではありません。
enish、ソラナ購入決定 第一弾で1億円購入上限
東証上場のenishが26日、取締役会でソラナの購入を決議したと発表しました。アクティブ・トレジャリー事業の推進を目的に、1億円を上限としてSOLを購入します。購入時期は決議日から1カ月以内で、数量と単価は市場価格に応じて変動します。
同社は4月27日付の第三者割当などで調達する資金のうち640百万円をSOL購入費用に充てる方針を公表しており、今回はその第一弾にあたります。購入と保管はSBI VCトレードとコインチェックの2社を通じて行います。
6月3日にSolanaを使ったアクティブ・トレジャリー事業の方針を、6月9日にSOLプラネットとの協議開始を公表しており、今回はその延長です。つまり国内の暗号資産トレジャリーは、BTCとETHに続いてSOLへ広がり始めたということです。
DeFiデベロップメント、ソラナのデータプラットフォーム「State of Solana」をローンチ
ソラナの財務企業DeFi Development Corp.が26日、データとリサーチのプラットフォーム「State of Solana」を公開しました。投資家や開発者がSolanaの状態と成長をリアルタイムに追える設計です。
掲載されるのはSOLの価格やリターンだけでなく、日次と年初来のネットワークデータ、他の主要チェーンとの比較、プラットフォーム別の利回り、ステーキングとネットワークの経済データ、バリデータと分散性の指標、アップグレードの状況などです。
要は、トレジャリー企業が自社の保有理由を説明するために公共財を出してきた、という形です。価格以外の指標で語らせたいという意図は、そのまま同社の株主向けの説明にもなっています。
米CFTC、仮想通貨ATM注意喚起
米商品先物取引委員会が27日、公式Xで暗号資産ATMの利用に注意を呼びかけました。現金を入れると暗号資産に変換され、送金が即座かつ不可逆になる点、身元を隠した取引に悪用されやすい点を挙げています。
背景には被害の急増があります。FBIによると2025年の暗号資産ATM関連の苦情は1万3,400件超、被害額は3億8,800万ドルで、前年比では苦情件数が23%、被害額が58%増えました。苦情の半数以上は50歳以上からで、この年齢層の被害額は3億200万ドルに上ります。
州の規制も進んでいます。インディアナ州が2026年3月に全米初の全面禁止法に署名し、テネシー州とミネソタ州が追随、デラウェア州でも6月に下院委員会が全面禁止法案を可決して上院へ送りました。つまり注意喚起の段階を越えて、設置そのものを止める方向に動いています。
ブラックロック幹部、米財政懸念でビットコイン強気論
ブラックロックでデジタル資産部門を率いるロビー・ミッチニック氏が26日までにCNBCの取材に応じ、米国の財政赤字と債務水準への懸念の高まりが、ビットコインや金といった代替の価値保存手段への需要を押し上げていると述べました。
同氏は「債務・赤字は市場の懸念材料」と指摘し、財政懸念が話題になると「ビットコインや金のような資産」に恩恵が及ぶ傾向があるとしています。スタンレー・ドラッケンミラー氏やレイ・ダリオ氏の警告も、同じ方向の論調として引かれています。
ここがポイントで、強気の理由が暗号資産の内側ではなく国債の側にあります。買う理由が外部要因である以上、財政をめぐる空気が変われば同じ速さで剥がれる、という裏返しでもあります。
ビットコイン相場、中立圏に回復 買い集め広がる=グラスノード
グラスノードが26日の週間レポートで、相場が回復して中立圏に戻ったと分析しました。ビットコインは記録的なショートの強制決済をきっかけに8月中旬の安値から26%上昇し、回復局面の抵抗水準は8万1,000〜8万6,000ドルだとしています。
起点は8月19日の大規模なショート清算で、この期間に米国のビットコイン現物ETFへ1週間で22億3,000万ドルが流入し、上昇を下支えしました。「30日間蓄積トレンドスコア」は6つのウォレット規模別グループすべてで中立ライン0.5以上を8月5日から20日間維持しており、2024年後半の22日間に次ぐ長さです。
市場サイクルの総合指標も7カ月ぶりに「クール」を抜けて中立の境界である40まで戻りました。グラスノードは、いずれかのグループのスコアが0.5を下回れば買いの勢いが縮小する最初の警告になるとしています。
Bitcoin Wallets Dormant for Over a Decade Move $40M in One Week
10年以上動いていなかったビットコインのウォレット6つが、8月16日から26日にかけて合計553.59BTC(4,015万ドル相当)を移動させました。追跡したのはGalaxy Researchです。内訳は2011年から2つ、2012年から2つ、2014年から2つが休眠状態でした。
最も古いコインの取得時の価格は1BTCあたり10〜14ドル程度で、リターンは80万%を超えます。1件はドイツのカストディ銀行Boerse Stuttgart Digitalへ、4件は不明の宛先へ移りました。2つのウォレットには、休眠中の39,069アドレスを放棄財産として請求するニューヨークの訴訟の原告に関連するタグが付いていました。
アナリストは、この訴訟が休眠アドレスへ「ダスト」通知を送っていること、あるいは7月末のColdcardの脆弱性を受けた警戒感が理由ではないかと見ています。つまり値上がりによる利益確定というより、法的リスクと保管リスクへの反応として動いた可能性が高いということです。
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