【7/18(土)~7/21(火)News Report】トランプ大統領がCLARITY法の倫理条項に同意 / Hut 8が1GWのAIデータセンターを完全商業化 / AZ-COM丸和HDが約2,300社への支払いにJPYCを採用など
主要ニュースまとめ
おはようございます。 7/18(土)~7/21(火)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
トランプ大統領、CLARITY法の倫理条項に同意。上院可決への最後の障害が外れるか
市場構造を定めるCLARITY法について、トランプ大統領が「倫理条項」に同意したと報じられています。The Blockの報道をCoinPostが伝えています。在職中の政府高官が暗号資産事業から個人的な収益を得ることを制限する内容で、Bernie Moreno上院議員やCynthia Lummis上院議員を交えて数か月にわたり続いてきた調整が、ようやく決着した形です。
この条項は法案最大の詰めどころで、上院可決の前に立ちはだかる最後の障害とされてきました。上院は8/7から休会に入るため、そこが事実上の期限になります。
要は、条文の中身ではなく「誰の利益を制限するか」で止まっていた栓が抜けたということです。残るは休会までに本会議の審議時間を確保できるか、という一点になりました。
Hut 8、テキサスの1GW AIデータセンターを完全商業化。15年・$9.8Bの追加リース契約
ビットコインマイニング大手のHut 8が、テキサスで進めてきた1GW規模のAIデータセンターを完全に商業化したと発表しました。CoinPostとCoinDesk Japanが報じています。15年・総額$9.8Bの追加リース契約を締結し、契約済みのIT容量は704MWへと倍増、AEP Texasから確保していた1GWの電力枠を使い切った形です。
同じくマイニング企業のIRENも、2026年末時点のAIクラウドARR(年換算収益)目標を$3.7Bから$4B超へ上方修正しました。大手AI開発企業群と総額$2.8Bの複数年契約を新たに締結し、修正後目標の約85%がすでに契約済みです。顧客にはMicrosoftやNVIDIAも名を連ねます。
ここがポイントで、ビットコインを掘るために積み上げた電力枠と土地が、そのままAI向けの長期リース収益へ変換されています。マイナーの決算を読むとき、もうハッシュレートだけ見ていても足りません。
物流大手AZ-COM丸和HD、約2,300社への支払いにJPYCを採用。10億円超の出資も検討
物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスが、協力会社約2,300社への支払いに円建てステーブルコインのJPYCを導入すると、日本経済新聞が7/19に報じました。CoinPostとCoinDesk Japanが伝えています。あわせて発行元のJPYC株式会社へ10億円強を出資し、業務提携を行うことも検討していると伝えられています。
採用の理由は、受け取ってすぐ現金化できることと、送金手数料がかからないことです。これにより、これまで頻度を絞らざるを得なかった小規模な運送事業者への支払いを、より細かく回せると見ています。
注目したいのは、これが取引所の取引ペアではなく実業務の決済に使われる点です。国内企業がステーブルコインを「投資対象」ではなく「支払い手段」として本番投入する動きで、JPYCの大規模な企業利用としては初の事例になる見通しです。
その他のニュース
韓国銀行、9月に9行とCBDCの実運用取引へ
韓国銀行が、KB国民・新韓・ハナなど9行と組み、9月からトークン化ウォンによるブロックチェーン上の実取引を始めると明らかにしました。
役割分担は、韓国銀行がインフラを提供し、各行が預金トークンを発行する形です。テスト環境ではなく実際の決済に載せる第2フェーズに入ります。
つまり、CBDCの議論が「やるかどうか」から「どう回すか」に移ったということです。
韓国政府、ウォン建てステーブルコインの法的根拠を整備へ。「ウォン国際化ロードマップ」公表
韓国政府が「ウォン国際化ロードマップ」を公表し、ウォン建てステーブルコインの発行・流通に法的根拠を与える方針を示しました。デジタル資産基本法とセットで土台を作ります。
韓国銀行側では、機関向けCBDCと連動した国債のトークン化や、BISが主導する国際決済実験Project Agoraへの参加も進めます。
要は、自国通貨をデジタルで海外に流す導線として、ステーブルコインを国家戦略に組み込み始めたということです。
英国議会の超党派グループ、暗号資産企業の「銀行口座締め出し」調査を開始
英国議会の超党派議員連盟(APPG)が7/21、暗号資産企業に対する銀行の口座拒否・決済制限・取引ブロックの実態調査を開始しました。元デジタル経済相で貴族院議員のEd Vaizey氏と、労働党下院議員のGurinder Singh Josan氏が共同議長を務めます。
6週間かけて書面で証拠を集め、その結果をもとに政府へ勧告を出す予定です。
米国で長く議論されてきた「デバンキング」問題が、英国では議会主導の調査として立ち上がったということです。
GENIUS法の実施規則、5当局が1年の期限に間に合わず。発行体は未確定案のまま準備継続
ステーブルコインを規律するGENIUS法の実施規則について、財務省・OCC・FRB・FDIC・NCUAの5当局がいずれも1年の期限までに最終規則を出せませんでした。
施行日は2027/1/18で固定されており、延長規定はありません。発行体は確定していない規則案を前提に準備を続けることになります。
つまり、ルールが固まらないまま施行日だけが迫るという、事業者にとって一番きつい形になっています。
GENIUS法から1年。ステーブルコイン規制の到達点を整理する
CoinDeskのNikhilesh De氏が、2025年7月のGENIUS法署名から1年の到達点をニュースレター「State of Crypto」で整理しました。
複数の連邦機関が規則案をパブリックコメントに付しており、FDICはステーブルコイン発行体の監督について144項目の質問を提示、OCCも2月に独自の解釈案を出しています。Crypto Council for InnovationのCEOは「明確な基盤が構築されつつある」と評価しています。
法律ができても実務のルールはこれから、という1年目の総括です。前項の期限超過とあわせて読むと現在地がよく見えます。
ロシア下院、包括的な暗号資産規制法案を第2・第3読会で採決へ
ロシア下院が、包括的な暗号資産規制法案を第2・第3読会で採決する段階に入りました。非適格投資家にも購入の道を開く内容です。ロシアで暗号資産を利用する国民は推計2,000万人とされ、成立すればこうした活動が正式に監督下に入ります。
ただし条件付きで、仲介業者ごとに年30万ルーブルの上限と、テストの合格が求められます。越境貿易での利用は合法化される一方、国内決済は引き続き禁止です。
要は、制裁下の貿易決済には使わせるが、ルーブルの足元は崩させない、という線引きです。
香港初のHKD建て規制ステーブルコイン「HKDAP」、月内発行へ
香港ドル建てで初の規制ステーブルコイン「HKDAP」が月内に発行されると報じられています。発行はスタンダードチャータード香港が主導するAnchorpointで、流通と取引はOSL GroupとHashKey Exchangeが担います。
Anchorpointは2026年4月にHSBCと同時に香港金融管理局(HKMA)の発行体ライセンス第1号を取得していました。
ここがポイントで、ライセンス制度が実際の発行まで到達しました。香港の枠組みが看板倒れではないことを示す最初の一歩です。
ブラジル証券規制当局CVM、トークン化証券の実験的枠組みで60日期限のタスクフォースを設置
ブラジルの証券規制当局CVMが、トークン化証券の実験的枠組みを検討するタスクフォースを設置し、60日以内に提案をまとめるよう期限を切りました。
論点は、公的な所有権記録をどう扱うか、秘密鍵の管理責任、取引の可逆性、そしてシステム障害時の責任の所在です。
つまり、トークン化の議論が「便利になる」から「誰が責任を負うのか」へ降りてきたということです。
Exodus、全世界従業員の25%を削減。ステーブルコイン・決済カードへ軸足を移す
ウォレット企業のExodusが、全世界の従業員の25%を削減し、ステーブルコインと決済カードの事業へ軸足を移すと発表しました。
MonavateとBaanxの買収でフルスタックの決済事業へ転換する方針で、2027年までに年$10〜13Mの現金営業費を削減、再編費用は$2.5〜3.5Mを見込みます。株価は前年比で約85%安の水準です。
ウォレット単体では食えない、と当事者が認めた形です。決済へ寄せる動きはこの数か月で業界共通の解になってきました。
Strategy、4週連続でビットコイン購入を見送り。MSTR株売却でドル準備は$3.225Bへ
Strategyが4週連続でビットコインの購入を見送りました。保有は843,775 BTCのまま変わらず、ドル準備は$3.225Bまで積み上がっています。
7/13〜7/19にクラスA普通株273万株を$263.5Mで売却しながら、その資金をBTCには回していません。新方針「デジタル・クレジット資本フレームワーク」に沿った動きとされます。
買えば買うほど評価される会社ではなくなった、ということです。手元のドルを厚くする側に舵を切っています。
Tom LeeのBitMine、ETH購入を減速し$86Mを自社株買いへ
Tom Lee氏が会長を務めるBitMineが、ETHの購入ペースを落とし、約550万株・$86M相当の自社株買いを同時期に実施しました。直近1週間のETH取得は7,430 ETH(約$14M)にとどまっています。
保有量は約578万 ETHで、ETH総供給の約4.8%にあたります。
前項のStrategyと同じ構図です。資産を積む側から、株価と資本効率を見る側へ、デジタル資産トレジャリー企業の重心が移ってきました。
Michael Saylor、ビットコインのBIP-110に「110の理由」で全面反対
Michael Saylor氏が、ビットコインのスパム対策ソフトフォークであるBIP-110に対し、「110の理由」を挙げて全面的に反対しました。
投稿は7/18で、シグナリング(意思表示)期間はすでに進行中です。任意のロックイン期限は8月初旬に到達が見込まれるブロック高に設定されており、チェーン上のデータを選別する仕組みが検閲の前例を作るとSaylor氏は主張しています。
技術的な最適化の話が、そのまま「ビットコインとは何か」の論争に発展しています。8月に向けて温度が上がりそうです。
Project Eleven、量子脆弱なビットコインをZK証明で「復旧」する仕組みを開発
Project Elevenが、量子コンピュータに対して脆弱なビットコインをゼロ知識証明で復旧する仕組みを開発しました。対象はBIP-361でロックされたコインです。
証明の生成はMacBook Airで243ミリ秒と軽い一方、監査は未実施で、実装にはコミュニティの合意形成が必要です。サトシ・ナカモトのものとされる約110万BTCは対象外になります。
量子リスクの議論が、警鐘から具体的な移行手段の設計へ進んだということです。
カルダノ、オンチェーンガバナンス初のハードフォーク「van Rossem」を実施
カルダノが7/18 21:44(UTC)、ハードフォーク「van Rossem」を実施し、プロトコルをv11へ更新しました。オンチェーンガバナンス移行後、初のハードフォークです。
DRep(委任代表者)・SPO(ステークプールオペレーター)・憲法委員会それぞれの投票を経て承認されました。技術的にはPlutusの組み込み関数を統一し、新しい暗号機能で実行コストを下げています。
見どころは、財団の号令ではなくオンチェーン投票でチェーンの根幹を書き換えた点です。ガバナンスが装飾ではなく動いていることの実証になりました。
Hyperliquid、HIP-4で誰でも予測市場を作れる仕組みへ。デプロイヤーは50万HYPEをステーク
Hyperliquidが、アップグレードHIP-4で分散型の予測市場を追加する計画を示しました。50万HYPEをステークすれば誰でも市場を立ち上げられる設計で、まずテストネット、その後メインネットへ展開します。
デプロイヤーは手数料の最大50%を得られる一方、市場の定義や決済に不備があればバリデータの投票でスラッシュ(没収)の対象になります。
つまり、市場を作る権利を開放しつつ、質の担保を経済的な罰則で肩代わりさせる設計です。
Lighter、Robinhood株式トークンを永久先物の担保に採用
Lighterが、NVDA・GOOG・AAPLなどRobinhoodのトークン化株式を、永久先物(perpetuals)の証拠金として使えるようにしました。
7/1のRobinhood Chainメインネット以降、担保はUSDG一本でしたが、そこを株式トークンへ広げた形です。米国ユーザーは対象外となります。
ここがポイントで、トークン化株式が「持つだけの資産」から「他の取引を動かす担保」に用途を広げ始めました。
NEAR、House of StakeがHSP-027を可決。開発者向けガス還元を廃止し全額バーンへ
NEARのガバナンス機構House of Stakeが提案HSP-027を可決し、ガス代の30%をコントラクト所有者に還元する仕組みを廃止して、全額をバーンに回すことを決めました。
投票は賛成46票(466万veNEAR)対 反対2票と大差でした。実装は2026年8月頃のnearcore v2.14を予定しています。
開発者への補助よりトークン保有者への還元を選んだ、という価値判断です。エコシステムの優先順位が変わったサインとして読めます。
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