【8/5(水)~8/6(木)News Report】Circle「Arc」が9/16始動、Visa・Mastercard・BlackRockらがバリデーターに / 金融庁と警察庁が出庫制限など11項目を要請 / Bitcoin開発者のAI監査でクリティカル85件など
主要ニュースまとめ
おはようございます。
8/5(水)~8/6(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
Circle、Arcを9/16にローンチ。Visa・Mastercard・BlackRock・DTCC・ICE・SBI・住友商事ら11社がバリデーターに
Circleが、USDC建てで動くL1「Arc」を9月16日にローンチすると発表しました。創設バリデーターは11社で、BlackRock、DTCC、Galaxy、Global Payments、ICE、Mastercard、MoneyGram、SBIグループ、Standard Chartered、住友商事、Visaが名を連ね、Circle自身も加わります。BlackRockはトークン化MMFの「BUIDL」をArc上に展開する計画で、初日からAave・Morpho・Uniswapが稼働し、Binance Wallet・Kraken・Ledger・MetaMaskがアクセスを提供します。手数料はUSDCで支払う設計です。
テストネットは約300万ウォレット・5億件超のトランザクションを処理済み。同時に開示されたQ2決算は、総収益・準備金収入$701M(前年同期比7%増)、純利益$48M(前年同期は$482Mの赤字)、USDC流通量$733億(19%増)、オンチェーン取引高$14.8T(151%増)でした。Circle National TrustはOCCの最終認可も取得しています。一方でCircle自身の注記には、Arcは「許可制のバリデーターセットによって運用される」こと、ニューヨーク州金融サービス局をはじめどの規制当局の審査も受けていないことが明記されています。
要は、DTCCやICEといった既存市場のインフラ屋が、パブリックチェーンのバリデーターとして名前を出したということです。ステーブルコインの発行体が自前のチェーンを持つ流れは各社が追っていますが、ここまで顔ぶれが揃った例は初めてです。ただし現時点では許可制で、分散性はこれからの話になります。
金融庁と警察庁、暗号資産交換業者に出庫制限の強化など11項目を要請
金融庁と警察庁が、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)に対し、出庫先の事前登録制や取引モニタリングの強化など、合わせて11項目の対応を新たに要請しました。SNS経由の投資詐欺・ロマンス詐欺の資金が交換業者の口座に流れ込む事例が続いていることが背景です。
具体的には、本人確認書類の真正性を確認する体制の構築、法定通貨の入金後または暗号資産の購入後に一定期間の出庫を制限すること、出庫先を事前に登録させて詐欺との関連を確認すること、出庫限度額を慎重に設定し引き上げ時は厳格に扱うこと、疑わしい取引への迅速な対応などが並びます。対象は事業規模を問わず全交換業者です。なお金融庁は8月7日の組織再編で「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設します。
ここがポイントで、詐欺対策の重心が「入口のKYC」から「出口の送金」へ移りつつあります。事前登録した宛先にしか出せない運用が標準化すれば、利便性とのトレードオフは避けられません。専任課の新設と同じタイミングで来ている点も含めて、日本の規制運用が一段ギアを上げた形です。
Bitcoin開発者16人のAI監査で390プロジェクトから4,962件、うちクリティカル85件
有志のBitcoin開発者16人が、AIモデルを使った一斉監査を実施し、24時間強で390プロジェクトから4,962件の脆弱性を検出しました。内訳はクリティカル85件、高深刻度635件。対象はウォレット、暗号ライブラリ、インフラ系コンポーネントに及びます。旗を振ったのはCashuの開発者Calle氏と、自動化まわりを組んだRob Hamilton氏らです。
開発者1人あたり平均で1時間に約1件のクリティカルバグを発見し、1日あたりの計算コストは$10,000程度だったとされています。Calle氏は「状況は極めて悪い」とコメントする一方、多くのプロジェクト側はローカル環境のPoCで指摘を素早く検証してから公開に至ったと述べています。過去にはAnthropicのモデルが$50未満で27年間見つかっていなかったバグを掘り当てた例もありました。
つまり、脆弱性発見のコストが桁で下がったということです。守る側が先に回せたのは今回良かった点ですが、同じ道具は攻撃側にも開かれています。監査を回していないOSSプロジェクトほど、相対的に危険度が上がったと考えるのが自然です。
その他のニュース
ローソンでJPYC決済、国内初のコンビニPOS連携実証
HashPort・KDDI・ローソンの3社が8月6日、ローソン高輪ゲートウェイシティ店で円建てステーブルコイン「JPYC」による店頭決済の実証を実施しました。
チェーンはPolygon、顧客側はノンカストディアルの「HashPort Wallet」、店舗側は「HashPort Wallet for Biz」を使い、ガス代が発生しないガスレス構成です。レシートの支払方法欄には「ステーブルコイン」と印字されました。
決済自体は2〜3秒で完了した一方、バーコード提示とウォレット側の承認で2アクション必要でした。ここが磨かれるかどうかが実用化の分かれ目になりそうです。
Visa、Zerohash採用でVisa Directのステーブルコイン対応へ
Visaが8月5日、Zerohashとの提携を発表し、Visa Directの利用企業がステーブルコインでのプレファンディングとペイアウトを行えるようにします。
Visa Directは195以上の国・地域、180億超のエンドポイントに接続しており、そこにステーブルコインの決済レールを差し込む形です。Zerohash CEOのEdward Woodford氏は、ネットワーク層での採用が世界的な普及を加速させると述べています。
MastercardもUSDC・PYUSD・USDG・USDP・RLUSD・SoFi USDへの対応を6月に打ち出しており、カード大手2社の競争軸が「対応通貨」から「送金レールへの組み込み」に移ってきました。
Ethereum、ステーキング報酬を段階的に焼く「EIP-8363」案で論争
Ethereum FoundationのJustin Drake氏らが関わるドラフト提案「EIP-8363(Tapered Issuance Burn)」が公開されました。ステーク量が6,025万ETHに近づくにつれてコンセンサス報酬の焼却比率を上げ、18か月かけて最終的に100%控除に到達させる設計です。
提案者のJérôme de Tychey氏は、際限のない発行が「ステークしなければ希薄化される」という税になっていると主張します。一方でEther.FiのMike Silagadze CEOは補助のないソロステーカーが締め出されると反論し、AaveのStani Kulechov氏は機関投資家のETH需要を削ぐと指摘しました。
まだ初期ドラフトで採用予定はありませんが、The Defiantによればコア開発者は木曜に、次期アップグレードHegotáの検討対象に含めるかを判断します。発行量とステーキング比率の設計をめぐる議論が、一気に実務日程に乗ってきた点が見どころです。
Binance、決済企業RedotPayの共同創業者3名を提訴
Binanceの子会社群が、RedotPayの共同創業者3名を契約違反と無断勧誘の疑いで提訴しました。請求額は$470Mとされています。
主張の核は、Binanceの取引所ユーザーを不当に引き抜いたという点です。決済系スタートアップと取引所の顧客基盤が重なりつつあることを示す訴訟でもあります。
つまり、暗号資産決済の獲得競争が法廷に持ち込まれる段階に来たということです。
Coinbase、英国ユーザー向けに米国株取引を提供開始
Coinbaseが英国の個人ユーザーに米国株の取引機能を開放しました。暗号資産と株式を同一アプリで扱う方向を、米国外でも進めています。
同社は米国で株式・予測市場へと商品ラインを広げてきましたが、英国はFCA管轄で規制要件が異なるため、海外展開の試金石になります。
要は、取引所というより総合ブローカーに寄せていく戦略が国境を越え始めたということです。
マネックスG、「マネックス・オンチェーン金融研究所」を創設
マネックスグループが8月5日、オンチェーン金融の研究と社会実装を推進する組織として同研究所を設立しました。研究所長には松嶋真倫氏が就任します。
研究テーマはオンチェーン金融インフラ、トークン化資産とRWAの組成・流通、ステーブルコインの活用で、金融機関やスタートアップの事業化支援も担います。
背景には「経済財政運営と改革の基本方針2026」への「オンチェーン金融の推進」明記があります。政策文書の一文が、事業会社側の組織づくりに落ちてきた形です。
World Chain、8/17にブロック並列検証を有効化
Ethereum L2のWorld Chainが、2026年8月17日に「Full Block Access Lists(BAL)」を有効化し、ブロック検証の並列化に踏み切ります。
BALはブロック内でアクセスされたアカウント・ストレージ位置に加え、残高変更やnonce、コントラクトコードの変更まで記録します。検証ノードは事前に各トランザクションの状態要件を把握でき、複数CPUコアで並列検証できるようになります。
目標は、バリデーターのハード要件を上げずに約1ギガガス/秒のスループット。200ミリ秒ごとに配信するFlashblocksと組み合わせ、ブロック完成前から検証を始める設計です。
Strategy、STRCが30%反発。$4Bの現金と$975Mの買い戻し枠が下支え
先週BTC売却に踏み切ったStrategyの優先株STRCが30%反発しました。約$4Bの現金積み上げと$975Mの買い戻しプログラムが支えになっています。
BTC価格の落ち着きも重なり、優先株の配当支払い能力への懸念がいったん後退した格好です。
ここがポイントで、BTCを売って現金と自社証券を買い戻す動きが、株式側では素直に評価されました。トレジャリー企業の評価軸が「保有量」から「配当を払い切れるか」に移ってきています。
Galaxy Digital、Q2は純損失。データセンター電力パイプラインは5.7GW超へ
Galaxy DigitalがQ2決算を発表し、純損失は日本円で約134億円。株価は決算後に5%下落しました。
一方でHeliosを中心としたデータセンター事業が立ち上がり、電力パイプラインは5.7GW超に拡大しています。四半期あたり約$80Mの収益見通しも示されました。
つまり、トレーディング会社としての損益より、AI向け電力インフラ屋への転換が進んでいるかが見られる決算になってきたということです。
TeraWulf、Q2はHPCリース収益が売上の71%に
TeraWulfのQ2決算で、HPCリース収益が総売上の71%を占めました。マイニング企業からAIインフラ企業への軸足移動が数字として表れています。
同社はAnthropic向けのデータセンター案件でも名前が挙がっており、Google保証のもとで開発を進める枠組みに組み込まれています。
要は、上場マイナーの決算がハッシュレートではなく契約済み電力とリース期間で読まれる時代になったということです。
米上院、クラリティー法案のクローチャー申請見送りが続く
米上院がDigital Asset Market Clarity Actの討論終結(クローチャー)申請を見送り続けていると報じられました。倫理規定をめぐる意見対立が主因とされます。
Thune院内総務が申請を見送ったことを受け、予測市場でも織り込みが後ろ倒しになりました。The Defiantによると、Kalshiの9月1日成立コントラクトは2セントまで下げ、2028年1月1日より前の成立に賭ける価格が上がっています。
これが意味するのは、市場構造法制の決着が年内どころか来年に持ち越される可能性が現実味を帯びてきたということです。
ElizaOS、創業者が「死んだ」と宣言し財団を閉鎖
AIエージェント系プロジェクトElizaOSの創業者が、訴訟の和解を経てトークンは「死んだ」と宣言し、財団の閉鎖を表明しました。トークンは19%下げて過去最安値を更新しています。
2024年末からのAIエージェント×トークンのブームを象徴した銘柄のひとつで、プロダクトとトークンの接続に最後まで折り合いがつきませんでした。
ここがポイントで、エージェント自体が消えたのではなく、トークンで資金調達する形式のほうが先に力尽きた、という順序です。
Robinhood ChainのTVLが$774M、CashCatは週間120%高
Robinhood ChainのTVLが$774Mに到達しました。一方でチェーンの看板ミームコインCashCatが1週間で120%上昇し、時価総額は$86Mまで戻しています。
ただしトークン化資産の残高は$27.6Mにとどまり、TVLの大半はミームとステーブルコインが占めている構図です。
つまり、証券会社発のチェーンでも、最初に人が集まるのはトークン化株式ではなくミームだったということです。
CryptoRank、歴代トップ100銘柄の71.9%が事実上消滅
CryptoRankの分析で、これまでに時価総額トップ100に入ったことのある1,539銘柄のうち71.9%が事実上消滅していることが分かりました。
上位に入った実績があっても、大半は流動性やコミュニティを維持できずに姿を消しています。サイクルごとの入れ替わりの激しさを裏づける数字です。
要は、「トップ100入り」はサバイバルの保証にならないということです。
Glassnode、週間で6.58万BTCの流出。売り枯れ指標は接近
Glassnodeの週次レポートによると、米国のビットコインETFと企業保有分から週間で6.58万BTCが流出しました。
一方で複数の指標が売り圧の減衰局面に近づいていることを示しており、CryptoQuantも弱気相場の最終段階に典型的な特徴が出ていると指摘しています。
つまり、機関の資金は引いているのに、売り手の在庫も細ってきているという、方向感の出にくい状態が続いています。
Uniswap、Robinhood Chain上にミームコインlaunchpad「pools.trade」を投入。先頭は6日前にミントされた$FRONG
Uniswap Labsが8月5日17時過ぎ(ET)に、Robinhood Chain上のミームコインlaunchpad「pools.trade」を公開しました。自ら設定したカウントダウンから4時間39分遅れての開始です。
最上位はカエルのミーム「FRONG」でFDV $12.1M。ただしこのトークンは公開の6日前、7月30日に同じコントラクト群でミント済みでした。Uniswapは「Poolsを作ったのは自社」としつつ、掲載トークンは「独自に検証していない」と全て免責しています。
launchpad手数料はゼロで、v4プールの0.25%手数料が引き出せない形で複利運用される設計です。他社の約1%と比べた安さを打ち出しています。ここがポイントで、DEX最大手が「ミーム発行の入口」を自ら押さえに来ました。
Mastercard、Crypto CredentialをクロスボーダーのステーブルコインへBorderless.xyzと共同パイロット
MastercardとBorderless.xyzが8月5日、デジタル資産取引の検証システム「Mastercard Crypto Credential」をクロスボーダーのステーブルコイン決済に適用するパイロットを開始しました。初期参加はInfinia、Walapay、Koyweの3社です。
狙いは、取引先が増えるたびにコンプライアンス確認をやり直す構造の解消です。発行時に一度行った検証を下流が信頼して使う「単一監査」モデルで、Borderless.xyzのCEOは「対応銀行制度が数十年前に解いた問題を、Mastercardがデジタル資産に持ち込んでいる」と述べています。
サンドボックスではなく実取引で始まり、終了時期は未定。Mastercardは3月に最大$1.8BでBVNK買収に合意しており、G5通貨は買収で、新興国は現地事業者との連携で埋める構図が見えてきました。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中に Dapps、NFT、トークン、AIサービス等を紹介することがありますが、勧誘では一切ありません。全て自己責任でご判断・ご利用ください。
About us:DEBUNK(Crypto&AI)は “For learning, not for hype.” をコンセプトに、Crypto・AI 領域の注目トレンド・プロジェクト解説・最新ニュースをまとめた Agentic Web Research を毎日配信しています。
Author:mitsui (@mitsuiio) — DEBUNK(Crypto&AI)founder。Crypto・AI 領域のリサーチャーとして活動。
Contact:法人向けのリサーチコンテンツの納品や共同制作、リサーチ力を武器にした Crypto・AI コンサルティング・勉強会なども受付中です。詳しくは以下の窓口よりお気軽にお問い合わせください。
🐦 X: @debunkrsch
🌐 HP: debunkresearch.com



