【06/19(金)~06/23(火)News Report】SBI新生信託銀行が信託型ステーブルコイン「JPYSC」を国内初発行へ / NYSE親会社ICEとOKXがトークン化証券で合弁 / イーサリアム財団が人員2割削減・Ethlabs始動など
主要ニュースまとめ
おはようございます。
06/19(金)~06/23(火)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
SBI新生信託銀行、円連動ステーブルコイン「JPYSC」を信託型で国内初発行へ
CoinPostによると、SBI新生信託銀行が6月中にも、円連動ステーブルコイン「JPYSC」を発行します。信託会社が裏付け資産を管理する「信託型」での発行は国内初となる見通しで、すでに金融庁の承認を取得しています。
これまで日本の円建てステーブルコイン(代表例はJPYC)は資金移動業者による発行で、1回あたりの発行額に上限がありました。信託型ではこの制約が外れ、1回の発行額に上限がなくなります。主な想定利用者は大口の法人決済や機関投資家で、グローバル企業の国境をまたぐ決済ニーズに応える狙いです。開発はシンガポールのStartaleグループと共同で進め、取り扱いはSBI VCトレードが担います。
つまり、日本のステーブルコインが「制度はできたが小口中心」という段階から、「大口・機関の決済に耐える本番のインフラ」へと進む象徴的な一歩です。信託型で上限が外れたことで、企業間決済や国際送金での実用が一気に現実味を帯びてきました。
NYSE親会社ICE、OKXとトークン化証券で合弁設立。NYSE上場株・ICE先物を開放へ
Decryptによると、NYSE(ニューヨーク証券取引所)を傘下に持つICE(インターコンチネンタル取引所)が、暗号資産取引所OKXと、トークン化・デジタル資産インフラの合弁会社を設立します。OKXの全世界およそ1.2億ユーザーに、トークン化したNYSE上場株やICEの先物へのアクセスを提供する計画です(規制当局の承認が前提)。
ICEは2026年初めに$25B(250億ドル)の評価額でOKXに出資しており、両社はすでに非米国居住者向けに原油のパーペチュアル先物で協業していました。今回の合弁はその関係を一段深めるものです。合弁の共同議長には、元ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏が就きます(2023年からOKXに関与)。
要は、伝統的な金融市場の総本山ともいえるNYSE側が、暗号取引所と組んで「株式や先物をトークン化してオンチェーンに載せる」動きを本格化させたということです。ウォール街のオンチェーン化が、実験段階から大手同士の本気の提携へと進んでいるのが見どころです。
イーサリアム財団、人員を約20%削減。元研究者らは「Ethlabs」を設立
CoinDesk Japanによると、イーサリアム財団(EF)が、改訂した使命と財務戦略に伴い、全体の約20%にあたる54のポジションを削減しました。共同エグゼクティブディレクターのHsiao-Wei Wang氏やTomasz Stańczak氏をはじめ、この半年で約9名の上級幹部が退職・異動しており、組織の地殻変動が続いています。
狙いは「より絞り込まれた」体制をつくり、イーサリアムの核心プロトコルの長期的な発展に集中することだとされています。これと表裏一体で、元EF研究者のAnsgar Dietrichs氏やBarnabé Monnot氏らが、非営利の研究開発組織「Ethlabs」を立ち上げました。あたらしい経済によると、Ethlabsにはビットコイン財務企業のBitMineやSharpLink、Joe Lubin氏が支援に回り、ステーブルコインやRWA、クロスチェーンなど機関採用に直結する研究に注力します。
これが意味するのは、イーサリアムの開発体制が「EFが核心プロトコルに専念し、エンタープライズ向けの研究は外部組織が担う」という形に再編されつつある、ということです。資金面・人材面の見直しがどんな成果につながるのか、しばらくは動向を追う必要があります。
その他のニュース
イングランド銀行、ポンド建てステーブルコインの規制案を公表。1コイン400億ポンドの発行上限へ
イングランド銀行が、システム上重要なポンド建てステーブルコインの行動規範案を公表しました。
個別の保有上限を撤廃する一方、1コインあたり400億ポンドの発行上限を設け、準備金の利付き英国債比率を60→70%に引き上げ、利回りの付与は禁止する内容です。意見公募は9/22まで。
MiCA移行と並ぶ主要管轄の制度設計で、「保有上限から発行上限へ」と規制の考え方が動いているのが見どころです。
リップル、ルクセンブルクCSSFからMiCAライセンスの予備承認を取得
Rippleが、ルクセンブルクのCSSFからMiCAのCASPライセンスの予備承認(green light letter)を取得しました。
既存のEMIライセンスと併せ、EEA30カ国で統合的な決済インフラを提供できるようになります。
7/1のMiCA移行期限を前に、大手が欧州での足場固めを急いでいます。
欧州議会ECON委員会、デジタルユーロ法案を43対14で可決。2029年導入へ前進
欧州議会の経済通貨委員会(ECON)が、デジタルユーロ法案を43対14で可決し、2029年の導入目標に前進しました。
オフライン/オンライン決済、ゼロ知識証明によるプライバシー保護、保有上限、無利息が柱です。米上院が同時期にFRBのCBDC発行を4年間(2030年末まで)禁じる法案を可決したのと好対照になっています。
「米国はCBDCを止め、欧州は進める」という対照が、ますます鮮明になってきました。
トランプ大統領、量子コンピュータ構築と暗号解読対策の大統領令に署名
トランプ大統領が、量子コンピュータの構築と、暗号解読への耐性強化に関する大統領令に署名しました。
ビットコインなどが将来直面しうる量子リスクへの政府対応を加速する内容です。
フランスANSSIの動き(前回掲載)と並び、「今のうちに耐量子化を」という流れが国家レベルで進んでいます。
WhiteBIT、オーストリアFMAからMiCAライセンスを取得。EEA全域へ
取引所WhiteBITが、オーストリアのFMAからMiCAライセンスを取得しました。
単一ライセンスでEEA全域に規制対応サービスを提供でき、EU専用サイトwhitebit.euを展開する予定です。
ここでも7/1の移行期限前の駆け込みで、認可取得の動きが続いています。
高市首相、「SANAE TOKEN」の承認を否定。金融庁への損失相談は3件
高市首相が予算委員会で、暗号資産「SANAE TOKEN」を本人・事務所とも承認していないと否定しました。
金融庁は6/18までに、DEXでの同トークン購入に関する損失相談を3件把握しています。
著名人を騙るミームトークン詐欺が、日本の政治の場で取り上げられる事態になっています。
サークルのUSDC・EURC、Cronosにネイティブ対応。CCTPも同時導入
CircleのUSDCとEURCが、Cronos上でネイティブ対応しました。
Cronosは、USDC・EURC・CCTP(クロスチェーン転送プロトコル)を同時にローンチする初のチェーンになるとしています。
ドル建て・ユーロ建ての両方で、DeFiやプログラマブル決済が動かせるようになります。
LINE NEXT、ステーブルコイン基盤「Unifi mini」をLINEミニアプリで提供開始
LINE NEXTが、ステーブルコイン基盤「Unifi mini」をLINEミニアプリとして日本で提供開始しました。
既存のLINEアカウントから使え、非カストディアルウォレットでJPYCの保有や報酬獲得ができます。
月間約1億人が使うLINE経由で、ステーブルコインを一気に身近にしようという狙いです。
Coinbase系L2「Base」、アップグレード「Beryl」を6/25実装。独自規格「B20」導入
Coinbase系L2のBaseが、アップグレード「Beryl」を6/25にメインネット実装します。
ステーブルコインや資産をネイティブ発行できる独自トークン規格「B20」を導入し、ETHの引き出し時間を7→5日に短縮します。
L2の機能拡張が続いており、Baseが独自の作り込みを進めているのがうかがえます。
フランクリン・テンプルトン、250 Digital買収を完了。「Franklin Crypto」部門を新設
運用資産1.7兆ドルのフランクリン・テンプルトンが、250 Digitalの買収を完了し、専門部門「Franklin Crypto」を新設しました。
機関投資家向けに、アクティブな暗号資産運用を提供する体制です。買収条件は非開示。
伝統的な大手運用会社が、暗号資産を正式な事業部門として取り込み始めています。
米現物ビットコインETF、直近30日で約64億ドルの純流出。上場来最大
米国の現物ビットコインETFが、直近30営業日で約63.5億ドルと、2024年の上場以来最大の純流出を記録しました。
同期間にビットコインは約17%下落しています(Galaxy Researchのデータ)。
弱気相場のなかで、機関マネーがいったん引き気味になっている様子が数字に出ています。
THORChain、約1,070万ドルのエクスプロイトから1ヶ月超ぶりに取引再開
THORChainが、約1,070万ドルのエクスプロイトから1ヶ月超ぶりに取引を全面再開しました。
セキュリティ改修とボールトの移行を経て、スワップや流動性提供を復旧しています。
DeFiの大型インシデントが、時間をかけて収束に向かった事例です。
イーサL2「Taiko」、状態検証機構が侵害。全ブリッジからの資金引き出しを勧告
イーサリアムのL2「Taiko」で、チェーンの状態を検証する仕組みが侵害され、全ブリッジからの資金引き出しが呼びかけられました。
セキュリティ企業Blockaidが侵害を検知し、被害は100万ドル超と見られています。
ブリッジの証明検証ロジックの不備が突かれた形で、L2のセキュリティ設計の難しさが改めて浮き彫りになりました。
Securitize、tZEROを相手取り「特許非侵害」の確認訴訟を提起
トークン化大手のSecuritizeが、tZEROを相手取り「特許を侵害していない」ことの確認を求める訴訟を起こしました。
tZEROからの警告通知(cease-and-desist)の約1週間後の提訴で、争点はトークン化証券のコンプライアンス自動執行などです。
ウォール街のオンチェーン化競争が、知財の摩擦という新しい局面に入ってきました。
元BIS事務総長カルステンス氏、ステーブルコイン批判を軟化。法定通貨との共存を支持
かつてステーブルコインに批判的だった元BIS事務総長のアグスティン・カルステンス氏が、姿勢を軟化させました。
「法定通貨とステーブルコインが共存できる条件を整えるべき」と述べ、金融包摂やイノベーションの可能性に言及しています。
中央銀行サイドの論調が、否定から「どう共存させるか」へと変わりつつあります。
Enso、500超のトークン化資産を扱うRWAアプリ・取引機能をローンチ
スイス拠点のEnsoが、500を超えるトークン化資産にアクセスできるRWAアプリと取引機能をローンチしました。
株式・ETF・米国債・コモディティなどを対象に、xStocks・Ondo Finance・Anchorage Digitalと連携しています。
トークン化資産を「ひとつのアプリでまとめて売買」する入り口が、また一つ増えました。
イーサのMEVボット「JaredFromSubway」、偽トークン悪用で約750万ドルの被害
イーサリアムの著名MEVボット「JaredFromSubway」が、偽トークンを使った不正な取引ロジックの悪用で約750万ドルを失いました。
運営者は、48時間以内に2,150ETHを返せば50%をバウンティとして渡すと持ちかけつつ、法的措置も警告しています。
攻撃者を狩る側のボットが逆に狩られるという、オンチェーンらしい一件です。
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