【8/13(木)News Report】ゴールドマン・サックスがNEOSを最大$2.25Bで買収合意 / MUFGが国債レポのオンチェーン化実証へ / 予測市場にNYC市議会とCFTCが同時に圧力など
主要ニュースまとめ
おはようございます。 8/13(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
ゴールドマン・サックス、NEOSを最大$2.25Bで買収合意。BTC・ETHのインカムETF3本も取得
ゴールドマン・サックスが、ETF運用会社のNEOSを最大$2.25Bで買収することに合意しました。完了予定は2027年Q1で、規制当局の承認と通常のクロージング条件が前提になります。
移管される暗号資産関連のETFは3本です。Neos Bitcoin High Income ETF(BTCI、純資産$1B超)、Neos Boosted Bitcoin High Income ETF(XBCI、約$111M)、Neos Ethereum High Income ETF(NEHI、約$77M)です。いずれもBTCやETHを直接買う商品ではありません。オプション戦略で月次のインカムを生む設計になっています。
NEOSは6月30日時点で19本のオプションインカムETFに$30Bを運用しています。統合後のETF資産は$130B超となり、モーニングスターの集計ではアクティブETFの運用者として世界8位に位置づけられます。ここがポイントで、大手投資銀行が自前でBTCのETFを組成するのではなく、すでに走っている運用者ごと買うという入り方を選びました。
MUFG、国債レポのオンチェーン化実証へ。Canton NetworkとProgmatを活用
三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行の4社が、米Digital AssetおよびProgmatと組み、機関金融向けブロックチェーンのCanton Network上で国債レポのオンチェーン化実証を行います。レポ取引とは、債券を担保に資金を貸し借りする取引のことです。
実証は2本立てです。ひとつは、振替債の法的枠組みを維持したまま日本国債(JGB)とデジタルマネーを同期して決済するものです。もうひとつは、Secured Finance AGのレンディングプロトコルを使ってレポ取引のライフサイクル全体をトークン化するものになります。金融庁の決済高度化プロジェクト(PIP)の支援先としては、2026年2月にすでに決定していました。
国債を担保にしたレポは2024年末で世界約$16兆の市場で、うち日本が約1割を占めます。日経の報道をもとにしたCoinPostの第一報では、2027年度からの商用化を目指し、2029年度中の本格展開を視野に入れているとも伝えられています。見どころは、トークン化の実証が「新しい資産を作る」側から「既存の国債決済を速くする」側へ移ってきたことです。
予測市場に規制の圧力が2方向から。NYC市議会が調査を開始し、CFTCは申請の不備に警告
ニューヨーク市議会が、予測市場のマーケティング手法についての調査を始めました。対象はKalshi、Polymarket、Coinbase、Gemini Titanの4社で、市議会議長のJulie Meninが各社に書簡を送っています。監督・調査委員会の委員長はShekar Krishnan市議です。Krishnanは、Polymarketのようなアプリが野放しのまま急拡大していると述べ、その広がりは若年層や未成年を欺くマーケティングで引き込み、搾り取ることによるものだと批判しました。
同じ週に、CFTCも水曜付でガイダンスを出しています。CoinDesk Japanの報道によれば、イベント契約のプラットフォームからの申請が増える一方で、手続的または実体的に不備のあるものが目立つとして警告しました。一部のリワードプログラムは出来高目標のためだけに取引する誘因を生み、見せかけの売買(ウォッシュトレード)や事前に取り決めた取引を招きうるとも指摘しています。マーケットメイカーの損失をリベートで補填するプログラムも同じ扱いです。対象になるのは、CoinDesk Japanが挙げるKalshiやPolymarketのような事業者です。
要は、前号でお伝えした「CFTCが緊急権限でKalshiの営業を守った」件とは向きが逆です。同じ規制当局が、守る側と締める側を同じ週にやっています。
その他のニュース
Copperの米国法人、FINRA会員に。SEC登録ブローカーディーラーとして稼働へ
Copper Markets (US) Inc.がFINRAの会員として承認されました。会員番号は338029で、SEC登録の承認は8月7日付、報じられたのが8月13日という順です。
提供予定は、顧客資産を預かって管理する適格カストディ、ステーキング、ファイナンス、OTCです。担保をカウンターパーティ間で移動できるClearLoop Networkへのアクセスも含みます。
登録ブローカーディーラーとして顧客資産を保有するため、SEC規則上のQualified Custodianに該当し得ます。つまり、機関投資家が社内規程のうえで使える預け先の候補が1つ増えました。
香港ドル建てステーブルコインHKDAPがローンチ。発行体はAnchorpoint Financial
発行体のAnchorpoint Financialは、Standard Chartered Bank (Hong Kong)、Animoca Brands、香港電訊(HKT)が創業パートナーです。HKMA(香港金融管理局)の現行規制枠組みのもとでローンチした、初の香港ドルステーブルコインとされています。
まずは機関投資家とプロ投資家に向けたベータ展開で、配布パートナーはOSL GroupとHashKey Exchangeです。初期のユースケースは国際決済とRWAのトークン化になります。
個人向けは市況次第で2026年末までに広げる予定です。つまり、規制の枠に収まる形での発行が先に決まり、誰に配るかは段階を踏むという順番になっています。
韓国KakaoPay、ウォン建てステーブルコインの発行を準備。Circleと7月にMOU
KakaoCorp、KakaoPay、KakaoBankの3社が、7月にCircleとMOU(基本合意書)を締結済みです。発行・流通に携わる人員の募集も始めています。
ステーブルコインとトークン化資産を保有できる「スーパーウォレット」を開発中で、KakaoPayの既存4,000万ユーザーの基盤に統合する計画です。
2024年時点で韓国のステーブルコイン流通額はGDP比3.2%と、米国の1.1%を上回ります。要は、決済アプリ側にすでに人がいる国では、配る場所を作る話より配るものを作る話が先に来ます。
メタプラネットCEO、5,014BTCの移動は売却ではないと説明
移動したのは5,014 BTC(約$322M)で、ネットワーク手数料は約$8でした。保有総数は43,000 BTCで変わっていません。
CEOのサイモン・ゲロヴィッチ(Simon Gerovich)は売却を否定し、自社のカストディアドレス間でのルーティン操作だと説明しました。同社は全アドレスを公開しており、オンチェーンで検証できる点を強調しています。
ここがポイントで、保有アドレスを開示している会社は、資金の動きが見えるぶん売却疑惑も先に立ちます。開示の代償として、こうした説明が定期的に必要になります。
Strategy、BTCが$21,000まで下げても担保不足にならないとするデータを公開
Michael Saylorが、BTC価格を変化させて負債の安全余裕を試算できるWebページを共有しました。記事内の参照価格は$63,701です。
優先株STRCが担保不足になるラインはBTC $16,184未満で、$21,000への下落でも担保不足には至らないとしています。信用リスクに応じた上乗せ金利(クレジットスプレッド)は115bpと算出されています。
直近では優先株の買戻しのためにBTCを売却し、同時に普通株の売却でドル準備を積み増しています。要は、下値の安全余裕を数字で見せながら、手元の現金も並行して厚くしています。
Securitize、Q2のトークン化運用資産は$4.3Bまで伸びるも収益は減少
2026年Q2のトークン化運用資産は$4.3B(前年同期比+16%)でした。一方で総収益は$14.4M(-5%)、トークン化収益は$7.8M(-12%)、純損失は$21.7M、営業費用は$24.1M(+56%)です。
株価は引け値$7.86から時間外で約16%下げて$6.61になりました。
つまり、預かる資産と取引は伸びているのに、収益はついてきていません。トークン化の成長がどこまで収益に変わるのかを測る、初期の物差しになる決算です。
BitGo、CFOが9月15日に退任。Q2は純損失$19M
CFOのEdward Reginelliが2026年9月15日に退任します。Q2は純損失$19.0M、収益$4.33B(前年同期比+79.6%)、顧客数5,833(+26.2%)、プラットフォーム上の資産$65.2B(-27.8%)でした。
調整後EBITDAは前年同期の$3.0Mの黒字から$4.2Mの赤字に転じています。6月に人員の15%削減を発表し、Q2には$1.3Mの再編費用を計上、年間$15Mのコスト削減を目標に置いています。
見どころは、顧客数が増えているのに預かり資産が減っている点です。数が伸びても単価と残高が落ちれば、収益は追いつきません。
SEC職員、FranklinのオンチェーンMMFを現金・担保として使うことを容認
対象はFranklin OnChain U.S. Government Money Fund(FOBXX)と、そのシェアをブロックチェーン上で表すBENJIです。8月12日時点の資産総額は約$726.6Mでした。
SECのDivision of Investment Managementが8月12日付の書簡で、Franklin Templetonの米国登録ファンドが同ファンドのシェアを保有しても執行措置を勧告しないと表明しました。当局の職員が「この形なら執行措置を勧告しない」と示す文書、いわゆるノーアクションレターにあたります。Rule 17f-2の一部を12の条件付きで免除する内容です。
条件には、ファンド取締役会の承認、年次レビュー、ファンドごとの分別ウォレット、日次照合、独立会計士による年3回以上(うち2回は抜き打ち)の検証、鍵のセキュリティ手順が並びます。要は、オンチェーンのMMFを現金相当として扱ってよいかどうかが、運用の手続き要件の束に翻訳されました。
SEC、上場トークン化証券の「イノベーション例外」を推進
SECが、取引所に上場するトークン化証券向けの「イノベーション例外」を進めています。Paul Atkins委員長は、長期的なルールを委員会が整備するあいだ、市場参加者が法令に沿ったオンチェーン取引を始められる限定的な枠組みを与えるものだと説明しました。この発言には、委員会や他の委員の立場を代表するものではないという留保が付いています。
Hester Peirce委員が支持声明を出しており、原則は「トークン化証券もやはり証券である」というものです。起点はBloombergの8月11日報道で、前号の対象期間に出た取りこぼしにあたります。The Defiantの掲載は8月13日です。
前号のPickupで扱った「Regulation Crypto」とは別件です。8月14日の公開会合の議題に入っているのは暗号資産を含む一部の投資契約に向けた募集制度のほうで、トークン化証券の例外は議題の外にあります。
Zerohashの米国信託銀行の認可申請、OCCが返戻
Morgan StanleyのE*Tradeなどにインフラを提供するZerohashが、通貨監督庁(OCC)から全国信託銀行の認可を得られませんでした。OCCが申請を「却下」ではなく返戻(returned)としたのは2026年7月17日で、報じられたのはその約1ヶ月後です。
OCCの方針上、返戻は申請に重大な不備があることを意味します。理由は開示されていません。Zerohash側は事務手続きの範囲だと説明し、対象範囲を絞った段階的なアプローチで月内に再提出するとしています。既存業務への影響はないという立場です。
OCCは最近、Circle Internet Group、Ripple、Paxos Trustなどに予備承認を出しています。つまり、門そのものは開いているのに今回は通れませんでした。何が分かれ目になったのかは、理由が開示されていないため外からはわかりません。
アリゾナ州の暗号ATM法、詐欺被害者35人に$171Kを全額返金
被害者35人が、計$171,332の全額返金を受けました。根拠になったのは2025年9月26日に施行されたHouse Bill 2387です。
返金を請求するには、不正な取引から30日以内の届け出が必要です。新規顧客の1日あたりの上限は$2,000(既存顧客は$10,500)で、ここでいう新規顧客とは、その事業者の利用が10日未満の人を指します。
州司法長官のKris Mayesは、アリゾナ州法のもとで受け取れる返金について、暗号ATM詐欺の被害者を支援できることを喜ばしく思うと述べています。要は、詐欺そのものを止めるより先に、返金の導線を法律で用意した形です。
ハワイ州の暗号ATM禁止、10月1日に施行
根拠法はHouse Bill 1642です。2026年5月に州議会が可決し、7月にJosh Green知事が署名、施行は2026年10月1日になります。ハワイには現在57台の暗号ATMが稼働しています。
2025年にハワイ州民から寄せられた苦情は826件、被害額は$80Mでした。法案が引用したFBIのデータでは、全米で2025年のデジタル資産関連の詐欺被害が$11B超に上っています。
ハワイはMinnesota、Tennessee、Indianaに続く4番目の全面禁止州です。ここがポイントで、同じ暗号ATMという装置に対し、返金で救う州と設置そのものを禁じる州に、対応が割れてきました。
Boltz、創業者が離脱。匿名のBitcoin開発者グループが停止中のスワップ事業を引き継ぎ
創業者らが離脱し、名前を明かさないベテランBitcoin開発者のグループが引き継ぐことで合意しました。新しい運営陣は、脆弱性の特定と修正が終わるまでのあいだ資本とエンジニアリングを提供します。
停止の理由は、数ヶ月にわたるAI支援型の攻撃が頻度・強度・巧妙さのいずれも増したことです。攻撃側が、開発チームが欠陥を見つけて塞ぐより速く手を変えていたと説明されています。サービスは8月3日に停止済みで、Webアプリは「Swap Services Disabled」と表示し、APIは返金用に稼働を続けています。
同社はいくつかの攻撃が成功して損失が出たことを認めつつ、利用者が自分で資産を保管する方式(ノンカストディアル)のため、ユーザー資金は一度も危険にさらされていないとしています。つまり、守る側が手を動かす速さそのものが追いつかなくなった事例です。
TxのXRPLブリッジから約20万XRPが流出。偽の入金記録を本物と誤認
Tx ChainとXRP Ledgerをつなぐブリッジから、約200,000 XRP(約$202,000)が流出しました。攻撃は8月9日に起きており、報じられたのが8月13日です。97分のあいだに94回の支払いが実行され、28リレーヤーのうち17がそれぞれの支払いを承認しました。
ブリッジのソフトウェアが、実際にはXRPを1つも届けていない取引を入金として誤って記録していました。攻撃者は自己宛の送金で偽の入金記録を作り、裏付けのないXRPをTx Chain上で新規発行(ミント)して、通常の出金経路で本物のXRPに換えています。
盗まれた資金はETHに変換され、THORChain経由でTornado Cashへ送られました。Txはブリッジを停止してコードを修正し、FBIに連絡しています。要は、資産を預かったかどうかの確認が甘いと、ブリッジは自分から偽札を刷ります。
Coldcardのハック後、233,000 BTCが安全な保管先へ移動
7月30日を起点とする複数波の攻撃で、これまでに約$130Mが盗まれています。盗難量の集計は分かれており、Galaxy Researchは5,200超のアドレスから1,596 BTCとしています。今回新しいのは、その後のオンチェーンの退避データです。
長期保有者のウォレットから233,000 BTC(約$15B)が退避し、うち22,000 BTCが取引所へ移りました。
原因はファームウェアのバグで、セキュリティ強度が128ビットから約40ビットまで落ちていました。影響を受けたのは2021年3月から2026年7月までのv4.0.1〜v4.1.9で、ColdcardはカナダのCoinkite社製です。要は、機器1機種のバグが$15B規模の保管先の組み替えを引き起こしました。
Pump.funのローンチパッド手数料シェアが4割台へ低下、直近週で再び5割超に回復
ローンチパッド(トークンを新規に発行して売り出す場)全体の手数料は、6月13日〜7月12日の$42.53Mから7月13日〜8月11日の$75.39Mへ77%増えました。Pump.funの手数料額も$24.45Mから$31.83Mへ30%増えています。
ただしシェアは57.5%から42.2%へ落ち、8月11日の週に51.7%まで戻しました。最大の対抗馬はPonsで、30日で2バージョン合計$19.80Mを集め、Pump.fun以外のどのローンチパッドより多くなっています。Uniswapのpools.tradeは8月5日に手数料ゼロで始めましたが、$806,000にとどまりました。
ミームコイン市場は8月12日時点で$25.15Bと、暗号資産市場$2.27兆の1.11%です。2024年12月のピーク$150.6Bからは83%減っています。つまり、市場そのものが縮むなかで、場所を取り合う競争だけが激しくなっています。
Bitwise CIO、プロトコル収益がトークンに紐づけば暗号資産の評価額は倍増しうると発言
Bitwiseの最高投資責任者(CIO)Matt Houganが、収益をトークンの買い戻し(バイバック)や焼却(バーン)に回すプロトコルが増えることで、評価額は少なくとも倍になりうると述べました。DeFiアプリとL1が今後12〜24ヶ月でこうした還元の仕組みを採り入れると見ています。
実例として挙がっているのは、昨年$800M超の収益の約99%をHYPEの買い戻しと焼却に充てたHyperliquid、2025年12月22日にプロトコル手数料を有効化してUNIの焼却と連動させたUniswap、買い戻し開始から10ヶ月で205,000 AAVE超を購入したAave DAOです。
Houganは、Bitcoin以外の暗号資産がネットワーク上の活動がネイティブトークンの価値に流れ込む収益駆動型の市場になりつつある、と表現しています。要は、値動きの根拠を物語からキャッシュフローへ移そうという主張です。
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