【Charms】AIキャラクター経済をオンチェーンへ — Base上でUSDCペアの「キャラクター・マーケット」を立てる / Lattice・Coinbase Ventures 等が出資 / @charms_ai
AIキャラクターに「魂」と「経済圏」を持たせる試みは、web3の新しい入口になるのか
おはようございます。
web3リサーチャーのmitsuiです。
今日は「Charms」をリサーチしました。
概要|Charmsとは?
変遷|AIキャラクター × オンチェーン経済の流れ
考察|「魂を持ったAI」が経済主体になる時代の可能性とリスク
TL;DR
Charms は「キャラクター・エコノミー」を掲げる コンシューマーアプリ。性格・推論メモリ・声・ビジュアルを持つAIキャラクターを誰でも作成でき、各キャラの周辺に経済圏が生まれる構造です。
オンチェーンの核心は Base 上の Clanker Custom 連携。公開キャラクターは Base 上で USDC ペアのマーケットを立ち上げ可能で、トレーダー・初期ファンがキャラの将来価値に参加できる仕組みです。
プライベートベータで 6,000 ユーザー / 10万チャット / $1M 超の取引高 を記録。2026年5月に Lattice・Coinbase Ventures 等から $1.5M Pre-Seed 調達済みで、パブリックローンチに向け加速中。
概要|Charmsとは?
Charms は 「The Character Economy starts now(キャラクター経済はここから始まる)」 をタグラインに掲げる、コンシューマー向けのAIキャラクター・プラットフォームです。
中核となるのは、誰でも作成できる 「魂を持ったAIキャラクター」です。性格(personality)・推論メモリ(reasoning memory)・声(voice)・ビジュアルアイデンティティ(visual identity)に加えて、経済圏(economy) を組み込めるのが他のAIキャラサービスとの最大の違いです。
◼️解決する課題
既存のAIチャットボット・キャラクターサービスには、いくつかの構造的な課題があります。
会話ごとに 記憶がリセットされる(ユーザーとの関係性が積み上がらない)
キャラクターの 権利・経済価値 が運営プラットフォームに帰属する
ファン・サポーターが キャラクターの成功に経済的に参加 する手段がない
クリエイターが キャラクターから直接収益 を得る経路が限定的
Charms はこれらを「オンチェーンのキャラクター・エコノミー」というアプローチで一気に解こうとしています。
◼️プロダクトの柱
1. 持続的な記憶を持つAIキャラクター
Charms のキャラクターは、最近の会話・関係性のコンテキスト・感情パターンを 継続的に推論 し、ユーザーごとの理解を時間とともに深めます。会話ごとにリセットされる従来のAIアシスタントとは異なり、長期的な「関係性」を築ける設計です。
2. キャラクター・マーケット(Base / USDC ペア)
公開されたすべてのキャラクターは、「Base」上で、USDC ペアのマーケットを立ち上げ可能 です。これは Clanker Custom とのパートナーシップ によって実現されています。
トレーダーや初期ファンは、好きなキャラクターの将来価値に 経済的に参加 でき、クリエイターは自分が生み出したキャラクターが生む価値と 直接的な金銭関係 を結べます。
3. クリエイター・ファン・トレーダーの三層構造
「キャラクターを作る人」「育てる人(チャットする人)」「投機する人(マーケット参加者)」が同じプラットフォーム上で相互作用します。これにより、キャラクターの人気とマーケット価値が相互に強化 される構造を狙っています。
◼️現在のトラクション
プライベートベータで 6,000 ユーザー
累計 10万チャット 以上
$1M 超の取引高
これらはパブリックローンチ前の数字で、すでに 「動いているコミュニティ」が存在 している点が重要です。
変遷|AIキャラクター × オンチェーン経済の流れ
Charms の登場は、AIとクリプトが交差する領域の構造的トレンドの上に位置付けられます。
◼️Character.AI が示した需要、そして見えた限界
「AIキャラクターと対話したい」という需要の存在は、Character.AI が証明しました。2024年時点で月間 2,000万ユーザー を超え、AIエンタメ市場の主要プレイヤーになりました。
しかし、Character.AI は 完全に中央集権 であり、キャラクターの所有権・経済価値はすべてプラットフォームに帰属します。ユーザーが愛着を持って育てたキャラクターも、運営の都合でモデルが変更されれば「別のキャラ」になりかねません。
この 「中央集権の限界」 に対する反作用として、Charms のような オンチェーン × AIキャラクター という設計が登場してきています。
◼️Base × Clanker × Memecoin 文化
Charms のオンチェーン基盤として選ばれた Baseは、ここ1年で Memecoin / Social Token のローンチプラットフォーム として地位を確立しました。
特に Clanker(誰でも数クリックでトークンを launch できるツール)は、Base 上で多くのコミュニティトークンを生み出しました。Charms はこの Clanker Custom 連携 を通じて、AIキャラクターを「Memecoin 的にローンチ」できる仕組みを取り込んでいます。
「キャラクター × Memecoin 文化」という掛け算は、ファンが「推し」を経済的に応援する新しい形を提案しています
◼️出資者陣の構成 — オンチェーンとAIの両軸
Charms は 2026年5月12日に $1.5M の Pre-Seed ラウンド を発表しました。
リード投資家と参加投資家の構成が、Charms の立ち位置を示しています。
リード: Lattice
機関投資家: JME Ventures、Coinbase Ventures’ Base Ecosystem Fund、Gidorah via Echo
グラント: World Foundation(Worldcoin / TFH 系の助成)
エンジェル: Ari Mannan、Henry Chen(GP, WAGMI Ventures)、Selo(Founder & CEO, Elevenyellow)、Rubén Domínguez Ibar(a16z Scout, The VC Corner 創業者)、Ben Friedel
Coinbase Ventures Base Ecosystem Fund が入っている点が決定的で、Charms は Base エコシステムの公式に推されるプロジェクト として位置付けられています。Worldcoin のエコシステム支援も得ており、「Worldcoin で人間性証明された人がキャラクターを作る」のような統合シナリオも視野に入りそうです。
◼️競合・並走プレイヤー
Character.AI: 大手・中央集権。経済圏なし、所有権なし
Replika: AIパートナー特化。経済圏なし
Friend.tech(過去): SocialFi の先駆けだが「人間関係」中心、AIキャラクターではない
Pump.fun / Clanker(Base / Solana): Memecoin ローンチパッド。キャラクター × AI の要素は薄い
Virtuals Protocol: AI agent をオンチェーン化、トークン化。Charms はより「キャラクターの人格」に寄った設計
Charms のポジションは 「Character.AI + Pump.fun」のハイブリッド、より正確には 「持続記憶 × 経済圏 × オンチェーン」の三位一体 という独自の位置取りです。
考察|「魂を持ったAI」が経済主体になる時代の可能性とリスク
Charms が問いかけているのは、「AIキャラクターは、それ自体が経済主体になり得るのか」という根本的な問いです。
◼️強み
1. 「キャラクターを所有する」という新しい体験価値
ユーザーが愛着を持って育てたキャラクターが、自分の資産として持続的に存在し、価値を生む という体験は、既存のAIサービスにはありません。NFTがアート所有を再定義したように、Charms は AIキャラクター所有 を再定義しようとしています。
2. Coinbase Ventures + Base Ecosystem の支援
Base はCoinbase が直接運営する Layer 2 で、Coinbase アカウントとシームレスに接続できます。1億人以上の Coinbase ユーザーがオンランプ になり得る点は、独立プロジェクトには真似できない優位性です。
3. プライベートベータで実証済みの数字
6,000ユーザー・$1M+ 取引高は、Pre-Seed 段階としては十分な実証です。「PMFのシグナル」が出ているプロジェクトと言えます。
4. クリエイター・ファン・トレーダーの三層循環
各レイヤーが互いに価値を生むエコシステムが回り始めると、ネットワーク効果が指数関数的に効く 設計です。
◼️弱み・リスク
1. Memecoin 的な投機過熱と「キャラクター価値の本質」の乖離
キャラクターのマーケット価格が キャラクター自体の魅力ではなく投機要因で動く ようになると、本来の体験価値が薄れます。Friend.tech が短期で盛り上がってから急速に冷えた経緯と似た轍を踏む可能性があります。
2. AIモデルの「人格」の持続性
「魂を持ったキャラクター」が魅力的なのは、その人格が一貫している前提です。ベースとなるLLM(GPT / Claude / Llama 等)が更新されたとき、キャラクターの「人格」をどう保つかは技術的に難しい課題です。
3. 規制リスク(米国・EU・日本)
「キャラクターのマーケット」が未登録の証券に該当する可能性 は、Pump.fun に対する SEC のスタンスを見ると無視できません。CLARITY 法の進展次第で、規制環境が大きく変わります。
4. コンテンツ・モデレーション
ユーザー生成のAIキャラクターは、有害コンテンツや著作権侵害(既存IPの模倣等)のリスクを内包します。スケール時のモデレーション体制 が試金石になりそうです。
◼️個人的な見解
Charms は 「AIキャラクター × オンチェーン × クリエイター経済」 という3つのトレンドが交差する場所に立っており、当たれば大きい一方、外せば一気に冷える性質のプロジェクトと感じます。
特に注目したいのは、Coinbase Ventures Base Ecosystem Fund のバックアップ という構造的な強みです。Base 自体が「Onchain Summer」キャンペーン等でユーザー獲得に積極投資している中で、Charms がその主要事例の1つになる可能性は十分にあります。
一方で、Character.AI が示した通り「AIキャラクター × エンタメ」需要は本物ですが、経済圏を組み込むことで複雑さも倍増 します。Pre-Seed 後の半年〜1年で パブリックローンチ後のリテンション をどれだけ維持できるかが、最初の試金石になりそうです。
参考リンク
公式サイト: charms.ai
The Block(調達発表): Charms Raises $1.5M Pre-Seed to Bring the AI Character Economy Onchain
Decrypt: Charms Raises $1.5M Pre-Seed
TechCrunch: Charms closes $1.5M pre-seed
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