おはようございます。
先週1週間(6/7〜6/13)のweb3市場についてのまとめ記事となります。
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Strategyが1,550 BTC買い増し — Saylorの「add more dots」投稿が反転のきっかけに
先週お伝えした「Strategy初のBTC売却(32 BTC、2022年12月以来)」が前週の売り材料となり、BTCは6/5に$59,100と2026年の最安値をつけました。Strategyの含み損は一時$11.7Bまで拡大しています。
6/7(日)、Michael Saylorが恒例の取得トラッカーチャートとともに「A good time to add more dots」と投稿。過去のパターンでは月曜の買い増し開示の前兆として知られるシグナルです。
6/8のSEC開示で、6/1〜6/7に1,550 BTCを約$101.3M(平均$65,332)で取得したことが判明。累計保有は約845,256 BTCになりました。
投稿をきっかけにBTCは$60K近辺の水準から6/8には$63K台へ約4%反発しました。
要は、売却で揺らいだ「Saylorは買い続ける」という市場の前提が、1週間で立て直された格好です。ただし含み損を抱えたまま優先株配当のための売却と買い増しが併走する構図は続いており、開示のたびに相場が振らされる状態はしばらく続きそうです。
SpaceXが史上最大のIPOでNASDAQ上場 — 「BTCから資金を吸い上げた犯人」論争に
6/12、SpaceXがNASDAQに上場しました(ティッカーSPCX)。調達額約$75B・評価額約$1.75〜1.8兆で史上最大のIPOとなり、公開価格$135に対し初日は+19%の$161で取引を終えました(ザラ場高値は$176台)。
S-1(上場申請書類)で18,712 BTC(約$1.2B相当・BTC$63.5K換算)の保有を開示しており、上場企業として最大級のBTC保有者の一角になります。
注目されたのが「流動性ローテーション」論です。SpaceX・OpenAI・Anthropicなどのメガ上場が$240〜350Bの新規株式供給を生み、最も流動性の高いリスク資産であるBTCから資金が抜けるという見立てで、先週お伝えした「クリプト→AIローテーション」説の最大の続報です。
一方で「IPOが犯人」説には、データを突き合わせた反証も出ています。検証の詳細は下のPickup Articleで紹介します。
見どころは、IPOが「犯人」かどうかよりも、BTCが超大型IPOの資金繰り議論に組み込まれるほどメインストリームのリスク資産になったという事実そのものだと思います。
日本: 暗号資産を金商法に移管する改正法案が衆院可決 — インサイダー規制導入、分離課税・ETFへの前提が前進
6/11、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管する改正法案が衆議院本会議で可決されました(自民・維新・国民民主などの賛成多数)。今後は参議院での審議に進みます。
発行体が存在する銘柄を「特定暗号資産」と位置づけ、事前の情報公表や財務監査を義務付けます。
暗号資産のインサイダー取引が新たに禁止されます。
この法律は、申告分離課税20%や暗号資産ETF解禁の前提となるものです。関連して、JPX傘下の大阪取引所がETF解禁に合わせて2028年にBTC先物を上場する方針(6/11)も報じられました。
つまり、日本のクリプトが「決済手段」から「金融商品」へ正式に格上げされる節目です。先週の改正資金決済法の施行(6/1・仲介業の新設)に続いて、国内の制度整備が一気に進んでいます。
5月CPIは前年比+4.2%で利下げ期待が消滅 — 6/16-17のFOMCが分水嶺に
6/10発表の5月米CPI(消費者物価指数)は前月比+0.5%・前年比+4.2%と2023年4月以来の高い伸びでした。コア指標は予想比軟調と「割れた内容」で、BTCは$61K近辺で膠着しました。
CME FedWatchでは6/16-17のFOMC(Kevin Warsh新議長体制)の据え置き確率が約96〜98%(6月上旬時点)となり、2026年中の利下げ織り込みはゼロに。10月までの利上げ確率は一時63%まで上昇しました。
Goldman Sachsは利下げ予想を撤回し、利上げ確率20%を提示しています。
6/12朝にはTrump大統領の「(米イランの)戦争は終わった」発言と停戦期待でBTCは+3.4%の$63.5K台、ETHは$1,670前後まで反発しました。
ここがポイントで、「インフレ鈍化→利下げ→リスク資産追い風」というシナリオが完全に消えました。来週のFOMCが下半期のクリプト相場の方向を決める分水嶺になります。
Metaplanet、Siiibo証券を約$13.1Mで100%買収 — DATが「保有」から「金融商品の製造販売」へ
6/12、Metaplanetが国内のSiiibo証券を約$13.1Mで100%買収すると発表しました。クロージングは2026/7/13予定で、「Metaplanet証券」へ改称される見込みです。
買収により第一種金融商品取引業の登録を獲得し、BTC連動の投資商品を組成・販売できる体制が整います。新構想「Project Nova」の第一弾と位置づけられています(Bitcoin Magazineの報道)。
Metaplanetは40,177 BTCを保有する世界3位・アジア最大のDAT(Digital Asset Treasury、暗号資産財務企業)です。
これが意味するのは、DATのビジネスモデルが「BTCをただ保有する」フェーズから「BTCを使った金融商品を製造・販売する」フェーズへ進む転換点だということ。同じ週に金商法移管法案が衆院を通過しており、日本がその実験場になりつつあるのが面白いところです。
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面白いと思ったポストや記事を紹介します。
Glassnode「The Week On-Chain: Finding a Floor」 — $60K近辺で収益性指標は崩壊、底入れの条件は
6/10公開の週次オンチェーンレポート。BTCが$60K近辺で推移するなか、保有者の収益性指標が大きく悪化していることを整理しています。
短期保有者(STH: Short-Term Holder)の95%超が含み損で、利益圏にあるコインはわずか3.3%(4年平均は約55%)。
STH-SOPR(短期保有者の支出利益率)のzスコアは-1.86と、「深刻な投げ売り」とされる-2の目前まで低下しています。
回復にはDXY(ドル指数)の99割れ、または米10年債利回りの4.2%方向への低下が必要と分析。
統計的には底値圏のシグナルが点灯しつつも、最後はマクロ次第=6/16-17のFOMCが鍵、という結論です。上のCPIの話と合わせて読むと立体的に理解できます。
Verichains「Gnosis Pay Exploit解剖」 — 開発者はバグを見つけていたのに、なぜ攻撃は起きたのか
6/8公開。6/1に発生したGnosis Pay攻撃(約$265K流出)の技術解剖レポートです。
原因はZodiac Delay v1.1.0の
_isValidContractSignature()が外部呼び出しのsuccessブール値をチェックしていなかったこと。リバート(失敗)データを0x1626ba7eで始まるよう細工するだけで署名検証をバイパスできました。衝撃的なのは、このバグが派生リポジトリでは2026年2月に修正済みだった点。本番環境は旧パッケージのまま放置されており、「サイレント修正(告知なしの修正)」が利用側に伝わらないまま攻撃を許しました。
教訓はシンプルで、脆弱性の修正は派生先・利用者まで告知され追従されて初めて意味を持つ、ということ。OSSを本番に組み込むすべてのチームに刺さる事例分析です。
CCN「Did SpaceX IPO Really Sink Bitcoin Price or Just Take the Blame?」 — BTCを沈めた「犯人」は本当にSpaceXなのか
6/11公開(日本時間6/12)。Pickup News 2で触れた「SpaceX IPOがBTCから資金を吸い上げた」説を、データで検証した記事です。
急落の実際の要因として挙げるのは、13営業日連続のBTC現物ETF流出(〜6/3、累計約$4.4B・過去最長)、6/2〜6/5の約$1.6〜1.8Bに達したデリバティブ清算(大半が強気ポジション)、そして雇用統計の上振れによる利上げ懸念や中東情勢の緊迫といったマクロ要因の重なりです。
そもそもBTCの下落の大半はSpaceX株の取引開始前に起きており、「IPOが資金を吸って沈めた」という因果はタイミングの面で成立しない、と指摘しています。
結論は「相関は因果ではない」。IPOは下落の説明としてわかりやすいから責任を着せられただけ、という整理です。
📊 Market & News
🟠 Market Overview
前週の急落から反発の週でした。BTCは$60,922(6/6)→$63,439(6/12時点)で週間+4.1%、ETHは$1,581→$1,660で+5.0%。暗号資産総時価総額は約$2.253T、BTCドミナンスは56.4%です(6/13、CoinGecko)。
DeFi TVLは$69.6B→$71.7B(+3.0%)と回復、ステーブルコイン総供給は$314.6B→$313.5B(-0.3%)とほぼ横ばいです。一方でBTC現物ETFは日次ベースで流出が継続しており、価格反発とETFフローのねじれが続いています。
⛓️ L1 Blockchain
Zcash、修正アップグレード「Ironwood」を確定 — 7月実施目標、旧Orchardプールに「ターンスタイル」検証を導入(6/9) — 先週お伝えした「4年見逃されたバグ」の続報です。代替シールドプールを新設し、旧プールからの移行時に供給量を検証するターンスタイル(turnstile)機構で偽造ZECの混入を防ぐ設計。週内にはシールドZECの約1%が引き出される動きも観測されましたが、価格は回復基調です。
💰 DeFi
🤑 RWA・Stablecoin
GENIUS Act: FinCEN/OFACのAML(マネロン対策)規則案のコメント期限が6/9に到来 — 次は7/18の本則期限へ(6/9) — ステーブルコイン総供給は$313.5Bと横ばいで、規制実装の進捗待ちの局面です。
🏢 ETF・DAT
🤖 AIエージェント
国家、法律、規制関連
ハンガリー、暗号資産取引を非犯罪化へ — 最長懲役8年の旧規制を撤回(6/11)(新政権がEUのMiCA整合圧力を受けて方針転換。Bitcoin Magazineの報道)
英FCA、リテール投資ファンドへの暗号資産ETN(上場投資証券)最大10%組み入れを提案 — 意見募集は7/13まで(6/9)
日本の金商法移管法案の衆院可決(6/11)とJPX大阪取引所の2028年BTC先物方針(6/11)
取引所・企業
SBF(Sam Bankman-Fried)、Trump大統領に恩赦を正式申請(6/8) — FTX崩壊で25年の刑に服役中。Trump大統領は1月に「恩赦しない」と発言しており、行方は不透明です。
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