【6/10(水)~6/11(木)News Report】暗号資産の金商法移管法案が衆院委で可決 / 3メガバンクが共同ステーブルコイン発行へ / CFTCが予測市場に米国初の規則案など
主要ニュースまとめ
おはようございます。
6/10(水)~6/11(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
暗号資産を金商法へ移管する改正法案、衆院財務金融委員会で可決
6/10、衆議院財務金融委員会で「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が可決されました。暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管し、「有価証券とは別の金融商品」として位置付け直すものです。
柱は、①暗号資産交換業者の「暗号資産取引業者」への名称変更、②インサイダー取引規制の新設、③無登録業への罰則を拘禁刑3年から10年へ引き上げ、④特定暗号資産の情報公開義務の整備、の4点です。
焦点の税制については、20%の申告分離課税が「金商法改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後」に適用される予定です。CoinDesk Japanは、金商法改正法の施行は2027年中が見込まれ、その場合20%課税の適用は2028年1月からになると報じています。法案は委員会可決を経て本会議へ進み、国会審議は継続中です。
つまり、日本の暗号資産が「決済関連の資産」から「投資対象の金融商品」へと、法制度の土台ごと引っ越すということです。インサイダー規制や情報開示の整備は短期的には事業者の負担になりますが、株式並みのルールが入ることで機関投資家や上場企業が参入しやすくなる効果も期待できます。今後は本会議での成立、そして施行時期と税制適用のタイミングが次の焦点です。
3メガバンク、2026年度中に共同ステーブルコインを発行する方針と報道
三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクが、2026年度中にステーブルコインを共同発行する方針だと日本経済新聞が報じました。近く基本合意を締結し、協議会を設置するとされています。
報道によると、スキームは信託銀行が発行受託者となる信託型で、改正資金決済法上の「電子決済手段」(日本のステーブルコインの法的枠組み)としての取引認可を取得する予定です。協議会は初期は3行体制でスタートし、将来的には他の金融機関との連携拡大も視野に入れているとのことです。
ここがポイントで、暗号資産の金商法移管法案が委員会を通過したのと同じ週に、邦銀の中核である3メガバンクがステーブルコインで足並みを揃えたことです。制度とプレイヤーが同時に動き出したことで、日本の「銀行発ステーブルコイン」は一気に現実味を帯びてきました。
CFTC、予測市場に米国初の包括的規則案を提示
CFTCが6/10、予測市場(Prediction Market)に対する米国初の包括的な規則案を提示しました。どの契約が「公共の利益」に適合するかを当局が審査する枠組みで、これまで個別判断に委ねられてきた予測市場の上場契約に、初めて体系的なルールが示された形です。
規則案では、スポーツイベント契約は「gaming(賭博)」カテゴリーに関わるものの、最終スコアや勝敗に基づく契約は原則として公共の利益に反しないとのシグナルが示されました。一方で、戦争・テロ・暗殺・違法行為に関わる契約は、公共の利益に反すると判断され得る審査対象カテゴリーとされています。
同じ週には大手予測市場のKalshiが雇用主開示の義務化などの自主規制強化を発表しており(その他のニュースで紹介します)、規制と自主規制が相前後して動いた形です。要は、グレーゾーンのまま急拡大してきた予測市場に、「何が賭けの対象としてOKで、何がNGか」という線引きがいよいよ入り始めたということです。
その他のニュース
EU、第21次対露制裁パッケージで11のクリプトプラットフォームの取引禁止を提案
EUのKaja Kallas副委員長が、第21次対露制裁パッケージとして11のクリプトプラットフォーム上の取引禁止を提案しました。
ロシアの銀行31行の追加制裁に加え、制裁回避に関与した第三国の20団体も対象で、「第三国向けクリプト資産サービスの禁止を強化する」としています。
つまり、制裁回避ルートとしてのクリプトの締め付けが、ロシア国外の第三国にまで広がってきたということです。
米司法省、JPMorganなど大手3行に「デバンキング」調査でサブピーナと報道
米司法省がJPMorgan・Bank of America・Wells Fargoの3行に対し、政治的理由による口座閉鎖(デバンキング)の疑いをめぐる調査でサブピーナ(文書提出などを命じる召喚状)を送付したとThe Defiantが報じました。
FIRREA(米金融機関改革・回復・執行法)違反の可能性を調査しているとされ、背景には2025年8月のトランプ大統領令があります。
現時点では報道ベースの情報ですが、業界で長年燻ってきた「口座アクセスの公平性」の問題に司法が踏み込んだ形です。
日銀、CBDCパイロット実験の進捗報告書を公開
日本銀行が、CBDCのパイロット実験の進捗をまとめた報告書を公開しました。
技術面で致命的な課題は確認されなかったと報告しています。
3メガバンクのステーブルコイン構想と並行して、「デジタル円」側の地ならしも着実に進んでいる格好です。
Paradigm・Hyperliquid政策センター、GENIUS法のステーブルコインAML規則に反発
VCのParadigmとHyperliquid政策センターが、GENIUS法に基づくステーブルコインのAML(マネーロンダリング対策)規則案にパブリックコメントで反論しました。
ステーブルコイン規制の細則づくりをめぐり、業界側が公式の意見募集プロセスで異議を唱えた形です。
要は、GENIUS法の成立で終わりではなく、実務を左右する細則の攻防がこれから本番だということです。
Kalshi、高リスク市場の一部ユーザーに雇用主開示を義務化(インサイダー調査150件超)
予測市場大手のKalshiが、インサイダー取引・相場操縦対策として、高リスクと判定した市場で取引する一部ユーザーに雇用主の開示を義務付けると発表しました。
Q1には新スクリーニングツールで100件超の潜在的インサイダー取引をブロックしたほか、これまでに150件超の調査を開始し、20件超を法執行機関に通報したと公表しています。
Pickupで紹介したCFTCの規則案と相前後する発表で、予測市場の制度化が官民の両面で進んでいます。
CME・ナスダック、暗号資産インデックス先物を開始
CMEとナスダックが6/9、BTC・ETHなど8銘柄で構成される暗号資産指数の先物取引の開始を発表しました。
機関投資家向けのデリバティブ商品の拡充が続いています。
個別銘柄ではなく「指数」で市場全体に張れる商品の登場は、機関マネーの入り口拡大を意味します。
BlackRockの配当支払い型ビットコインETFがローンチ間近
BlackRockの「iShares Bitcoin Premium Income ETF」のローンチが近づいており、2026年後半から提供開始予定だとCoinDeskが報じました。
コールオプションの売却でインカム(分配金原資)を生み出す設計で、手数料は競合を下回る水準とされています。
「持っているだけ」のBTC ETFから「利回りを生む」ETFへと、商品設計の進化が始まっています。
BlackRockとFidelity、ビットコインETFを「二社独占」市場に
新規のビットコインETF資金の大半を、BlackRockとFidelityの2社が吸収しているとCoinDeskが報じました。
他の発行体は規模で大きく引き離され、市場は事実上の複占状態になりつつあります。
ここがポイントで、規模の経済が効くETF市場では「勝者総取り」の構図が鮮明になってきたということです。
シンガポールDBS銀行、個人向けにトークン化金を提供へ
シンガポールの大手銀行DBSが、個人顧客向けにトークン化金(ゴールド)の提供を開始すると発表しました。
1トークンが現物の金1グラムに裏付けられる設計です。
大手銀行のRWA事業が機関向けからリテールへ降りてきた、象徴的な動きです。
Visa、ステーブルコイン決済が年換算70億ドル規模に
Visaのステーブルコイン決済の取扱高が、年換算で70億ドル規模に達したことが明らかになりました。
決済大手によるステーブルコインの取り扱いが急拡大しています。
見どころは、ステーブルコインが既存の決済ネットワークの「中」で実需を積み上げている点です。
Mastercard、AIエージェント決済の新サービスを発表(Coinbase・Stripeなど30社以上が参加)
Mastercardが、AIエージェントによる決済を支える新サービス「Agent Pay for Machines(AP4M)」を発表しました。Coinbase・Stripeなど30社以上が参加しています。
AIエージェントが人間に代わって支払いを行う際の信頼基盤を整える狙いです。
これが意味するのは、カード大手が「AIが買い物をする未来」をクリプトのインフラ込みで設計し始めたということです。
Ripple、XRPL上のAIエージェント決済向け開発ツールをローンチ
Rippleが、XRP Ledger(XRPL)上でAIエージェント決済を実装するための開発ツール「XRPL AIスターターキット」の提供を開始しました。
Mastercardの発表と同じ週の動きで、エージェント決済の基盤づくりが各所で同時進行しています。
Stellar、2027年末までに量子耐性署名へ移行する計画を発表
6/9にステラ開発財団が、L1ブロックチェーンStellarの量子コンピュータ対策として、2027年末までに量子耐性署名(量子コンピュータでも破られにくい署名方式)へ移行するロードマップを発表しました。
「まだ先の脅威」とされてきた量子リスクに、主要チェーンが具体的な期限を切って動き出した点が注目です。
Botanix、Bitcoin L2を7月に閉鎖へ(DeFi需要不足)
Bitcoin L2のBotanixが、DeFi需要の不足を理由に7月でネットワークを閉鎖すると発表しました。
約4年の運営の末の決断で、ユーザーには出金期限が設定されています。
要は、乱立したBitcoin L2の淘汰が本格的に始まったということです。
イーサリアム開発者が新トークン標準を検討、プライバシーが再注目
イーサリアムの開発者コミュニティで新しいトークン標準「pERC-20」の検討が進み、プライバシー機能が再び注目を集めているとCoinDeskが報じました。
透明性が前提だったパブリックチェーンに実用レベルのプライバシーをどう組み込むかは、機関導入にも直結する論点です。
新規トークン調達(IEO/ICO/IDO)、Q2は85%減で5年ぶり低水準
2026年Q2の新規トークン販売による調達(IEO/ICO/IDO)が前四半期比85%減の5,800万ドルにとどまり、5年ぶりの低水準となる可能性があるとCryptoRankのデータで分かりました。
つまり、「トークンを売って資金を集める」というモデル自体が転換点を迎えているということです。
企業のBTC購入、1日5億ドル規模からほぼゼロへ急減
企業によるビットコイン購入が、ピーク時の1日5億ドル規模からほぼゼロへと急減しているとCoinDeskが報じました。
ETFからの資金流出と並行して、トレジャリー需要の枯渇を示すGlassnodeのデータです。
ここがポイントで、ここ1年の相場を支えてきた「企業の買い」という柱が細っており、需給構造の転換点を示すシグナルとして注目されています。
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