おはようございます。 9/9(水)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
OpenAI researcher allegedly pressured mathematician to drop Anthropic co-author from math breakthrough paper
数学者のTristan Buckmaster氏が、共著者のLevent Alpöge氏がAnthropicに所属していることを理由に、OpenAIのSebastien Bubeck氏から著者を外すよう二度求められたと公表しました。
断ると”Why would you ruin your career?”と言われた、と本人は書いています。OpenAIによれば、証明は約10,000体の協調するエージェントが88時間で出したものです。OpenAI側は、公開前に相手の作業を見ていないと否定しています。
ただしBuckmaster氏自身は、その証明を見ておらず、データが使われたかも分からない、誰かを非難しているわけではない、と明記しています。告発ではなく経緯の記録です。
Meta debuts its Muse AI agent. Will consumers trust it?
MetaがパーソナルAIエージェントのMuseを発表しました。専用の仮想マシンMuse Secure VMの中で自前のブラウザを動かす作りで、パスワードや決済手段は見えず、会話やデータを広告システムにも渡さない、とTechCrunchは伝えています。
できるのはメールの送信、旅行の予約、フォーム入力、レシピのリールから買い物リスト作り、そして購入までです。muse.aiとiOS・Androidのアプリ、WhatsAppから使え、料金は基本無料に加えてPower($20/month)とMaximum($100/month)です。
動かしているのはMuse Sparkです。TechCrunchは、ソーシャルメディアの消費者被害をめぐる$18 billionの多州和解から2週間足らずでの投入だと書いています。
AlphaGenome Atlas: a high-resolution map of human DNA
GoogleがAlphaGenome Atlasを公開しました。ヒトゲノムで起こりうる一文字の変化9 billion件すべての調節への影響を、AlphaGenomeであらかじめ計算した1ペタバイトのデータセットです。
新たにAlphaGenome Variant Impact(AVI)スコアが入り、コード領域と非コード領域の予測を1つにまとめて、優先順位を付けやすくしました。54,000人超のUK Biobank参加者のデータに当てた例では、非コード領域の関連が22%多く見つかっています。
Google DeepMind側の告知には、医療上の助言や診断の代わりにはならないという注記も付いています。ここがポイントで、変異ごとに計算し直す作業が、引いて確かめる作業に変わります。
その他のニュース
ASML locks in TSMC, Samsung, and Intel while Huawei races to break its grip
The DecoderがBloombergとFinancial Timesの報道として、ASMLのHigh-NA EUV露光機をめぐる各社の動きを伝えました。Samsungは2028年、TSMCは2030年から量産に使う計画とされています。
12インチのフォトマスクへ移す取り組みは、ASMLの技術責任者Marco Pieters氏の話としてHigh-NA機のスループットを40%引き上げうるとされています。TSMCとASMLは2031年に12インチマスクのテストラインを作り、High-NA機での量産適用は2033年の予定です。
中国側ではHuaweiがEUVではなくDUVに寄せ、上海のYuliangshengを支えて年内に12台の製造を目指しています。ただし詰まりどころは投影レンズと光源です。YuliangshengはZeiss製レンズを使っているとFinancial Timesは伝え、Zeiss自身はASMLにしか売らないとしていますが、関係者は中古市場を指しています。HuaweiのVC部門Haboは、Zeissの対抗馬にあたるFujian Zhiqi PhotonicsやBeijing RSLaserを支えています。つまり、装置の世代交代の予定表が、数年単位で先に埋まりつつあるということです。
Meta drops AI usage from engineer performance reviews after “tokenmaxxing” backfires
Metaがエンジニアの人事評価からAIの利用量を外した、とThe Decoderが伝えました。The Informationが見た社内メモの文言として”AI dashboards and token counters won’t factor into performance reviews anymore.”が引かれています。
背景は”tokenmaxxing”と呼ばれた行動です。社内のリーダーボードで見栄えを良くするために、トークンを大量に燃やす社員が出ていました。今後は仕事の質・速さ・複雑さで評価するとしています。
社内のAI利用コストは2026年に数十億ドル規模へ向かっているとされ、2027年から予算枠と中央ダッシュボードを入れます。採用の場面でAIスキルを条件に加える金融機関の動きが伝えられたばかりですが、こちらは評価指標から利用量そのものを外した話です。
Google Cloud races to catch up in the AI deployment wars with Accenture deal
GoogleとAccentureが提携を深め、Accenture Gemini Enterprise Business Groupを新設します。GoogleはAccentureのforward-deployed engineerを最大1,000人訓練し、企業向けのAIアプリをGemini Enterprise上で作らせます。
TechCrunchによれば、Google Cloudの第2四半期売上は$24.8 billionで、Alphabetの購入コミットメントと契約上の債務は6月30日時点で$811 billionと報じられています。今年に入ってからは$750 millionのパートナーエコシステム投資も動いています。
TechCrunchが引くRampの8月のデータでは、同社の米国顧客のエンタープライズAI支出のうちGoogleは約6%、Anthropicが43.5%、OpenAIが39.7%です。要は、投資額でも人員でも押している側が、実際の支出シェアでは3番手にいるということです。
Chrome is now shipping updates every 2 weeks as AI changes the security landscape
Chromeが4週間ごとから2週間ごとの更新へ切り替えました。米国時間9月8日に出たChrome 153から、デスクトップ・iOS・Androidで適用されます。
Googleの説明として、自動化されたAIツールとコミュニティのバグ報告でパッチの量が増えたこと、AIに起因するものを含む動きの速い脅威には、修正が公開コードベースに入ってから利用者に届くまでの窓を縮めるほうが効くことが挙げられています。狙いは脆弱性が知られてから修正が届くまでの空白を短くすることです。
Chromeは2021年に6週間から4週間へ縮めています。TechCrunchによれば、Mozilla、Microsoft、BraveもChromeに続いて同じ2週間の間隔を採り始めているとされています。つまり、ブラウザの更新間隔が攻撃側の速度に合わせて詰められているということです。
Google deepens its commitment to Finland with a €13 billion investment in AI infrastructure
GoogleがフィンランドへのAIインフラ投資として、今後2年間で€13 billionを投じると発表しました。デジタルインフラ、クリーンエネルギー事業、地域との経済連携が対象です。
建設が進む2027年と2028年に全国で37,000人以上の雇用を支え、フィンランドのGDPに年間€3.6 billion寄与するとしています。Hamina、Kajaani、Muhos、Vaalaの4地域には4年で€31 millionを入れ、4,400人を超える労働者向けのAI研修と、学生100人分の訓練枠も作ります。
電力側はLoviisa原子力発電所の運転延長を支える22年契約、新規の陸上風力、94メガワットのバッテリーの組み合わせです。ここがポイントで、データセンターの話が電源の手当てとセットで出てきています。
Missouri and Google partner on AI and career training
GoogleがMissouri州のDepartment of Elementary and Secondary Education(DESE)およびDepartment of Higher Education and Workforce Development(DHEWD)と、州全体の提携を結びました。教員10万人近くと、K-12・高等教育の学生110万人超が無償で使えます。
提供物はGemini for EducationとGemini Notebook、Google AI Educator Series、Google AI Professional Certificate、Google Career Certificates(AI・サイバーセキュリティ・データ分析・IT support等)です。Gemini for Education内の会話とデータは、Googleのモデルの学習には使われません。
導入は各学区・各大学の任意で、州民はMissouri Job Center経由で無料受講できます。Googleは研究を引いて、AIが教員の時間を週平均で最大10時間節約しうるとしています。つまり、ツールの配布に加えて資格の取得まで含めた州単位の枠組みだということです。
Hackers are stealing Claude tokens from subscribers
Claudeの契約者から利用枠が第三者に消費されている、とTechCrunchが伝えました。Anthropicの説明は”a compromised Claude session key was used to mint unauthorized Claude Code OAuth tokens.”で、PCからログインセッションを盗むinfostealerマルウェアが使われているとしています。
英East Sussexの独立AIコンサルタントGrant De Swardt氏はClaude Max 20xを契約しており、作業を止めた検証区間で消費が45%から55%へ増えました。$200/月の契約に対し、残期間分として£44.49の一部返金を受けています。
ほかにも、消費が0%から100%まで自動で進んだ、12分で0%から49%になった、3日続けて上限まで使われた、といった報告が出ています。つまり、盗まれているのは鍵で、売り物になっているのは月額プランの利用枠のほうだということです。
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