【7/31(金)~8/4(火)News Report】Coldcard流出が$100M超へ拡大 / Strategyが1,638BTCを売却 / BoltzがAI支援型攻撃でスワップ無期限停止など
主要ニュースまとめ
おはようございます。 7/31(金)~8/4(火)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
Coldcardからの流出が$100M超へ拡大、確認済み3波で1,596BTC
先週の時点では$70M・1,082BTCとされていたColdcardからの流出が、8/4のGalaxy集計で3波・1,596BTC・約7,300アドレス、$100M超まで膨らみました。疑いのある4波目を含めると2,055BTC、およそ$130Mです。DecryptとThe Defiantは$114M近く、あたらしい経済が伝えたGalaxy推計は約1,756BTCで、集計の時点によって数字が動いています。
製造元のCoinkiteはシード(秘密鍵のもとになる乱数)生成の脆弱性を認め、資金の移行を呼びかけました。盗まれたBTCの90%は未移動で、攻撃者・被害者のアドレスは米連邦捜査当局や取引所、調査会社と共有済みです。Galaxyには73人の被害者が接触しています。
ネットにつながないエアギャップ運用という自己保管の最終防衛線が、デバイスに触れられないまま破られた形です。数日で被害額が1.4倍になり、しかもまだ止まっていません。
Strategyが1,638BTCを売却、優先株の配当とSTRC買い戻しへ
Strategyが7/27〜8/2に1,638BTCを平均$63,957、総額$104.73Mで売却したと開示しました。用途は$52.4Mが優先株の配当、$52.3MがSTRCの買い戻しです。加えてMSTR普通株の売却分$28.9Mも買い戻しに充てます。8/2時点の保有は842,138BTC、USD準備は$4.0Bです。
6月29日に導入した「BTC Monetization Program」の想定用途と資金使途が一致しており、資金調達手段が尽きた末の売却ではないとみられます。実際、同じ期間にMSTR普通株を売って$290.6Mを調達しています。先週までに出ていたのは「Q2に$8.2Bの損失」「5週連続で購入停止」までで、実際に売ったことが数字で確定したのは今回です。
最大のDAT(デジタル資産トレジャリー)が、買う会社から配当と自社株買いのために売る会社へ運用を切り替えました。ほぼ同じタイミングでTrump Mediaも2,628BTCを手放しており、トレジャリー企業のアンワインドが同時多発しています。
BoltzがBitcoinスワップを無期限停止、理由は「AI支援型の攻撃」
BitcoinメインネットとLightning / Liquidを非カストディアルにつなぐブリッジのBoltzが、スワップを無期限で停止しました。年初来増えていた「AI支援の自動プロービング(機械的な脆弱性の探索)」が直近数日で急加速し、修正が攻撃の速度に追いつかなくなったためです。ユーザー資金の毀損はゼロで、ここは非カストディアル設計が効きました。
チームは「攻撃者はいまや、我々の規模のチームが見つけて直せるより速く反復してくる」「この非対称性が反転するとは思えない」と述べ、オープンソースのスタックで動くBitcoinサービスにとっての大きなパラダイム転換だと表現しています。
ハッキングされたから止めたのではなく、攻撃側の反復速度に開発側が構造的に勝てないから止めた、という判断です。Coldcardの欠陥もCoinkiteは「AIが見つけたのだろう」と見ており、同じ軸の話が並んで出てきました。
その他のニュース
Mastercard、$1.8BのBVNK買収を完了
Mastercardが3月に最大$1.8B(うち$300Mは条件付き支払い)で合意していたBVNKの買収をクローズしました。BVNKは法定通貨とデジタル通貨をつなぐオンチェーン基盤を手がける企業です。
BVNKは2025年11月にCoinbaseとの$2Bの取引が破談になった相手でもあります。カードネットワーク側が、ステーブルコイン決済の土台を内製ではなく買収で取りにいった格好です。
要は、ステーブルコイン決済の入口を誰が押さえるかという競争が、買収の値付けというかたちで表に出てきたということです。
BlackRock、GENIUS法準拠のステーブルコイン準備資産向けトークン化MMFを投入
BlackRockがトークン化MMF(マネー・マーケット・ファンド)を2本立ち上げました。BSTBL(BlackRock Select Treasury Based Liquidity Fund OnChain Shares)とBRSRV(BlackRock Daily Reinvestment Stablecoin Reserve Vehicle)です。
いずれもGENIUS法の下で米ペイメントステーブルコイン発行体の適格準備資産になるよう組成されています。同社のBUIDLは$2.6B超で、依然として最大のトークン化国債ファンドです。
つまり、ステーブルコインの裏づけ資産そのものをトークンで持つ選択肢を、最大手の運用会社が先に用意しにきたということです。
Hashdex、現物ビットコインETF「DEFI」を今月清算
Hashdexが現物ビットコインETF「DEFI」を今月清算します。225BTCを売却して投資家に払い戻す予定で、最終取引日は8/17、清算金の支払いは8/28ごろの見込みです。
純資産は一度も$18Mを超えたことがなく、サイト上の数値は$14.25M。2022年に先物型ETFとして始まり、2024年3月に現物型へ転換した後発の商品でした。
要は、同じ現物ビットコインを持つ商品でも、純資産を集められなかったものから先に畳まれ始めた、ということです。
Bitget、日本居住者向けサービスを終了
Bitgetが日本居住者向けサービスを終了します。新規登録はすでに停止済みで、11/1から日本居住者とみなされる口座が「決済専用(Close-Only)」モードに移り、12/31に未決済ポジションを強制決済します。日本非居住の利用者は11/1までにLevel 2の本人確認を終えれば対象外にできます。
金融庁は2023年3月と2024年11月、関東財務局は2025年6月にBitget側へ無登録営業の警告を出しています。今回の発表でこれらとの直接の関係は説明されていません。
つまり日本市場は、登録するか出ていくかの二択がはっきりしてきたということです。
Robinhood UK、英FCAの暗号資産事業者登録を取得
Robinhood UKが7/31、英FCAの暗号資産事業者登録を取得しました。英国の新しい規制レジームが始まる前のタイミングでの取得です。
英国では2027年10月25日から包括規制が始まり、認可申請の受付は2026年9月30日〜2027年2月28日です。今回の登録は資金洗浄対策の枠組みで、新制度の認可はこれとは別に取り直す必要があります。
要は、いま取れる登録を先に押さえただけで、本番の認可審査はこれからということです。
HashKey、JPMorganからクライアントマネー口座の開設承認を取得
HashKeyがJPMorganから、クライアントマネー口座(顧客資産を自社資産と分けて預かる口座)の開設承認を得ました。
大手銀行が暗号資産事業者の顧客資金を受け入れるかどうかは、その事業者が機関投資家からどう見られるかに直結します。
つまり、銀行口座を開けるかどうかが取引所の実質的な格付けのように働いているということです。
韓国ビッサム、2028年のIPOを目標にロードマップを公表
韓国の取引所ビッサム(Bithumb)が、2028年のIPOを目標とするロードマップを公表しました。内部統制の整備を含む内容です。
すでにビッサム・アセットの分割など、事業部門ごとに役割と責任を切り分ける組織再編は済ませています。ロードマップ側は、今年中に内部統制の高度化を終えて会計基準をK-GAAPからK-IFRSへ移す準備を進め、2027年に上場予備審査を申請する、という段取りです。
見どころは上場の時期そのものより、2028年までに何を直すと宣言したかのほうです。
Trump Media、さらに2,628BTC(約$165M)をCrypto.comへ売却
Trump Mediaがさらに2,628BTC(約$165M)をCrypto.comへ移したことが確認されました。残る保有は4,261BTC($269.8M)です。
出所はArkhamのデータを追ったLookonchainで、同社からの公式コメントは出ていません。7か月の累計売却は7,281BTCでピーク比-63%、平均取得価格は$118,522とされています。
理由は明らかになっていませんが、企業のビットコイン保有が積み増しから取り崩しへ向かう例がまた1つ増えました。
Flap、日次収益$1.18MでPump.funを逆転
BNB ChainのトークンローンチパッドであるFlapが8/1に$1,183,980を稼ぎ、Pumpファミリー合計の$1,103,266を上回りました(DefiLlama基準)。
日次収益の首位は長くPump.funが握ってきた場所です。そこが入れ替わったこと自体がニュースになっています。
つまり、この領域の手数料収入はプロダクトの人気と一緒に短期間で移動する、ということです。
YGG Playがサービス終了、Yield Guildは「AIデータ」へピボット
YGG Playがサービスを終了し、Yield GuildはAIデータの供給側へ事業を切り替えます。
GameFiギルドの代表格が、ゲームで稼ぐモデルから離れる判断です。
ギルドが束ねてきた人手の提供先が、ゲームからAIの学習データへ移ったと読むと分かりやすいと思います。
Flareのラップド版XRP、$280M規模のRLUSD貸出ボールトで承認
Flareのラップド版XRPが、Ethereum上のMorphoで動くSentoraのRLUSDボールト($280M規模)で担保として承認されました。
XRPを売らずに、Rippleが発行するステーブルコインRLUSDを借りられるようになります。
要は、長く持っているXRPを担保として使える先が増えたということです。
Uniswapのプロトコル収益がv4の手数料スイッチ後に約3倍、UNIは$4を突破
Uniswapのプロトコル収益がv4の手数料スイッチ稼働後に約3倍へ伸び、UNIは$4を突破しました。
手数料スイッチは、これまでLP(流動性提供者)に全額渡っていた手数料の一部をプロトコル側に回す仕組みです。稼ぎがトークン側に紐づく構造に変わります。
値上がりのほうが目立ちましたが、裏では収益の実数が動いていました。見どころはこの3倍が続くかどうかです。
Hastra、米自動車ローンの利回りトークン「AUTO」をSolanaで提供開始
Hastraが7/30、米国のニアプライム層向け自動車ローンの利回りを裏づけとするトークン「AUTO」をSolanaで提供開始したと発表しました。ローンを組成するのはAgora Dataで、Figureはトークン化基盤「Figure Forge」を提供します。
RWAはこれまで国債やマネーマーケットが中心でしたが、そこに消費者ローンという別の資産クラスが乗ってきた形です。Hastraにとっては、自社グループ外が組成した資産を扱う初のケースです。
つまり、オンチェーンの利回りの出どころが国債一辺倒から分散し始めているということです。
ローソン、ネットスターズと店頭ステーブルコイン決済を実証
ローソンがネットスターズと組み、店頭でのステーブルコイン決済を実証します。8/3に事前テストを行い、8/17にローソン大崎アトリウム店で本実証を実施します(社員・関係者限定で、一般客は対象外)。
対応はUSDC / USDTがSolana・Morph・Polygon、JPYCがPolygonで、ウォレットはMetaMask。ネットスターズの「StarPay」系サービス「Stablecoin Pay」を既存のレジに統合します。評価軸は決済速度、レジ業務への影響、UIの分かりやすさです。
見どころは技術よりオペレーションのほうです。既存レジに載るか、店員の手間が増えないかで実用性が決まります。
野村傘下のBOOSTRYとDigital Assetが協業、Canton対応マルチチェーンウォレットを年内提供へ
野村傘下のBOOSTRYとDigital Assetが協業し、Canton対応のマルチチェーンウォレットを年内に提供します。
国内の証券系プレイヤーが、自前の基盤だけでなく海外の機関投資家向け台帳にも接続できる入口を用意しにきた形です。
要は、機関投資家がどの台帳の資産も1つのウォレットで扱える状態を、先回りして作ろうとしているということです。
NY連邦地裁のRakoff判事、CFTCの緊急TRO申立を却下。NY州のKalshi追及は継続へ
ニューヨーク連邦地裁のRakoff判事が、CFTCによる緊急のTRO(一時的差止命令)申立てを却下しました。ニューヨーク州によるKalshiへの訴えはそのまま残ります。
判断の理由は、CFTCが本案での勝訴可能性の高さも、回復不能な損害が生じる可能性も示せていないというものです。ただしこの決定はCFTCがMarrero判事の前で申立てを出し直す道を残しており、8/7(金)に再提出があり得ます。
先週始まった州による提訴に、連邦と州のどちらが管轄するのかという争点が乗りました。司法が最初に出した答えは「連邦側の緊急停止は認めない」です。
7月のDEX現物出来高がCEX比24%、2019年の統計開始以来の最高比率
7月のDEXの現物出来高がCEXの24%に相当し、2019年に統計が始まって以来もっとも高い比率になりました。この比率はThe Blockのデータです。
一方で絶対額は6月の$177.55Bから7月は$130.77Bへ26%減り、2024年9月以来の低水準でした(金額はBlockworks、個別の内訳はDefiLlama)。
つまり、シェアは過去最高なのに取引そのものは縮んでいます。DEXが伸びたというより、CEXのほうがより強く冷えた、と読むのが素直です。
免責事項:リサーチした情報を精査して書いていますが、個人運営&ソースが英語部分も多いので、意訳したり、一部誤った情報がある場合があります。ご了承ください。また、記事中に Dapps、NFT、トークン、AIサービス等を紹介することがありますが、勧誘では一切ありません。全て自己責任でご判断・ご利用ください。
About us:DEBUNK(Crypto&AI)は “For learning, not for hype.” をコンセプトに、Crypto・AI 領域の注目トレンド・プロジェクト解説・最新ニュースをまとめた Agentic Web Research を毎日配信しています。
Author:mitsui (@mitsuiio) — DEBUNK(Crypto&AI)founder。Crypto・AI 領域のリサーチャーとして活動。
Contact:法人向けのリサーチコンテンツの納品や共同制作、リサーチ力を武器にした Crypto・AI コンサルティング・勉強会なども受付中です。詳しくは以下の窓口よりお気軽にお問い合わせください。
🐦 X: @debunkrsch
🌐 HP: debunkresearch.com
「AI版」のリサーチも始動しました。「Agentic Web」時代を見据えたニュースレターとなり、CryptoとAIの2つのニュースレターが走り始めます。どちらか1つだけの購読で良い方はご自身のアカウント設定から管理できます。
クリプト版はこれまで通り続きながら、AI版も同じようなフォーマットでリサーチして更新していきますのでお楽しみに!




