【7/15(水)~7/16(木)News Report】日本が暗号資産を金融商品に再分類 / DTCCがトークン化証券の本番取引を開始 / StripeとAdventがPayPalに$53Bの買収提案など
主要ニュースまとめ
おはようございます。
7/15(水)~7/16(木)の主要ニュースを紹介します。
Pickup News
日本、暗号資産を金融商品に再分類する改正法が成立。税率は最大55%から一律20%へ
金融商品取引法と資金決済法の改正が7/15に国会で成立し、暗号資産が「決済手段」から「金融投資商品」へと再分類されることになりました。CoinDesk Japanが報じています。新ルールの施行は2027年、税率の引き下げは2028年からです。
これまで暗号資産の利益は雑所得として最大55%が課されていましたが、国税15%+地方税5%の一律20%へ下がります。株式や投資信託と同じ土俵に揃うということです。あわせて無登録業者への罰則は最大懲役3年から10年へ、罰金の上限は300万円から1000万円へと強化され、インサイダー規制や開示義務も拡充されます。
ここがポイントで、現物ビットコインETFの法的な障害が取り除かれました。ETF自体はまだ承認されていませんが、制度の土台は整った形です。
DTCC、トークン化証券の本番取引を開始。20社超が参加し10月に本格ローンチ
米株取引の大半を清算するDTCCが、トークン化されたRWAの初の本番取引を実施したと発表しました。マイアミで開催されたConsensus 2026での公表で、CoinDesk Japanが報じています。JPMorgan、Goldman Sachs、BlackRock、Vanguardなど20社超が参加しました。JPMorganはInvesco QQQ Trust ETFの保有分をトークン化資産に変換し、そのトークン化担保でCMEグループの中央清算機関の証拠金要件を満たしています。
対象はトークン化株式、Invesco QQQやSPDR S&P 500といったETF、そして米国債です。担保の移転、レポ取引、証拠金の移動、証券取引、資産移転までをカバーし、10月に本格サービスを開始する予定です。
注目したいのは、既存の「ラッパー」型トークンと違い、法的な所有権・配当・議決権が原資産とまったく同じである点です。つまり実証実験ではなく、既存の証券インフラそのものがオンチェーンに乗り始めたということです。
StripeとAdvent、PayPalに$53Bの買収提案。BridgeとPYUSDが1社傘下に
StripeとプライベートエクイティのAdventが、PayPalに総額$53B超の買収提案を行っていると、Reutersが報じました。あたらしい経済が伝えています。提案自体は7月初旬に提出済みで、7/15に報道で明らかになった形です。
条件は1株$60.50で、7/14の終値に対して約28%のプレミアムが乗ります。両社は銀行から約$50B規模の融資コミットメントを確保しており、統合後は等分出資となる想定です。4月初旬の初回アプローチに対して、PayPalは反応を示さなかったとされます。
要は、成立すればStripe傘下のBridgeと、PayPalのPYUSDという主要なステーブルコイン事業が同じオーナーの下に入るということです。決済大手の再編が、ステーブルコインの勢力図を直接動かす局面に入ってきました。
その他のニュース
米、イラン中央銀行の暗号資産ウォレット4件を制裁指定。Tetherが$131M相当を凍結
米財務省がイラン中央銀行に紐づく暗号資産ウォレット4件を制裁対象に追加し、Tetherが該当する$131M相当の資産を凍結しました。
中東情勢の緊張を背景に、制裁の網が銀行口座だけでなくオンチェーンのアドレスにも広がっています。
つまり、ステーブルコイン発行体が制裁執行の実働部隊として機能する構図が定着してきたということです。
韓国、1950年制定の国家財産法を改正し暗号資産を「国家資産」に分類へ
韓国の企画財政部が経済ロードマップを発表し、1950年制定の国家財産法を76年ぶりに改正して、暗号資産と知的財産を国家資産の定義に含める方針を示しました。あわせてブロックチェーン台帳を証券登記簿として法的に認めます。
具体策はトークン化国債と国有不動産のトークン化です。国債は2027年にパイロット運用を始める予定で、取引コストの削減と送金の迅速化を見込んでいます。
要は、国家財産の管理そのものをオンチェーンに寄せていく設計図が出てきたということです。
ホワイトハウス、CLARITY法の「倫理条項」を巡り上院議員との高官級会談を計画
ホワイトハウスが、市場構造を定めるCLARITY法の「倫理条項」を巡り、上院議員との高官級会談を計画していると報じられました。トランプ大統領も出席する予定とされます。
政府高官の暗号資産セクターにおける個人的なビジネス利益をどう制限するか、条文への書き込み方が法案最大の詰めどころになっています。
要は、法案の中身そのものより「誰の利益を制限するか」が最後の関門になっているということです。
米上院、SBFへの恩赦に全会一致で反対決議を可決
米上院が、FTX創業者サム・バンクマン・フリードへの恩赦に反対する決議(S.Res.772)を全会一致で可決しました。同氏は25年の刑に服しています。
恩赦の観測が取り沙汰されるなか、議会が党派を超えて明確に反対の意思を示した形です。
全会一致という結果が、FTX事件に対する政治の空気を物語っています。
Ostium、オラクル攻撃で$18Mを流出
Arbitrum上でRWAの永久先物(perpetuals)を扱うDEXのOstiumが、オラクル攻撃で$18M相当のUSDCを流出させました。セキュリティ企業Blockaidが検知しています。
攻撃者は登録済みの価格フィード「PriceUpKeep」forwarderを使い、未来の日付を付けたオラクルレポートを提出することで、見かけ上の取引利益を計上させたとされます。
つまり、外部データに依存するDeFiの構造的な弱点が、またオラクル経由で突かれたということです。
2017年のピーク以降休眠していたビットコインウォレットが$383Mを移動
2017年のピーク以降およそ8年間動いていなかったビットコインウォレットが、7/16に保有する5,908 BTC(約$383M相当)を全額移動させました。Arkmのオンチェーンデータで確認されています。
取得時からの含み益は約284%にあたります。移動先は取引所の入金アドレスではなく「bc1q」で始まる新しい未特定のアドレスで、直接の売却は行われていません。
取引所に送られていない以上、すぐ売るとは限りません。ただ8年黙っていた古参が動いたこと自体が、いまの相場では十分に材料視されます。
Tether、アルゼンチンのネオバンクUaláへの$20M出資が明らかに
Tetherがアルゼンチンのネオバンク(デジタル銀行)Ualáに$20Mを出資していたことが明らかになりました。3月に発表されたAllianz X主導の$197Mラウンドへの参加分で、ポストマネー評価額は$3.2B、持分は約0.6%にあたるとされます。
ただしUaláのピエルパオロ・バルビエリCEOは、アルゼンチンとメキシコの現行規制によりUSDTの即時統合は阻まれており、Tetherは純粋に金融投資家として参加したと述べています。
Tetherは4月にBeloの$14Mラウンドを主導し、今月初めにもブラジルのMercado Bitcoinに$20Mを投じています。用途はまだ結び付いていないものの、中南米に出資を重ねる姿勢だけははっきりしてきました。
Base創設者Jesse Pollak、ソーシャル戦略の失敗を認めBaseアプリのリードを退く
Base創設者のJesse Pollakが、ソーシャル戦略の失敗を認めてBaseアプリのリードを退きました。「私は完全に間違っていた」と自ら述べています。
Baseはアプリの軸足をクリプト×ソーシャルに置いてきましたが、想定したほど利用は広がりませんでした。後任はJordan Fish(Cobie)で、Pollak自身はBaseをグローバルファイナンス向けのチェーンとして構築する側に注力します。
責任者自らが失敗を認めて降りるという、クリプトでは珍しい幕引きです。
SecuritizeとCantor Fitzgeraldが提携、IPO・追加公募のオンチェーン化を推進
Securitizeと金融大手Cantor Fitzgeraldが提携し、IPOや追加公募(フォローオン)をオンチェーンで実施できる仕組みを共同で構築します。
企業が株式の新規発行そのものをトークン化できるようにする狙いです。
流通市場だけでなく、発行の入り口までオンチェーンに寄せる動きが出てきました。
CoinShares、「Open USD(OUSD)はUSDCにとって最大の脅威」と分析
CoinSharesが、新興ステーブルコインのOpen USD(OUSD)はCircleのUSDCにとって「これまでで最大の脅威」だと分析しました。
USDCやUSDTが握ってきた寡占に、新しい設計のステーブルコインが挑む構図です。
ステーブルコインの勢力図が、規制整備の裏側で静かに揺れ始めています。
SummerFi、事業を終了へ。7/6のエクスプロイトが決定打、アプリは8/31まで
SummerFiが公式ブログで事業の終了を発表しました。アプリは8/31まで稼働し、サポート窓口も8月末まで継続します。
7/6にEthereum上のLazy Summer ProtocolのUSDCボールト2件でシェア価格を操作され、単一のトランザクションで約$6.04Mが抜かれたことが決定打となりました。同社は2021年6月にMaker Foundationからスピンアウトした古参です。
DeFiの草分けが、一度のエクスプロイトで畳まざるを得なくなったということです。
Bitwise、「クリプトの冬」でも関連株は23%のリターンと分析
Bitwiseの第2四半期レポートによれば、2026年上半期に暗号資産全体が36%下落する一方、クリプト関連株指数(Bitwise Crypto Innovators 30 Index)は同期間に23%のリターンを記録しました。米国株式の2倍以上のリターンで、金は7%下落しています。
リサーチ責任者のライアン・ラスムッセンは、価格と裏腹に事業の基礎的価値は力強く成長しているとし、マイニング企業のAI関連需要、ステーブルコイン、RWAトークン化の伸びを挙げています。RWAの市場規模は$33B(前四半期比12%増、年初比45%増)です。
要は、トークンの相場とクリプト企業の業績が、はっきり別々に動き始めたということです。
Hyperion DeFi、HIP-3無期限先物でSkew Technologiesと提携
Hyperion DeFiがSkew TechnologiesとHAUS(HYPE資産利用サービス)契約を締結し、Hyperliquidの無許可市場「HIP-3」を通じた機関投資家向け無期限先物商品の展開を支援すると発表しました。
Hyperion DeFiは50万HYPEを、Skewおよび他の適格パートナーによるカスタム市場の立ち上げ支援に配備します。見返りにSkewへの株式参加権と、取引量に依存しない固定・変動の両要素から成るリスティングサービス収益の分配を得ます。
要は、HYPEを寝かせておく資産ではなく、市場を立ち上げる元手として回し始めたということです。
Jito Labs、セルフカストディ型取引プラットフォーム「JTX」をローンチ
Solanaのインフラを手がけるJito Labsが、セルフカストディ型の取引プラットフォーム「JTX」をローンチしました。
利用者が自分で資産を保管したまま取引できる設計で、取引所に預けずに済む選択肢を提供します。
インフラ側の企業が、ユーザーとの接点を持つプロダクトまで降りてきています。
NYDIG、ビットコイン独歩安の主因は「需要減ではなくレバレッジ」と分析
NYDIGが第2四半期レポートで、ビットコインの下落は現物需要の後退ではなく先物市場のレバレッジ再構築が主因だと指摘しました。第2四半期は13.4%下落、年初来では32.9%の下落です。
同じ期間にナスダック100指数は27.7%上昇しており、リスク資産全体ではなくビットコイン特有の下げだとしています。建玉がサイクル安値圏で積み上がり、ファンディングレートもプラスに転じているため、清算主導の下落が再燃しかねないとも警告しています。
米国の現物ビットコインETF全体からは$4.9Bが流出しました。売られた理由は嫌気ではなく建て玉の側にある、という見立てです。
BlackRockの暗号資産残高、$15.1Bの純流入にもかかわらず12ヶ月で39%減少
BlackRockの暗号資産の運用残高が、前年同期比の12ヶ月で$79.6Bから$48.8Bへと約39%減少しました。同じ12ヶ月で$15.1Bの純流入があったにもかかわらずです。
減少の中身は市場価値の目減り$45.8Bで、価格の下落が流入を上回った形です。ただし直近の第二四半期は$3.1Bの純流出に転じています。
12ヶ月で見れば資金は入り続けた一方、足元では流出が始まっているということです。
ETF資金の流入でイーサがビットコインを上回る。流入のほぼ全てがBlackRockのファンド
ETFへの資金流入が戻り、イーサがビットコインを上回るパフォーマンスを見せました。流入のほぼ全てがBlackRockのファンド向けです。
下落局面が続くなかで、戻ってきた資金がまずETHに向かった形です。
資金の戻り先が一社のファンドに集中している点が、いまの市場の細さを表しています。
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