【7/8(水)~7/9(木)News Report】ソニー銀行が米ドルSC発行へOCC承認 / 欧州委がMiCAを域外発行者に拡大検討 / 三井住友信託が国内信託初のファンドトークン化など
主要ニュースまとめ
おはようございます。
7/8(水)~7/9(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
ソニー銀行、米ドル建てステーブルコイン発行へ。米信託子会社の設立でOCCが条件付き承認
CoinPostによると、ソニー銀行が米ドル建てステーブルコインの発行に向けて米国に信託子会社を設立し、OCC(米通貨監督庁)から条件付きの承認を得ました。日本の銀行が米国を舞台にドル建てステーブルコインへ本格参入する、初期の具体例となります。
背景には、米国でステーブルコインの制度整備が進み、銀行が正面から発行に関われる環境が整ってきたことがあります。ソニー銀行は信託子会社という器を米国内に構えることで、現地の規制に沿った発行体になろうとしています。円建てではなく需要の大きいドル建てを狙う点も、実利を重視した判断です。
ここがポイントで、ステーブルコイン発行の主役が暗号資産ネイティブ企業から既存の銀行へと広がり始めたということです。日本のプレイヤーが国内ではなく米国で先に動く構図も、今後の各行の戦略を占う材料になります。
欧州委員会、MiCAをトークン化資産・非EUのステーブルコイン発行者へ拡大検討との報道
The Blockの報道によると、欧州委員会が暗号資産包括規制MiCAの適用範囲を、トークン化資産や非EU(域外)のステーブルコイン発行者にも広げることを検討しています。全面施行が始まったばかりのMiCAを、さらに広い対象へ拡張しようという動きです。
前週にはEU域内で無認可の暗号資産企業が業務継続困難になったことが話題になりましたが、今回はその枠組みを域外の発行者やトークン化商品にも及ぼす議論です。実現すれば、EU市場でサービスを提供する海外のステーブルコイン発行体も、MiCAのライセンスや準備金ルールへの対応を迫られることになります。
つまり、MiCAが「EU域内のルール」から「EU市場に関わるすべての発行者に効くルール」へと外側に広がろうとしているということです。グローバルな発行体にとって、EU基準が事実上の世界標準に近づく可能性があります。
三井住友信託銀行、ファンド受益権のトークン化実証を開始。国内信託銀行として初
あたらしい経済によると、三井住友信託銀行が、MMFや外国籍ファンドの受益権をイーサリアム上でトークン化する実証実験を開始しました。国内の信託銀行としては初の取り組みとされます。
信託銀行はファンドの受益権を管理・保全する立場にあり、その受益権をブロックチェーン上のトークンとして扱えるようにする狙いです。これにより、ファンドの売買や決済をオンチェーンで完結させ、24時間取引や即時決済といった効率化につなげられる可能性があります。実証をパブリックチェーンであるイーサリアム上で行う点も、実運用を見据えた選択です。
見どころは、RWAが海外の話から日本の伝統的金融機関の実務へと降りてきた点です。信託という「資産を預かる」中核業務がトークン化に動くことで、国内のRWAが一段と現実味を帯びてきました。
その他のニュース
Block、詐欺対策・セキュリティ表示を巡り46州の司法長官連合と4,500万ドルで和解
Jack Dorsey氏率いるBlockが、Cash Appのセキュリティや詐欺対策に関する表示を巡り、46州の司法長官連合と4,500万ドルで和解しました。
消費者保護を担う州当局が連携してフィンテック大手に是正を迫った形で、和解には対策強化の約束も含まれます。
暗号資産にも関わる決済プレイヤーが、消費者保護の観点で厳しく監督され始めている流れです。
米民主党議員、CLARITY法の開発者保護条項の維持を上院指導部に要請
Wyden議員ら米民主党の議員が、市場構造法案CLARITYに含まれる分散型開発者の保護規定を維持するよう上院指導部に要請しました。
ソフトウェア開発者を送金業者と同一視しないための条項で、DeFi開発の萎縮を防ぐ狙いがあります。
「コードを書くこと」と「金融業を営むこと」の線引きが、法案審議の焦点になっています。
ロシア下院、仮想通貨規制法案を修正可決。ウォレット申告義務を撤廃
ロシア下院が仮想通貨の規制法案を修正し、当初盛り込まれていたウォレットの申告義務を撤廃した版を第2読会に向けて承認しました。
過度な申告負担への反発を受け、規制の内容がやや緩和された格好です。
制裁下のロシアで、暗号資産を「取り込みつつ管理する」制度設計が手探りで進んでいます。
米ニューハンプシャー州、ビットコイン担保債1億ドル発行案を否決
米ニューハンプシャー州の行政評議会が、ビットコインを担保にした1億ドル規模のコンジット債の発行案を投票で否決しました。
州がBTCを裏付けにした債券発行に踏み込むかが注目されましたが、慎重論が上回りました。
「州の財政に暗号資産をどこまで組み込むか」を巡る温度差が、米国内で鮮明になっています。
Google Chrome、実マネーの予測市場向け拡張機能を8月から禁止
Googleが、Chromeのポリシーを改定し、実際の資金を扱う予測市場向けの拡張機能を8月から禁止すると明らかにしました。
急拡大する予測市場に対し、プラットフォーム側がギャンブル性を警戒して距離を取る動きです。
予測市場が普及する一方で、大手プラットフォームの規約という「見えない規制」に直面し始めています。
Hyundai Card、Avalanche×Tetherで初の実運用ステーブルコイン決済PoCを完了
韓国のHyundai Cardが、AvalancheとTetherを用いたステーブルコイン決済の実証実験を完了したと発表しました。
カード事業者が実際の決済フローにステーブルコインを組み込む、実運用を見据えた検証です。
決済の現場で「カード網+ステーブルコイン」を組み合わせる動きが、アジアでも具体化してきました。
Binance Wallet、PlumeのイールドVaultを追加しInvesco・Bitwiseのファンドにアクセス提供
Binance Walletが、RWA特化チェーンPlumeのイールドVaultを統合し、InvescoやBitwiseの運用ファンドへのアクセスを提供します。
ウォレットから伝統的な資産運用商品の利回りに触れられるようにする取り組みです。
取引所のウォレットが、暗号資産だけでなくRWAの入り口としても機能し始めています。
Dinariとサイオ(tZERO)、トークン化米国株のターンキー基盤で提携
株式トークン化のDinariと、証券系のtZEROが、トークン化された米国株を扱うターンキー型の基盤で提携しました。
事業者が自前で構築せずに株式トークン化サービスを立ち上げられる、インフラの提供を目指します。
個別プロジェクトの実験段階から、「誰でも使える基盤」を整える段階へRWAが進んでいます。
Citadel、米国での企業秘密訴訟を取り下げ。英国で元従業員に破産申立て
大手ヘッジファンドのCitadelが、企業秘密を巡る米国での訴訟を取り下げ、英国で元従業員に破産を申し立てる方針に切り替えました。
ロンドンでの仲裁勝訴を足がかりに、法的手段の舞台と手法を組み替えた形です。
暗号資産・クオンツ人材を巡る争いが、国境をまたいだ法廷闘争に発展しています。
Base、B20トークン規格をメインネットで有効化
コインベースのL2「Base」が、ステーブルコインやRWA向けを想定した新しいトークン規格「B20」をメインネットで有効化しました。
用途に応じた機能を組み込んだ規格で、規制対応や機関利用を意識した設計とされます。
主要L2が「使い勝手のよいトークンの器」を整え、実需の取り込みに動いています。
Polymarket、Sparkを活用しLightning経由のビットコイン即時入金に対応
予測市場のPolymarketが、Sparkを活用してLightning Network経由のビットコイン即時入金に対応しました。
ユーザーがBTCを素早く入金して予測市場に参加できるようにする、利便性向上の一手です。
予測市場がステーブルコインだけでなくBTC決済も取り込み、入口を広げています。
Cloudflare、AIエージェント向けのステーブルコイン決済機能を提供
Cloudflareが、AIエージェントによる支払いを想定したステーブルコイン決済機能を、収益化ゲートウェイの一部として提供します。
x402型の仕組みで、機械が自律的に少額決済を行うユースケースを見据えた設計です。
インフラ大手がAIエージェント経済の「決済レール」にステーブルコインを据えようとしています。
Strike、弱気相場向けの「変動耐性」ビットコインローンを提供
Strikeが、相場の下落局面でも清算されにくい設計を謳う「変動耐性」型のビットコイン担保ローンを投入しました。
弱気相場でBTCを手放さずに資金を得たい保有者に向けた商品ですが、コスト面には指摘もあります。
「BTCを売らずに使う」需要に応える金融商品が、相場環境に合わせて多様化しています。
BNB Chain、高頻度取引・AIエージェント向けの新レイヤー1を構築中
BNB Chainが、高頻度取引やAIエージェントの利用を想定した新しいレイヤー1チェーンを構築していることが明らかになりました。
公開トランザクションの待ち行列を排除し、10万TPS超の処理性能を標榜しています。
用途を絞った高速チェーンで、機械主体の取引という新しい需要を取りに行く動きです。
DeFiポートフォリオ管理「Zapper」、7年の運営を経てサービス終了
DeFi黎明期から使われてきたポートフォリオ管理ダッシュボード「Zapper」が、7年の運営を経てサービスを終了します。
多数のプロトコルを横断して資産を可視化する定番ツールでしたが、幕を下ろすことになりました。
老舗ツールの終了は、DeFiのユーザー体験を担う顔ぶれが世代交代しつつあることを映しています。
暗号資産取引所AscendEX、運営を停止。ユーザーへの返金は不透明
暗号資産取引所のAscendEXが運営を停止し、ユーザーへの資金返還についても保証が不透明な状況と報じられました。
中堅規模の取引所が静かに事業をたたむ形で、利用者の資産回収に懸念が残ります。
取引所の淘汰が続くなか、「どこに資産を預けるか」のリスク管理が改めて問われています。
Kraken、Choke Point 2.0の際に離反した監査法人から2,200万ドルの賠償を勝ち取る
Krakenが、いわゆるOperation Choke Point 2.0の局面で監査契約を打ち切った監査法人に対し、2,200万ドルの損害賠償を勝ち取りました。
規制圧力が強まった時期に取引を絶たれたことへの責任を、法廷で認めさせた形です。
銀行や監査法人から締め出された過去を、暗号資産企業が事後的に問い直す動きが出ています。
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